特集・連載
職人たちが技巧を尽くし「初」に挑んだ時計たち [オリス/グラスヒュッテ・オリジナル/グランドセイコー]
センスがエグい腕時計ガイド ビギンは考えました。センスがいい人は、腕時計選びの背景にも光るものがあるはずだ。時計との巡りあわせは、時にその人の生き様までも垣間見えるのです。だからこそ、えげつないセンスを感じさせる愛機の選び方を知りたい! 時計は、持ち主の味(センス)が現れるものだから。 この記事は特集・連載「センスがエグい腕時計ガイド」#14です。
スペックも話もタフすぎる
強さを求めて「初」に挑んだ時計
腕時計というフォーマットの中で、職人たちが技巧を尽くす。今季登場したファースト・エバーたちには、小さな円盤に粋を凝らした確たる熱意が詰まっている!
独自の新素材や新技術は、タフネス化と同時にデザイン面にも大貢献しています
岡崎隆奈さん
「外装であれ機構であれ、各社が独自に生み出した「初」がある時計は、語れる時計という意味でも、手にする価値があると思います。」
業界初採用カーボンは鉄より硬くプラより軽い!?
ORIS[オリス]
プロパイロット アルティメーター
カーボンファイバーを時計業界で初めて採用した、マットで硬派な1本。アルティメーターの名の通り機械式の高度計を備えた世界唯一の自動巻きウォッチでもある。気圧の変化に耐える高度計機能を備えながら、薄さと軽さを実現するため、カーボンを3Dプリンターで成形。
裏蓋とベゼルにチタンを組み合わせることで、重さはなんと98gと、並みの高度計測機能付きデジタルウォッチと遜色のない軽さだ。コクピットの計器を踏襲したデザインも男心を刺激するポイント。径47mm。カーボンファイバーケース。自動巻き。88万円(オリス・ジャパン)
ドイツ初のダイバーズが都会的クロノに
glashütte original[グラスヒュッテ・オリジナル]
SeaQ クロノグラフ
東ドイツの国営時計をルーツに持つグラスヒュッテ・オリジナルが、60~70年代のスポーティなヴィンテージデザインを蘇らせたラインがSeaQ。新作のクロノダイバーズでも、1969年に誕生したドイツ初のダイバーズウォッチ「Spezimatic RP TS 200」のアロー針やインデックス書体が踏襲され、オーセンティックな一本となっている。
クロノグラフながら300m防水を実現と水中はもちろん、硬い地面の上でもへっちゃらな耐衝撃性を誇る。径43.2mm。SSケース。30気圧防水。自動巻き。198万円(グラスヒュッテ・オリジナル ブティック 銀座)
待ち望んでいたGS初の機械式クロノ
Grand Seiko[グランドセイコー]
エボリューション9 コレクション テンタグラフ
「テンタグラフ」と名付けられた新型キャリバー9SC5を搭載した、GS初となる待望の機械式クロノグラフモデル「SLGC001」。毎秒10振動による計時精度と、クロノグラフ作動時でも72時間も駆動するロングパワーリザーブを実現。これは10振動の自動巻きクロノグラフムーブメントとして最も長い持続時間だ。
グランドセイコーらしい正確さと、同社の雫石のスタジオから眺めた夜の岩手山を表したダイヤルデザインの美しさは、やっぱり唯一無二! 径43.2mm。チタンケース/ブレス。10気圧防水。自動巻き。181万5000円(セイコーウオッチお客様相談室)
※表示価格は税込み
[ビギン2023年8月号の記事を再構成]スタッフクレジットは本誌をご覧ください。