特集・連載
ド級スペックだけど街中でも違和感ないデザイン♡ タイタニック級ダイバーズ時計
海の中のダイバーズ時計たち ダイバーズ時計の防水性能は人間の潜水能力の遥か先を行ってます。絶対そこまで一緒に潜れませんが(汗)、その水深にどんな世界が待つのかを知れば、購入後の愛着もひとしおだと思いません? そこで今回は新作&定番ダイバーズの“深さ”スペックをわかりやすくお伝えします。 この記事は特集・連載「海の中のダイバーズ時計たち」#04です。
技術の粋を集めた超深海クラス
タイタニック級ダイバーズ時計[水深 ~5000m]
『タイタニックを引き揚げろ』という傑作海洋冒険小説がありますが、あの豪華客船は思いのほか深海に沈没。ここまで潜水できるものとなるとさすがに限られてきて、Beginお馴染みのブランドでいえばロレックスとジンくらい。
両機ともド級スペックにもかかわらず、街中でも違和感ないデザインなのがナイス♡ 深海ロマンに浸りたい人は思い切っていっとく?
3900m防水
定番
ROLEX[ロレックス]
シードゥエラー ディープシー
通常のシードは1220m防水だが、’08年誕生のディープシーはケース内の窒素合金製センターリング、厚さ5.5mmのドーム型風防、グレード5のチタン合金製裏蓋により水深3900mでかかる約3トンの水圧に耐える! まさに機械式ダイバーズの王様。自動巻き。径44mm。SSケース&ブレス。
5000m防水
定番
Sinn[ジン]
UX.GSG9
ドイツの対テロリズム特殊部隊“GSG9”の要請で生まれ、実戦装備品として納入されたモデルの後継。ケースに特殊オイルを封入し、外と内の圧力を調節することで5000mの防水性能を適えた。外装は耐海水性・反磁気性に優れたUボート・スチール。径44mm。クォーツ。35万円。(ホッタ)
沈没水深3800m
数々の映画や小説の題材となった悲劇の豪華客船。1912年、英国から米国NYに向かって航海中に沈没。’85年にカナダ・ニューファンドランド島の南東沖約600㎞の深海で発見。
仕事や酒場で遭遇しがちな“メーターパン症候群おじさん”の対処方法
メーターパン症候群おじさんとは?
●今から35年ほど前のダイバーズ時計第一次ブームの経験者(概ね50代後半)
●若い頃に沖縄の海で一度体験ダイビングをしただけなのに、「昔ダイビングやってた」と自慢する
●ピーターパン症候群のように子供っぽいところがあり、時計の防水性能について張り合ってくる
▶「いいダイバーズしているね」
▶「オレも一時期ダイバーズ時計にハマっていてさぁ」
▶「何m防水なの?」
▶「えっ、1000m防水? 最近の時計はスゴイなぁ」
▶「でもさぁ、1000m防水って無意味だよね。昔ダイビングやってたからわかるけど、人間が潜れるのってせいぜい30m。オレが持ってる防水時計くらいのマージンがあれば十分だよ……ウダウダ」
こんなふうに嫉妬交じりに中途半端な蘊蓄を聞かされるのって苦痛ですよね? これをかわすなら、「何m?」と聞かれたとき「ダイオウイカ級です」とか「タイタニックくらいかな」なんて煙に巻くのは上手い手。
それでもしつこかったら、高級スポーツカーにたとえて話しましょう。なぜ自分は1000mダイバーズを買ったのか。
「時速300km出るフェラーリなんて日本の公道じゃ無用の長物ですが、それを適えるエンジンのサウンドや空力を計算した美しいボディには理屈抜きにゾクゾクしませんか? ボクはそういう男のピュアな気持ちを大事にしたくて。ところで今、どんなクルマに乗っています?」
この手のおじさんはバブル華やかなりし頃に青春時代を過ごしているため、高級スポーツカーへの憧憬の念はひとしお。これできっと引き下がってくれるはず。お試しあれ。
※表示価格は税抜き
[ビギン2020年8月号の記事を再構成]スタッフクレジットは本誌をご覧ください。