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文具で唯一ロイヤルワラントを有する「スマイソン」。王室から著名人にまで愛される秘訣を紐解くと、“フェザー・ウエイト・ペーパー”という羽根のように軽い紙に行き着く!? スマイソンの正規取扱店のヴァルカナイズ・ロンドン代表の田窪寿保さんに真相を伺った。

SMYTHSON スマイソン ダイアリー フェザー・ウエイト・ペーパー

ポンド紙幣と同じ素材の紙を使用していたフェザー・ウエイト・ペーパー
(ヴァルカナイズ・ロンドン 田窪寿保さん・談)

まず初めに、ブランドの始まりについて少しお話しします。1887年、ロンドンのニューボンド・ストリートにお店を構えたスマイソン。創業者のフランク・スマイソンが文具品や革製品に「軽くて持ち運びやすい」を求めたのが始まりです。

そんな思いをもとに1908年に誕生したのが、羽根のように軽いぺールブルーの紙を使用したダイアリーです。

その紙がとても画期的で、重量はわずか50g/m²、大体コピー用紙が70g/m²なのでその薄さと軽さは一目瞭然。また当時は、万年筆が主流でしたから、薄すぎる紙は裏にインクが抜けてしまったり問題が多いのですが、この紙はインク抜けはもちろん、滲むこともなく万年筆との相性がすごくいいんです。

もちろん紙の素材がいいわけですが、それもそのはず、旧ポンド紙幣と同素材の特殊紙を使っていて、各国の証券や紙幣を製造する英国の製紙専門工場で製造しています。

SMYTHSON スマイソン ダイアリー フェザー・ウエイト・ペーパー

特殊紙に関して、詳しくは話せないんですが……その理由は、スマイソンの紙はいわば最高級品で、模造品がたくさん出回ってしまったこと。そのため今では、模造品との判別のために、地球儀と羽根ペンの透かしが施されています。

さらに小口周りには、金や銀の箔で加工されていますが、これは紙に張りをもたせ耐久力を上げるもの。またご存じの方も多いかと思いますが、スマイソンの青は「ナイルブルー」と呼ばれます。これは創業者がナイル川を旅行したときに、その川の青さに感動して名づけられたもので、これは万年筆の青いインクを考えた色合いなんです。

このような紙へのこだわりが認められ、スマイソンは「ファーストクラスのステーショナリー」としての地位を確立しました。ロイヤルワラントを保有することでも有名ですが、故ダイアナ妃も自身の交際録をスマイソンのダイアリーに残したり、今でも王室には定期的に献上されたりしています。

実際私も、日常的に愛用しておりまして、何か思いついたアイデアなどを書きためたり、紙に向き合う時間というものをスマイソンを通して作っています。何かを書いている時間は落ち着きますし、デジタルはデバイスがなければ読み取ることができませんが、紙ならすぐ見返すことができる。

さらに“フェザー・ウエイト・ペーパー”は100年以上、形を変えずに時代を超えてきました。そういった意味でも、どんなに、デジタル化が進んでも、僕らにとって紙は一生モノなんでしょうね。
 

軽さ書き心地ともに一級品 フェザー・ウエイト・ペーパー

SMYTHSON[スマイソン]
ダイアリー

クロスグレインのラムスキンを使ったポケットダイアリー。バッグに入れるときに丸めたり、ねじ込んだりしても跡がついたり変形しないような特殊な製本法を採用している。9000円。(ヴァルカナイズ・ロンドン)

SMYTHSON スマイソン フェザー・ウエイト・ペーパー
フェザー・ウエイト・ペーパー

田窪寿保さん

ヴァルカナイズ・ロンドン
代表
田窪寿保さん

ヴァルカナイズ・ロンドンを展開する、BLBG(株)代表取締役CEO。英国通としても知られ、メディアの露出も多数。著書も執筆される。自身も日常的にスマイソンを愛用する。

 
※表示価格は税抜き


[ビギン2020年3月号の記事を再構成]スタッフクレジットは本誌をご覧ください。

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