ルーツを知れば更に愛着が湧く! アウトドアギア傑作4品
[ギア愛を深める] 新ルール
その道の傑作を、ルーツまで語り尽くせる
アウトドアのアイテムについ惹かれてしまうのは、そこに必然性があるから。誕生のルーツに想いを馳せ、手に取り、身に着け、違いを体感してみたいからこそフィールドに赴く。大いにアリでしょ!
①イエローグローブをスタンダードにした先駆け
火や雨風にさらされる作業に耐えるべく、地厚なステアハイドレザーを用いてケブラー糸で縫製したグローブ。何より闇夜でも目立つスワニーイエローは今や焚き火グローブの代名詞になっていて、炭で黒ずむと風格が増し、またイイんだよね。
これは暗い鉱山での作業用に開発されたことがルーツ。落としても見つけやすい黄色に染め上げられたってわけ。
グリップスワニーの
G-1
親指部が独立して動かせる立体的パターンゆえ、レザーグローブ特有の突っ張り感がないことも焚き火ラバーの支持を集める理由。ステッチが外側にあるのは肌当たりのゴロつきをなくすためとか。7700円(スワニー販売)
夕闇に囲まれてきても目立つ色味で作業しやすい
クロームなめしの成牛革が使い込むほど手に馴染む
②バイクの荷台に積みたいという想いから誕生した
今から数十年前のある日。無類のバイクツーリング好きだったカーミット氏が、愛車のサドルバッグに収めて携行できるキャンプ用のイスが欲しいと一念発起。
IBMのエンジニアだったこともあり、折り畳むどころか分解&丸めて収納できるカーミットチェアを設計したのだ。でも軽さでなく寛ぎを優先させているってところも「分かってる」と思う次第。
カーミットチェア
携行性もさることながら、曲木のオークによる佇まいの美しさ、座り心地も唯一無二で、フォロワーも多数。バラせば58cm長の収納袋に収まる。W53×H61cm。4万8400円(デイトナ・インターナショナルAME Div)
元IBMエンジニアのよるジーニアスな機能美設計
バラせるからほら、サドルバッグの中に納まる
③フィッシングベストの生みの親
世に広まるフィッシングベストの原型を考案したのは、夫想いの一人の女性。何を隠そう、それがコロンビア創業家の次女だった故ガート・ボイル女史。
1960年、夫とその友人から「ポケットが山ほど付いた釣り用ベストが欲しい」とのリクエストを受け、自らミシンを踏んだことがきっかけとか。以後、彼女は名物経営者としても広く名を馳せることに。
コロンビアの
ヘンリーズフォークVベスト
獲物を釣り上げるためのギアがすぐ取り出せる収納力と、川に分け入っても濡れにくいショート丈が特徴。本モデルは独自の撥水機能オムニシールドも付与されている。1万2100円(コロンビアスポーツウェアジャパン)
フィッシングで欲しい機能が全部入り
マルチポケットベストの原型として世に広まった
④直火の常識を覆し焚き火文化を根付かせた
地面の上にダイレクトに薪を組み上げる直火の焚き火は、土や生態系にダメージを与える、後始末の不備が目立つといった理由で、日本のキャンプサイトでは禁止されるケースが多い。
そこで、スノーピークは機能美極まる折り畳み式の焚火台をリリース。直火禁止をキャンパーのマナーへとアップデートし、焚火台という商品ジャンルまで開拓したのだ。
スノーピークの
焚火台 S
90年代の第一次オートキャンプブーム時に誕生。シンプルな開閉構造と、炭火料理のためのさまざまなオプションパーツで拡張できる点も魅力。W28.5×H20.5cm(収納時W41×H35cm)。1万1880円(スノーピーク)
空気の通り道も生まれ焚き火には一石二鳥
スマートに折り畳め、組み立ても一瞬!
※表示価格は税込み
[ビギン2023年7月号の記事を再構成]スタッフクレジットは本誌をご覧ください。