特集・連載
ウマい! 映える! 褒められ料理道具8選
とことん使える一生モノ また値上げぇ~!?と、こっちが音を上げてしまいそうな昨今の日本経済……。でもしょげてばかりじゃいられない。モノ好き賢者の成功体験を聞きながら、結局得する「一生モノ」をオールジャンルで紹介します。 この記事は特集・連載「とことん使える一生モノ」#35です。
確かな腕はもちろんのこと、さまざまな道具を駆使して最高の一品を提供する超一流。彼らが頼るモノのなかでもとくに一生頼り続けたい! と推している道具を教えてもらいました。
①柳宗理のミルクパン
即席麺スープを注いだとき“そういうことか!”と
日本におけるインダストリアルデザインを確立した第一人者、柳 宗理がデザインした液ダレしにくい小鍋。前田さんは1万円弱で18cmサイズを購入。
学生時代のアルバイトで料理に開眼!
ビームス コンテンツ ディレクター
前田太志さん
昨年引っ越しをして、身の回りの“当たり前”を見直してみました。みそ汁やスープを作る小鍋を見つめ直したとき辿り着いたのがこの超定番。柳 宗理さんによる美しいデザインとそれによる使い勝手、どこを取り上げても大満足です。
いちばん感動したのは、意外にも即席袋麺を茹でたとき。麺を器に上げ、スープを注いだ瞬間、こういうことかぁと一人感動しましたよね。
②ストウブのココット
土日の料理が煮込みになるのはコレのせいです
鋳物ホーロー鍋の大定番。ココットのサイズは10~27cm、価格は1~4万円台とラインナップの幅が広く、使用シーンや予算によってピッタリなセレクトが可能。
作った料理は基本インスタにアーカイブ♪
マッシュスタイルラボ チーフプレス
和田 隼さん
妻も薄々感づいているのではないでしょうか。ストウブがウチに来てからというもの、僕がご飯を担当する食卓には煮込み料理が並びがちなこと……。だって、蓋して煮込むだけで、なんでもウマくなっちゃうんだもの。
ちょっと体が当たったくらいじゃビクともしない超重量も、ヤンチャな2歳児がいるウチには最適。壊れない限り使いますよ。壊れないでしょうけど。
③カーハートのエプロン
この色じゃなかったら選ばなかったかもしれない
カーハートらしいダック生地を使ったエプロンには、各所にポケットが備わり料理にもうってつけ。1万円前後で入手可能。
自宅で友人にスパイスカレーを振舞うことも
フォトグラファー
久世直輝さん
僕の手料理といえばスパイスカレーなんですけど、スパイスを炒めると油跳ねがスゴい。とくにターメリックの黄色は一度服に付いたら終わりですよね。それがこのエプロンだと……おわかりでしょう? むしろ程よい汚れに見えて、キャンプなんかではサマになるんですよね!
かれこれ5年は使ってますが破れる気配もない。さすがはワークウェアの老舗ですね。
④ビクトリアのトルティーヤプレス
僕と言えばタコス。ついにプレス機入手しました
トルティーヤを作るためだけに設計された、コロンビアブランドのキッチンウェア。重厚な作りで、均一で薄く生地を伸ばしてくれる。1万円弱で通販可能。
本場仕込みの手製タコスで週末はパーティ
アウターリミッツ 海外事業&PRシニアマネージャー
吉田 聖さん
大学生時代をテキサスで過ごした影響でタコスが大好物。今まで生地は手延べしてたんですが、どうしても形はいびつになるし時間もかかる。そこでついに手に入れました……プレス機。
総重量4kg弱の鉄でプレスするわけですからそりゃもう一瞬でお店ばりのトルティーヤが完成! 手入れさえちゃんとすればまさに一生モノ。より一層“タコパ”はかどっちゃいます。
⑤クッキングプロの電気圧力鍋
内蔵レシピ全80作り切るのに一生かかるかも……
炊飯だと3.5合まで対応する2.4L容量で、1万5000円前後で通販できる。80種のレシピを搭載し、ほったからかしで一品が完成する。
手料理を彼女に振舞うのが楽しみなんです
アーバンリサーチ プレス
西村滋紀さん
2年前に時短のためこの圧力鍋を手に入れました。もちろん好きなレシピで調理も可能なんですけど、何がスゴイってオリジナルレシピが全80種も搭載されていること。じつはこの2年でそのうちの10もクリアできてないことを考えると、全クリするにはまだそうとう時間かかるな……と。
水なしで作るカレーがとくにお気に入りで、いつも彼女に振舞って鼻高々です(笑)。
⑥HAL 無水鍋のKINGシリーズ
楽しみでしかたがない! 季節を味わう炊き込みご飯
熱伝導率や蓄熱性に優れたアルミニウム製の鍋は、鋳物製でありながら軽量なのもいい。中村さんは18cmサイズを1万5000円前後で購入した。
“お出汁”のすばらしさを布教してます!
にんべん プレス
中村拓美さん
上の画像はとうもろこしを使った炊き込みご飯。お米はもはや炊飯器は使ってませんね。多少ケアには気を使いますが、せっかちでがさつな自分には材料を入れてほったらかしで完成するこの鍋が最適。
蓄熱性が高くすばやくムラなく火が通る鍋なので、炊き込みご飯ひとつとっても素材の旨みがダイレクト。手に入れてからの2年間、新しい季節が待ち遠しいんです(笑)。
⑦KANSAI NOGUCHIの器
どんな料理をどう置こう?考えるのが楽しいんです
既成概念にとらわれず、アートのような視点で作られる器が人気の作家による平皿。1万円前後とお皿としては高級な部類ゆえ、宮本さんは少しずつ収集中。
PR業のかたわらスパイス料理の修業もしています
MIYAMOTO SPICE 代表
宮本哲明さん
初めて手に取ったのは約5年前。アクションペインティングというアート技法から着想を得た湯呑みに一目惚れしました。和なテイストのこの皿は、模様を活かして料理を配置するもよし、あえて目立たないように配置するもよし、こう見えて意外に使いやすく、どんな国籍の料理も邪魔しない懐の深さがある。
料理を勉強する身でもあるので、考えるのが楽しくなるんです。
⑧コスタ ノバのディナープレート
よく見ると歪んだ皿は何をのせてもサマになる
下積み時代には同居人の胃袋も支えてました(笑)
スタイリスト
井上裕介さん
最初は、何だこれ!?と思いました。皿のフチが不規則に波打ってるんですから。でも料理をのせたらすぐわかりましたね。
しっかり盛りつけたハンバーグがサマになるのは当たり前ですが、たとえばポテサラをのせてもちゃ~んと映える。要は超簡単にフンイキが出るんですね。それでいて価格は2000円ちょい。リアルに7~8年愛用していて割れるたびに補充してます。
[ビギン2023年9月号の記事を再構成]スタッフクレジットは本誌をご覧ください。