特集・連載
今さら聞けないトリッカーズのバートンの3つのこと
当たり前の名革靴&名レザーカバン レザーシューズ&カバンは「当たり前」が一番。値も張るしね。ここでは、男の普遍ワードローブをピックアップ!でも、ド定番だけに「あ~、ハイハイ……」とぶっちゃけ知ったかぶった経験あるでしょ? 今さら聞けない(泣)コトをガッツリ“ご本人”に取材したので一夜漬けでこっそり復習を♡ この記事は特集・連載「当たり前の名革靴&名レザーカバン」#11です。
「ウイングチップ」の当たり前
【トリッカーズ】バートン
英国ノーサンプトンにおける現存最古(創業は1829年)の靴メーカー、トリッカーズ。ここの代表作である質実剛健なカントリーブーツをそのまま短靴にしたのが「バートン」だ。
country:イギリス
ソールを改良して履き心地がすこぶる軽快になったんだ
Tricker’s[トリッカーズ]
バートン M5633
名作靴「バートン」の外底を軽くて柔らかな新開発レザーソールに変更した新作。アッパーにも“ムフロン”という羊の仲間の革を使い、野趣あふれるシボとは裏腹にソフトな履き心地だ。7万7000円(トリッカーズ 青山)
“ご本人”に質問
Q1.英国皇太子がベタ惚れしたって?
A.きっかけはチャールズ皇太子の前妻・故ダイアナ妃が作ってくれたんだ。彼女の出自であるスペンサー伯爵家は代々当社の顧客で、彼女自身も愛用者だった。で、あるとき彼女が当社のルームシューズを皇太子にお薦めしたところ、大層お気に召されたんだ。
それを機に皇太子はドレス靴や私のようなカントリー靴まで愛用するようになり、遂に1996年、当社にロイヤルワラント(英国王室御用達の証)まで授けてくれたというわけ。
“ご本人”に質問
Q2.穴飾りってただのデザイン?
A.とくに僕の場合、そこらのウイングチップより穴飾りに迫力があるからそう思うかもしれないけど、これは単なるデザインじゃないんだな。本来穴飾りは、靴が濡れたときに穴に水滴を落として甲革全面に水を広げないための工夫。
加えてその部分の革を薄くすることで通気性を高める狙いもあるんだ。自分でも内心チャームポイントと思ってるけど(笑)、デカイ穴飾りは本格カントリー靴だからこそのディテールと覚えてね。
“ご本人”に質問
Q3.履き心地が軽いのは気のせい?
A.いいところに気づいたね。質実剛健を旨とする当社ゆえ、従来の「バートン」はしっかり厚みのある頑丈なレザーソールを装着。それだけに最初は若干カタい履き心地なんだ。男ならそこを気にせず履き慣らしていけと言いたいけど、今の時代、面倒と感じる人も多いようで(苦笑)。
そこで僕は今までより薄めで30%ほど軽く、屈曲性にも優れる“ウルトラフレックス レザーソール”を装着。おろしたその日から即足に馴染むよ。
従来のレザーソールより30%軽く、返りもイイ!
※表示価格は税抜き
[ビギン2021年4月号の記事を再構成]スタッフクレジットは本誌をご覧ください。