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お気に入りのジーンズを長持ちさせるには

ジーンズの大きな魅力のひとつが、穿き込むほどに色落ちして風合いを増す、経年変化にあり。特にリジッドやワンウォッシュなど濃いインディゴの場合、その変化は顕著で、穿く人のクセや洗濯の頻度によって大きな差が出ます。そこで、お気に入りのジーンズと長く付き合うためのケア方法と保管方法を、ヴィンテージジーンズの達人であるベルベルジンのディレクター藤原氏にお伺いした。

そもそもジーンズは頻繁に洗わなくていい

――洗濯の頻度はどのくらいが適正なのでしょうか?

「10回着用したら1度の洗濯で十分です。そもそもウォッシュ加工済みで、それ以上ほとんど色落ちしないジーンズであれば、2~3回に1度の割合で洗濯してもいいでしょう。特にスリムフィットのジーンズは、肌に触れる部分が多いので、内側に汚れが溜まりやすいですから」

――濃いインディゴをなるべく残したい場合は?

「僕の場合、糊がついたままのリジッドなら、1年間洗濯せずに穿き続けます。最初の洗濯でかなりインディゴが抜けますので、注意してください。お気に入りのジーンズを長く愛用し、ヴィンテージのような風合いになるよう育てるには、それなりのケアをすべきでしょうね。いろいろと自分で試してみた結果、インディゴを残しながら自然なヒゲやアタリを出すには、専用のデニム用洗剤を使うことをオススメします」

現在愛用中の501®︎XXの66モデルを手に、解説してくださった藤原さん。ちなみにヴィンテージと定義しているのは1977年製までとのこと。

やっぱりデニム専用洗剤を使うのが一番

――なるほど、やはりデニム専用洗剤がいいのですね?

「このビヨンデックス(この記事の一番上写真)というデニム専用洗剤は、僕自身が監修にも携わったものです。汗や皮脂汚れはしっかり落としながら、インディゴはなるべく落ちないように開発しました。まず30リットルの水に対して、このビヨンデックスを5プッシュします。それからデニムを裏返しにして、先ほどのぬるま湯に20分浸け置きします。あえて縮ませたいという方は、45℃くらいの高温の湯に浸けると、身幅も着丈も2~2.5cmほど縮みます」

皮脂や汗といった汚れが集中するのは、ジーンズの裏側。ジーンズを裏返してから、20分以上浸け置きするのが基本。

――漬け置きした後のすすぎ方と干し方は?

「軽く手洗いして、洗濯機で脱水します。ドラム内に貼り付けるようにする程度です。すすぎが終わったら、次は干す作業です。干し方はいろいろあるようですが、自分であれこれ試してみた結果、一番いいのがこの方法です。2本のパンツハンガーを利用して、筒状にしてから陰干しします。こうすることで、膝抜けを防止でき、本来のシルエットをキープすることができます」

裏返しのまま筒状にして陰干しすべし

2本のパンツハンガーを使って、筒状にしてから干す。その際、ベルトループの部分にクリップを付けるときれいな筒状になる。

――なるほど。すすぎの後も裏返しのまま陰干し、2本のハンガーで吊るすのがポイントですね

「そうです。直射日光で干すと、日焼けによって予想できない変化が起きてしまいますので注意してください。よく、レザーパッチや紙パッチをきれいなまま残したいという方がいますが、洗濯する以上、劣化は避けられません。高額なヴィンテージを転売目的で保存するなら、そもそも洗う必要はありませんよね。自分で穿くのであれば潔く諦めてください。どうしてもパッチをきれいに残したいのであれば、洗濯前にあらかじめ取り外しておくのが良いでしょう」

――干し終わった後の保管方法とは?

「何十本もジーンズを持っている人であれば、タテ二つ折りにしてからコンパクトにたたんで、プラスチック製の衣装ケースに入れて保管しておけばいいでしょう。ただ、どうしてもジーンズの脇部分にたたみジワがくっきりと出てしまいます。このたたみジワがついたまま着用すると、その部分から色落ちが始まってしまい、不自然なアタリがついてしまいます」

ショップで陳列されているように、こうして折りたたんで収納するのが一般的。直射日光を避け、防虫剤を入れてケースなどに保管。

長期間たたんだままのジーンズには、どうしてもたたみジワがくっきり出てしまう。特にリジッドデニムの場合には注意が必要だ。

たたみジワをつけずに保管するならスラックスと同様に

――たたみジワが出ないように保管する方法とは?

「なるべくきれいな色落ちのまま保管したいというジーンズは、スラックスと同様に二つ折りして、パンツハンガーで吊るすのがオススメです。衣装ケースに入れて保管したジーンズを久々に穿く場合は、スチーマーでたたみジワをしっかり取ってから穿いてください」

クローゼットに余裕がある人や頻繁には穿くジーンズは、スラックスと同じようにハンガーで吊るして保管するのがベスト。

 

今回お話を伺った人

ベルベルジン ディレクター 藤原 裕さん

リーバイス501®︎の希少なヴィンテージを集め、当時の貴重な写真や資料とともに徹底研究した書籍『THE 501XX – A COLLECTION OF VINTAGE JEANS -』を上梓し、今やヴィンテージジーンズの神様とまで呼ばれるように。素材から加工まで、ディレクションを手掛けたヤヌークの新作ジーンズも話題に。

オススメのデニム専用洗剤

※表示価格は税抜き


写真/植野 淳 構成・文/川瀬拓郎 スタイリング/宮崎 司

 

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