特集・連載
あなたのベースボールキャップは何スタイル? -「キャップ」の教科書
定番の教科書 ネイビージャケットやB.D.シャツ、チノパンといったお馴染みの服はもちろん、スニーカーやデイパに代表される靴、鞄、さらにはスポーツカーや食べ物まで、どのカテゴリにも、いつの時代も変わらない「定番モノ」が存在します。いまもなお、定番が定番たる所以とは? 歴史、ウンチク、名作から今買える新傑作まで、世の定番モノをじっくりわかりやすく解説します。 この記事は特集・連載「定番の教科書」#27です。
HISTORY
その来歴について深く考えた人もあまりいそうにないキャップですが、よくよく探ってみると意外にもアメリカの歴史に根ざした重量級の逸話が多いんです。プレッピースタイルが人気再燃している今だからこそ、ベースボールキャップを中心に注目度の高まるキャップの歴史と魅力をじっくり紐解いてみましょう。
(C)1858 — Group photograph of the 1858 New York Knickerbockers and Brooklyn — Image by (C) Bettmann/CORBIS
カタログの上に見える写真は、1858年に撮影されたアメリカの野球チーム「ブルックリン・エクセルシオールズ」の肖像。彼らの被っていた”6枚はぎのツバ付き帽子”が、一説では今に繋がるベースボールキャップ(ブルックリンスタイルと呼ばれる)の原型になったといわれている。ちなみにカタログはクーパーズタウン ボールキャップがかつて発行していたもの。
ベースボールキャップの歴史は
労働着(ワークウェア)から始まった
定番アイテムの基礎知識
帽子
【キャップ】
●縁のない帽子の総称。
●現行のベースボールキャップは通称ブルックリンスタイルと呼ばれる。
野球というスポーツの黎明期にあたる1850年代、野球はあくまで労働者たちが仕事あがりに仲間と楽しむ遊びの一つだった。彼らは頭部を保護する目的で被っていた仕事用の帽子を、そのまま野球をするときにも被った。そのため地域ごと、チームごとにさまざまなスタイルの帽子が存在することとなった。ジョッキー帽、ストローハット、ボーター(カンカン帽の一種)、ニュースボーイ(キャスケットの一種)、エンジニアキャップなどがそうである。
現在のようなベースボールキャップは”ブルックリンスタイル”と呼ばれ、1858年に「ブルックリン・エクセルシオールズ」が初めて被った帽子を原型にしている。1895年には、カモのクチバシのようなカタチをしたステッチ入りのバイザーが採用されるなど、現在のベースボールキャップとほぼ同じ仕様となり、1920年代を迎える頃にはこのスタイルが主流となった。
写真/大嶽恵一 文/星野勘太郎 スタイリング/四方章敬(CODE)菊池秀史 取材協力/ニューエラ ジャパン プライムピース エベッツ フィールド フランネルズ ジャパン