特集・連載
いまみーんな着てるマウンパはどうして街で着られるようになったの? ‐「マウンテンパーカ」の教科書
定番の教科書 ネイビージャケットやB.D.シャツ、チノパンといったお馴染みの服はもちろん、スニーカーやデイパに代表される靴、鞄、さらにはスポーツカーや食べ物まで、どのカテゴリにも、いつの時代も変わらない「定番モノ」が存在します。いまもなお、定番が定番たる所以とは? 歴史、ウンチク、名作から今買える新傑作まで、世の定番モノをじっくりわかりやすく解説します。 この記事は特集・連載「定番の教科書」#09です。
HISTORY
トレッキングやハイキング用のアウターとして生まれ、その機能性の高さ、カッコよさから街でのアウターとしても親しまれるマウンテンパーカ。通称マウンパ。今日ではアウターシェルとも呼ばれるが、その発展は素材の進化の歴史と切っても切れない関係だ。まずはそのあたりから紐解いてみよう。
今日、フィールドで主に使われるのはゴアテックス社製の防水透湿素材。しかしマウンパが広く愛されるきっかけは、“ロクヨン”の呼び名で親しまれる綿ナイロンの混紡素材だ。この2大素材こそがマウンパの歴史でもある。
定番アイテムの基礎知識
服
【マウンテンパーカ】
●山岳フィールドでの過酷な環境に耐えるために生まれたアウター。
●雨風に強い。
●男の機能服として街でも人気。
マウンパと聞いてまずイメージされるのはシェラデザインズのマウンテンパーカーだ。誕生は1968年。南極基地で使われていた軍用ジャケットや、バイク用レザージャケットの着心地の悪さに不満を抱いていた2人の創業者によって作られた。素材に用いられたのは当時の先端素材60/40クロス。機能性の高さが受け、全米のトレッキングブームに乗り瞬く間に大ヒットした。
1976年には防水透湿性を持つゴアテックス ファブリクスの製品が登場。今現在フィールドアウターとして多く使われるのはこちらで、「山用パーカ」であることに違いはないが、完全防水であることからレインジャケットなどとも呼ばれる。ちなみによく使われる「シェル」という表現は、殻=レイヤリングの一番外の服という意味だ。
写真/大嶽恵一 文/礒村真介 スタイリング/佐々木 誠 取材・写真協力/アリガインターナショナル 日本ゴア
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