[自分を守れないヤツは誰も守れない]新ルール
危機一髪も一発で乗り切る

野外で待ったなしのピンチに陥ったとき、どう乗り切ればいいのか? 山岳遭難に関する記事を多数執筆している羽根田 治さんへの取材をもとに、典型的な危機に対する備えと対処法をまとめてみました。
 

山に入るときは常に最悪の状況を想定して準備を!


[教えてくれた人]
フリーランスライター 羽根田 治さん

山岳遭難や登山技術に関する記事のほか、沖縄・自然・人物をテーマに幅広く執筆。『山はおそろしい』『山のリスクとどう向き合うか』など著書も多数。日本山岳会会員。

[Lv.1]想定外の悪天候

山の天候は変わりやすい。突然豪雨に見舞われ、低体温症の一歩手前に……なんてことは多いもの。たとえ晴れ予報でもしっかりとした雨具や防寒具は必ず携帯したい。

羽根田さんはここにエマージェンシーシートを加えることを推奨。一枚あるだけで雨や寒さをかなりしのげるほか、緊急時にはこれを振って他者に存在を知らせることができる。

下のアイテムはポリエチレン素材に高純度アルミを蒸着したシート。ペラペラの薄手だが、アルミ面(外側は救難カラーのオレンジ)は体が放射する熱の90%を反射。一般的なポリエステル素材のものよりしなやかで、繰り返しの使用にも耐える。ぜひリュックに忍ばせておこう。
 

一枚あるだけで雨や寒さをしのげ、要救助の際も活躍

SOLの
エマージェンシーブランケット XL

1320円(スター商事)

[Lv.2]ハチに刺された

ハチが数匹ホバーリングしていたら、近くに巣があるサイン。体勢を低くしてゆっくりその場から退散すべきだと羽根田さん。それでも刺されてしまったら、ハチの毒は水に溶けやすいため急いで流水で洗う。その際に傷口から毒液を絞り出すようにすると効果的。毒をポンプで吸引するポイズンリムーバーがあればなおいいとのことだ。

嘔吐、全身の蕁麻疹、血圧低下などアナフィラキシーショックの症状が現れたときは、一刻もはやく病院で治療を受けなければならない。

下のアイテムは大小4つの吸引マウスピースが付属するフランス製のポイズンリムーバー。吸引力が強く、針を残すミツバチなどにも有効だ。
 

仏の発明コンクールで金賞も受賞したポイズンリムーバー

アスピラボの
エクストラクタ

3740円(飯塚カンパニー)

[Lv.3]熊との遭遇

『人を襲うクマ』という著書もある羽根田さんによれば、熊と至近距離で遭遇した際の対処法に正解はない。つまり熊と遭遇しないことが、被害を防ぐ一番の道なのだ。

熊が出没しそうな地域を散策するときは熊よけの鈴を携帯するほか、ときどき手を叩いたり、ラジオを大音量で鳴らすなど、音で人の存在を知らせるようにしたい。そして糞、足跡、クマ棚(樹上で木の実を食べたとき痕跡)などの熊の痕跡を見つけたら、早々にその場を立ち去ろう。

下のアイテムは強力な熊撃退成分を配合したスプレー。高圧ガスで9mの長距離噴射が可能だ。万が一の備えとしてすぐ取り出せるところに携帯しておくと心強い。
 

トウガラシ由来の強力撃退成分を高圧ガスで噴射

フロンティアーズマンの
ベアスプレー 234ml

1万780円(モンベル)

[自分が山にいなくても家族を守れる]新ルール
「ココヘリ」を授けよ

羽根田さんは、トラブルにより山で身動きできなくなったときの最強の備えも教えてくれた。それこそが会員制の捜索サービス「ココヘリ」。会員証(発信機)が発する電波から捜索隊がヘリやドローンを使って居場所を特定、位置座標を素早く警察や消防、救助組織に引き継ぐというものだ。

遭難者捜索には莫大な費用がかかることも多いが、入会していれば550万円まで捜索・救助してくれるのも頼もしい。近年キャンプ場で子供が行方不明になる不幸な事件もあった。山好きの家族なら、全員で入会しておくと安心だ。
 

発信する電波は最長16kmまで探知可能

オーセンティック ジャパンの
ココヘリ

会員に貸与される会員証兼発信機。小型で軽量のため、鞄や服に取り付けやすい。スマホ圏外の場所でも稼働し、フル充電時には約2ヶ月間電波を飛ばし続ける。入会金3300円。年会費5500円〜(オーセンティック ジャパン)

 
※表示価格は税込み


[ビギン2023年7月号の記事を再構成]スタッフクレジットは本誌をご覧ください。

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