北欧デザインとは……ずっと使いやすくて、ちょっぴり愛らしいもの
フィンランドの国民的食器「イッタラ」はなぜこんなに使いやすい?
名ショップ「スコープ」に突撃取材「あなたの家に“イッタラ”があったら……」
北欧の食器が使いやすいのはなぜ? てことで、北欧ブランドに精通し、現地デザイナーとも親交の深いネットショップ「スコープ」の代表、平井千里馬さんに解説してもらいました!
「スコープ」代表 平井千里馬さん
「ティーマは僕の中では近所にあるうどん屋みたいな存在です(笑)」ー 平井さん
[Q.]ズバリ、イッタラデビューにおすすめなのは?
イッタラでおすすめといえば、やっぱり「ティーマ』。今日はこの柄、明日はあの柄と主役の食器がその都度変わっても、違和感なく組み合わせて使い続けられますから。ごちそうの横の白飯というか、毎日通っても飽きない近所のうどん屋というか(笑)、派手さはないけど、なくてはならないものになってくれるはずですよ。
特にティーカップと15cmプレートの組み合わせが、初心者の方にはお勧め。ティーカップ&ソーサーになるのはもちろん、スープカップとケーキ皿みたいに別々にも使えます。
どちらかが割れても単品売りだから買い直しやすいし、なんなら片方だけでも使い続けられる。ウチはイッタラに色別注をかけているので色数も豊富ですよ。
[Q.]イッタラがあったら暮らしはどうなる?
丈夫で割れにくいし、フリーザーも電子レンジも食洗機もOK! そんなイッタラの食器をひと通り集めたら、それ以上食器を買う必要がなくなりますね。
じつはこれがとても大事で、北欧の人たちの暮らしをみると、とことんこだわって食器や家具を集めますが、揃ってしまえば必要以上に買わない。その分のお金で旅行に出かけるみたいです。サマーバケーションでスペインに行って来たよとか、いつもそんな話でもちきり。
次から次へと消費するようなことはせず、物を大事に使いながら貯めたお金でいろいろな国を旅して存分に楽しむ。素晴らしい暮らしじゃないですか? え? 皆が食器を買わなくなったらウチの商売が傾く? それで傾くならむしろ本望です(笑)。
平井さんの推しティーマはこれ
ittala[イッタラ]
ティーマのティーカップとプレート(15cm)
寸胴型で安定性が高く、紅茶にもコーヒーにも最適な満水容量220mlのティーカップ。これと相性抜群なプレート15cm。専用のカップ&ソーサーと異なり、中央に凹みがないから万能小皿として食卓で大活躍! ティーカップ全6色。各3080円。プレート15cm全6色。各2420円(以上、スコープ)
a:マグ0.3L 3300円
b:シリアルボウル 15cm 3300円
c:スクエアプレート 12cmが3080円、16cmが4400円
d:プレート12cm、17cm、23cm それぞれ1980円、2750円、3300円
e:ミニサービングセット 7700円
(以上、スコープ)
ヘルシンキの空港で見かけた山積みティーマ! バランスが崩れる様子なしで、実力を見せつけられました
割れた記憶はないですネ。食洗器に雑に入れても平気です
イッタラをもっと知れる
平井さんがリスペクトするデザイナーズ系譜
「イッタラを語るう上で欠かせない3人。カイ・フランクとオイバ・トイッカは机を並べて仕事をし、オイバ・トイッカとハッリ・コスキネンはご近所。人気作を手掛けたデザイナーは繋がっている!」
右/オイバ・トイッカ(1931-2019)、左/ハッリ・コスキネン(1970-)、中央/カイ・フランク(1911-1989)
《3人の代表作品たち》
【オイバ・トイッカのKastehelmi ボウル230ml】
「オイバ・トイッカ最初の大ヒット作。生産上の問題を解決するためにドットはデザインされたと言われています。1989年に廃番となり、2010年に復刻されています」。こちらの新色は2970円(スコープ)
【ハッリ・コスキネンのALUE】
「イッタラの大きな魅力はガラス製のアートピース群にもあります。彼によるガラスの塊のようなオブジェは、完売すれば買えないアートピース」。個体ごとに色味も異なる。18万7000円(スコープ)
【カイ・フランクのKartio タンブラー】
「グラスもまた装飾の要素は色だけ! フィンランドらしい、落ち着いた綺麗な色が揃うシンプルなグラスシリーズ。1958年から続くロングセラーです」。度々追加される新色も注目! 1650円(スコープ)
※表示価格は税込み
[ビギン2024年8月号の記事を再構成]スタッフクレジットは本誌をご覧ください。