「インスタなえ旨メシ」 vol.7～海で溺れた味がする～

「インスタ萎え」という言葉があるとか。要するにインスタ映えしないモノ、場所をそう言うらしい。でもね、インスタ映え重視ばっかりってオカシイと思いません？　とくにメシについては。本来メシって味が一番重要でしょ！　ということで、インスタ映えはしないけど、とにかく本当においしいモノを発掘していこうと思っとるワケです！　その地味ながらも圧倒的なウマさにみなさんもハマること間違いなし!!……かもね!?

東京 市ヶ谷「琉球料理 みやらび」の海ぶどう丼
850円(税込み)

凝視できないグリーンのツブツブ

昆虫の卵塊とか小さなツブの集まりが苦手な人にとっては全身鳥肌モノの恐怖を味わえるこの丼。しかも名前は「海ぶどう」のくせに、どうにも湖などの淡水生物っぽいグリーンが不気味さをあおります。そして、いざ勇気を出して箸でこの水草、じゃなくて海ぶどうを持ち上げると、下のご飯との隙間から、びっしりと白濁したネバネバが顔を覗かせます。悪夢か。いえ、山芋（とろろ）です。そして結論ですが、この丼、食べてみると滅茶苦茶ウマいのです。海ぶどうの塩味と山芋、おかか、ネギ、醤油、ご飯のオーケストラ。まあ「騙された」と思ったくらいじゃ食べられないかもしれませんが、この誰にも優しくはない感じのビジュアルが、とても好きになりそうで困ります。

リポート／世田谷区・匿名希望(男性、会社員、43歳)