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腕時計好き、いや、いいモノ好きなら絶対に知っていないとマズイ、後世に語り継がれる時計開発の名勝負を厳選して集めてみました。さぁFIGHT!

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知っておくべき名勝負 その1

1965~1969年
『オメガvsロレックスのアポロ月面着陸計画採用対決』

オメガ スピードマスター プロフェッショナル

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WATCH PROFILE

(1)もともとはカーレーサー用モデルで最初から宇宙を意識してはいなかった!
(2)NASAのテストプログラムに唯一合格。スピードマスターといえば 宇宙 というイメージに
(3)いまだに手巻きにコダワリ続けているムーンウォッチ!

ムーンウォッチとして有名だが、タキメーターが象徴する通り、当初はモータースポーツでの着用を意識した屈強クロノグラフとしてデビュー。今なおオリジナルと同じ手巻きムーブをラインナップしているのもファンのツボ!

 

VS

 

ロレックス コスモグラフ デイトナ

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WATCH PROFILE

(1)あくまでも推察だが コスモグラフ と名付けたくらいだから、宇宙を目指していた!?
(2)これも推察だが加えて”デイトナ”と名乗ったのはモータースポーツへの道も残した!?
(3)宇宙へは行けなかったが大人気となり、スポーツクロノグラフの代名詞的存在に!よく考えるとコスモグラフ デイトナとは、宇宙とモータースポーツを合体した不思議な名称だ。じつは最初期の1960年代モデルにはデイトナ表記がないものも存在。ひょっとして月面競争に敗れ、レース色を強めていった?

 

ロンジンもチャレンジ!
採用テストには当時クロノの名門として知られたロンジンも参加。じつは自国(当時)のハミルトンも参加を表明したが、規格よりケースが大きかったため、試験を見送られた。

 

超過酷な試験を課してムーンウォッチを選抜
「1960年代の終わりまでに人類を月に送る」。宇宙開発競争でのソ連に対する遅れを一気に取り戻すべく、米国ケネディ大統領は’61年の一般教書演説でそんな無謀ともいえる計画をブチ上げた。この瞬間、ムーンウォッチの称号をめぐる戦いの火蓋も切られたといっていい。船外活動を行う宇宙飛行士にとって腕で正確な時を刻む時計は最重要ギア。もし月面着陸が叶うなら、そのとき彼らはどんな時計をするのか? 世界の時計好きの大きな関心事となったのだ。
むろん未曾有の国家プロジェクト遂行中のNASAに、独自に時計を開発しているゆとりはない。となると、メーカー既存モデルから最強の一本を厳選するのが唯一の選択肢。そこで白羽の矢を立てたのがオメガ、ロレックス、ロンジンのクロノグラフだった。

 

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このうちロレックスは同時期に開発したクロノ=デイトナにコスモグラフの名を冠しており、宇宙(コスモス)で使われることに対し相当な自信と憧れがあった節がうかがえる。が、宇宙の11の極限状況を再現したNASAの試験は超苛酷で、すべて耐えたのはオメガのスピマスのみ。結果この時計が’65年にNASA公式採用となり、遂に’69年、アポロ11号の人類初の月面着陸に帯同されたのだ。

なお”月”では後塵を拝したが、今もデイトナはコスモグラフを名乗り続ける。これは人類が本格的に宇宙へ大進出したとき、改めて主役を奪取するという意味か。再び両雄激突する日は意外に近い!?

 

NASAのテストプログラムに唯一合格したのがオメガ スピードマスターだった

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ウソ or ホント
NASAのテストプログラムで使用された時計にまつわる都市伝説!?

×都市伝説のウソだったこと
それぞれの時計をヒューストンの時計店「コリガンズ」でゲリラ的にテスト用時計を購入

○ホントだったこと

テスト用時計は各ブランドに正式に発注され、集められた
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国家機関であるNASAが市販品を公式に使うことはありえない。テスト用時計もロレックスは本社、オメガとロンジンは代理店を通じて1964年に正式発注したというのが真相だ。なお4代目以降のスピマスに付くリューズガードは、試験後にNASAの依頼で追加された。

 

現行モデル

オメガ スピードマスター プロフェッショナル

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ムーンウォッチ直系の永遠の大定番クロノ

最新マスター クロノメータームーブ搭載機を含め数多バリエがあるが、ムーンウォッチ直系はこの「スピードマスター プロフェッショナル」だ。ムーブは伝統のレマニア製手巻き。径42㎜。SSケース&ブレス。53万円。(問)オメガお客様センター☎03-5952-4400

 

2017年バーゼル新作モデル

オメガ スピードマスター ’57 オメガ コーアクシャル クロノグラ

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ファン垂涎の伝説のファーストを経年変化まで含めて超リアルに復刻

スピマス誕生60年を記念し、’57年製初代モデルの実機を、最新トモグラフィ技術を駆使して超忠実復刻。文字盤の経年変化具合もそのままだ。径38.6㎜。SSケース&ブレス。NATOストラップ付属。世界限定3557本。77万円。(問)オメガお客様センター☎03-5952-4400

 

 


月面には行っていないけど宇宙へ行った時計たち

フォルティス 

オフィシャル・コスモノート クロノグラフ

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2004年のISS第10次ミッションで宇宙デビューし、’06年の第13次から現在まで10回以上にわたって公式装備品に採用された屈強クロノ。日本人の星出彰彦宇宙飛行士もこれを装着した。自動巻き。径42㎜。SSケース&ブレス。34万円。(問)ホッタ☎03-6226-4715

 

 

ブライトリング 

ナビタイマー コスモノート

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1962年のマーキュリー計画に参加したスコット・カーペンター少佐が着用。24時間表示の採用は、宇宙空間で昼夜を間違えないための策だ。自社製手巻き。径43㎜。SSケース。カーフストラップ。世界限定1962本。87万円。(問)ブライトリング・ジャパン☎03-3436-0011

【他の名勝負を知りたい方はコチラ】
第二回:『傑作時計”伝説の名勝負”』自動巻きクロノグラフ編

第三回:『傑作時計”伝説の名勝負”』機械式に変わる!? 次世代ムーブメント競争

[ビギン2017年7月号の記事を再構成]
価格は当時のものです。

文/吉田 巌(十万馬力)

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