カーニー 熊谷富士喜さんをめぐる、これからのシン・スタンダードとは #039
「ハーフサイズのフィルムカメラだから思い出を2倍残せる」
カーニー デザイナー 熊谷富士喜さん
以前はプロ仕様のデジタル一眼レフを使っていましたが、きれいに撮ろうと力んでしまうし、かさばる上に重たくて、普段使いはしづらいと感じました。同じデジタルならiPhoneのカメラ機能で十分かなと。
そこでアナログに方向転換。ただ、使い捨てのフィルムカメラではどうも物足りない。そんなとき知人に勧められたのが、オリンパスのペンFです。
これは1960年代に流行した、ハーフサイズというジャンルのコンパクトフィルムカメラ。一コマが二分割され、通常のフィルムカメラの2倍の枚数の写真を撮れるため、自分のような数をこなしたい素人にはちょうどいい。
通常の構え方だと縦位置の写真が撮れるのも魅力。プロによる入魂の作品撮りと違い、スマホ感覚でパシャパシャ撮れて思い出を紙で残せるところもいいんです。
なおかつ、こちらのカメラをデザインしたのは、歴史的名カメラを多数考案したことで知られる米谷美久氏。同じものづくりをする者として氏に敬意を払い、味わいを楽しんでいる気持ちも強いですね。
最近はブランドのシーズンビジュアルを撮影するときにオフショットを撮るほか、趣味の登山でも活用中。春になったらヤマメやイワナといった渓流釣りのお供にと、今からワクワクしています。
OLYMPUS[オリンパス]
ヴィンテージ ペン F
小型で軽量な高性能カメラの先駆的モデル。世界で初めて実用的な胃カメラを開発した、オリンパスの技術が生かされている。ヴィンテージカメラだが、ネットの場合2万円前後からと比較的手に入れやすい。(編集部調べ)
カーニー デザイナー
熊谷富士喜(くまがいふじき)
1985年生まれ。ヴィンテージ調のデザインやセルロイド製の眼鏡で人気を博す、「カーニー」のデザイナー。自然からデザインのインスピレーションを得ることも多く、カメラは常にバッグに忍ばせている。
※表示価格は税込み
[ビギン2022年2月号の記事を再構成]スタッフクレジットは本誌をご覧ください。