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昔はバイクで走り回っていたけれど、最近はすっかりご無沙汰……でも久しぶりに元気に走ってみたい。そんなふうに考えている元ライダーの諸氏も多いのではないでしょうか? とはいえ、もう一度バイクを購入し、装備を揃えるというのはなかなかハードルが高いものです。そんな人におすすめしたいのが、レンタルバイクで楽しめるレース。レースとはいっても、目を三角にしてスピードだけを追い求めるのではなく、仲間と一緒に1台のバイクを乗り換えながら走る耐久レース方式で、ライダー交代の際にはちょっとしたお題に挑戦したりと、のどかな雰囲気。そんなレース、「レン耐」に昔のバイク仲間と一緒に参戦してきました。

バイクだけでなく装備も一式レンタルできる

声をかけたのは、過去に一緒にサーキットを走っていたこともあるバイク仲間。今はバイクに乗っていない人も多いが、125ccの小排気量車でミニサーキットを走ると聞いて、あっという間にメンバーは集まりました。とはいえ、ヘルメットはあるけど革ツナギは持っていなかったり、ライディングブーツがなかったりと、サーキット走行に必要な装備を用意できないメンバーも。でも「レン耐」では、レンタルの革ツナギやブーツ、グローブなどが用意されているので(追加料金は必要)、そんな元ライダーでも気軽に参加できます。

ヘルメットは自前ですが、革ツナギやブーツ、グローブはすべてレンタル。
「レン耐」を主催するのは元世界GPライダーの青木拓磨さん。最近、鈴鹿8耐のセレモニー走行でも話題となりました。
レンタルしたマシンはホンダの「モンキー125」。スタイルは昔のモンキーのままですが、エンジンは125ccです。
エンジンや足回りはノーマルながら、サーキット走行に必要なプロテクターなどの装備は付いています。

まだ免許を持っていない女子高生も一緒に走る

今回、声をかけたメンバーの1人が「娘も走りたがってるんだけど」と言ってきたので、急遽一緒に走ることに。このときはまだ女子高生。教習所に通っている最中で、まだバイクの免許は取れていないけれど、サーキットの中だけなら免許は必要ありません。しかも「レン耐」では、レース前にコースを使って初心者向けの講習もしてくれるので安心です。さらに、女性ライダーは専用のビブを身に着けていて、女性ライダーの邪魔をしたりすると周回数を減算されるなどのペナルティが課されるので、無茶な抜き方などはできません。初心者や女性を大事にしているレースなのです。

このときはまだ女子高生だったアミちゃん。もちろん、最年少の18歳。レースはおろか、サーキットを走るのも初めて。
父・母・娘の家族3人での参戦なので、記念に革ツナギの上から制服を着せられていました。
教習所は「まだ1段階が終わったところ」とのことだが、講習を聞く姿は真剣(写真手前)。
レース前には先導付きでコースを案内しながら走り方を教えてもらえるので、初心者でも心配ありません。

速いだけでは勝てないレース

「バイクに乗るのは久しぶり」「サーキットを走るのは何年ぶりだろう?」というメンバーばかりでしたが、実は久しぶりにバイクに乗るなら、対向車や歩行者がいないサーキットはむしろ安全。しかも「レン耐」には速さだけを求めるのではない仕掛けがいろいろと用意されています。

まず、ガソリンは全チーム同量で、基本的にスタート時に入れられているガソリンで走りきらなければいけません。何も考えずにアクセルを全開にしていると、ゴールまで持たない設定なので、体重が軽い人やアクセルをあまり開けない人を上手く間に挟んだり、少しペースを落として燃料を節約する時間を作らないとゴールできないのです(追加給油も可能ですが、その分周回数を減算されるルール)。

スタートはチーム員が支えているバイクまで走って行く“ル・マン式”と呼ばれるもの。
3時間の耐久レースで、チーム全員が平等に走るので、1人だけ速いライダーがいても勝てない。
ライダー交代のスムーズさも重要なポイントです。
仲間が走っているときには応援にも力が入ります。

また、1人のライダーが50分以上連続で走ることはできず、チーム員が平等に走らなければいけないので、速い人ばかりを走らせることもできません。そのうえ、ライダー交代時の3回に1回はルーレットを回して表示されたお題にチャレンジする必要があります。

お題は、パズルゲームを解いたり、写真を撮ってSNSにアップしたり、ふ菓子を一気食いしたりとチーム全員で取り組む必要があるので、チームみんなでチャレンジしている気分が高まります。

ライダー交代の際には、3回に1回、お題にチャレンジする必要があります。
スマホで写真を撮ってSNSにアップしたりと、1人ではできないお題なので、チーム員の協力が不可欠。
ポーズをとっているわけではなく、あと1周でピットインするというサインです。
125ccなので、ストレートでは気兼ねなく全開にできるのが気持ちいい!

順位は覚えてない! でも最高に楽しい1日だった

今回のチームは、ライダーが7人と割と大所帯だったので、ライダー交代も結構忙しい。前半はかなりいいペースで飛ばしていましたが、途中からガソリンの残量が怪しくなってきました。なので、体重が軽くてガソリンの消費が少ないアミちゃんにたくさん走ってもらう作戦に変更。すぐアクセルを全開にしてしまう飛ばし屋は、走る時間を削りました(笑)。

レース中の順位は貼り出されるので、自分のチームがどの辺を走っているかすぐわかります。
久しぶりのサーキット走行でも、速いライダーはやっぱり上手い。
全員転倒もなく3時間を走りきってチェッカーフラッグを受けることができました。
表彰式ではシャンパンファイトも。次はあれに参加してみたい!
大好きなマルク・マルケスのポスターをもらって笑顔のアミちゃん。

その結果、途中でガス欠することもなく、無事にゴール! 残念ながら入賞することはできませんでしたが、初めてサーキットを走ったアミちゃんをはじめ、チーム全員が笑顔だったので、大人のアクティビティとしては大成功でしょう。しかも、表彰式では入賞したチームだけでなく、女性のライダーや遠方から参戦したチームに景品が贈られたり、じゃんけん大会もあるなど“速い”ことではなく“楽しんだ”人たちが勝ちという姿勢が貫かれています。

久しぶりに思い切りバイクで走ってみたいというベテランから、初めてサーキットを走るという人まで、バイク好きなら誰でも気軽に楽しめるレースです。「レン耐」は全国各地で年間34ものレースを開催。ぜひ一度、お仲間と参加してみてください。

 

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レン耐
http://rentai.takuma-gp.com/


構成・文/増谷茂樹

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