北欧デザインとは……ずっと使いやすくて、ちょっぴり愛らしいもの
フィンランドの巨匠「アルヴァ・アアルト」のスツールで北欧デザインは満足できる
マリメッコからイノベーターまで一生使える“北欧デザイン大全”[フィンランド編]
「北欧」と聞くと家具や食器、雑貨など、世界的に評価されているデザイン名品を連想する人も多いでしょう。そのどれもがシンプルでいて、一度見ると忘れられないインパクトもあります。国を超えて愛される北欧デザインとは何なのか? そこには使い手の姿を想像した緻密な計算と、人間味のある温かさがありました。これから先も使える、北欧デザイン名作を深掘りします!
独自の出版物や貨幣の流通、美術・デザイン系学校の創設など、いち早くアイデンティティを作り上げ存在感をアピールしたフィンランド。多くのデザイナーも活躍している。
フィンランドの巨匠アアルトのスツールで北欧デザインはぶっちゃけ満足できる
フィンランドに限らず、北欧諸国に共通していえることですが、冬は寒さが厳しく夜がハンパなく長い。必然的に家で過ごす時間が増えるため、現地の人々には、よい家具やよい食器を揃えて、住環境を充実させたいという想いが意識の根底にあるといいます。
彼らにとって“良い”とは、コンセプトが斬新とか装飾が凝っているとかではなく、丈夫で使い勝手がよく、飽きずに長く使い続けられること。1930年代にそんな“良さ”をカタチにしたのが、フィンランドデザイン界の巨匠アルヴァ・アアルトです。
アルヴァ・アアルト(1898-1976)
「日々の暮らしをより良くするもの」こそ優れたデザインとの理念の下、数多くの作品を残した北欧を代表する建築家・デザイナー。
そぎ落とされた機能美の画期的スツール
玄関から寝室まで場所を問わず使える
たくさんの作品を残したアアルトですが、なかでも使い勝手のよさで群を抜くのが「スツール 60」。
座面と3本の脚からなるシンプルな構造ながら、スツールとしてだけでなく、ベッドサイドテーブルにもなればコンソールテーブルにもなるし、フラワースタンドや玄関先のチョイ置き台にもなる。
サイドテーブルにも重宝‼
来客時にはコーヒーテーブルとして使え、平時には魅せる収納として重ねておけるといった具合に、1脚で何役もこなせるスグレモノ。
使い勝手を優先する北欧デザインの合理性を、結晶化したようなスツールなんです。まるでアアルトの奥義に触れるような感覚、満足度の高さは折り紙付きですよ♪
重ねると魅せる収納に‼
「スツール 60」の4本脚バージョン
アルテック
スツール E60 ワイルドバーチ
節も虫食いもそのまま活かす木材選定の新基準ワイルドバーチを、アルヴァ・アアルトが1933年にデザインした「スツール 60」の4本脚バージョン「スツール E60」に採用した新製品。W38×D38×H44cm。3万8500円(アルテック)