特集・連載
異名がついた東と西の偉人って? 芸術家に負けないアイデア豊富なグッズも
アートのある生活 最近のミュージアムグッズは、単なるお土産品にあらず。そのこだわりやセンスの高さは秀逸で、生活に取り入れれば知的な雰囲気も漂います。今こそアートの世界に触れるべく、ここで基礎教養&ビギン目線のウンチクも交えてアイテムをご紹介! この記事は特集・連載「アートのある生活」#04です。
功績を残した芸術家は多かれど、各ジャンルを代表する異名を持つ偉人はおさえるべし。芸術家に負けないアイデア豊富なグッズとともにお届け。
リアルすぎて非難された“近代彫刻の父”
オーギュスト・ロダン
誰もがその名を知る彫刻家・ロダン。リアルで生き生きとした作風が魅力ですが、数多からの評価の反面、「生きた人間から型を取ったのでは?」と批判も。その後、より大きなサイズで制作し直したことで再評価され、仏政府から依頼されたのが代表作の《地獄門》。
そこから独立した男性像こそが、あの有名な《考える人》なんですね。その姿をモチーフにしたドアサインは、まさに考え事にふけりたいときにピッタリ(笑)。
オーギュスト・ロダン《考える人(拡大作)》1881-82年(原型)、1902-03年(拡大)、1926年(鋳造)ブロンズ 国立西洋美術館 松方コレクション 撮影:©上野則宏
考え事がはかどる気がする!
考える人
ドアサイン 黒
白黒の配色がお洒落なアクリル製のドアサイン。「今考え中だから、邪魔をしないでください」のメッセージに、ブロンズ像のシルエットを配したデザインがユニークだ。白と黒の2色展開。W9×H26×D0.2cm。3564円(国立西洋美術館SHOP)
オーギュスト・ロダン
1840~1917年。長い貧乏生活を経て名実を手にしたロダン。年の離れたカミーユ・クローデルを弟子にすると、間もなく愛人関係に。しかし後に別れを告げ、彼女の精神を病ませた一因を作ったのではと言われている。
『機動戦士Zガンダム』のカミーユにも影響?
「U.C.ガンダムBlu-rayライブラリーズ 機動戦士Zガンダム Ⅰ、Ⅱ」各2万1000円 発売・販売元:バンダイナムコフィルムワークス
アニメ『機動戦士Zガンダム』の主人公カミーユ・ビダン。その名に加え、最終回で精神を病む衝撃の結末も、カミーユ・クローデルを基にしているらしい!?
あのロゴも手掛けてた! “シュルレアリスムの巨匠”
サルバドール・ダリ
シュルレアリスムの巨匠、ダリ。溶けたような時計を描いた《記憶の固執》をはじめ、夢のなかのような非現実的な作品を多く残しました。
見た目も個性的だった奇才を地元の民芸品「赤べこ」にしちゃったのが、作品を多く所蔵する福島県の諸橋近代美術館。ダリのごとくシュールな発想で、トレードマークの髭をあしらったモノトーンのデザインは民芸らしからぬモダンな印象。これならインテリアにもハマりそう!
白い赤べこ、なかなかシュールでしょ?
ひげべこ
厄除けのお守りや縁起物として親しまれてきた赤べこを大胆アレンジ。福島県西会津町の老舗「野沢民芸」の職人の手作りで、生産が追い付かないほどの人気。各5800円(諸橋近代美術館ミュージアムショップ)
サルバドール・ダリ
1904~1989年。デザイナーとしても才能を発揮。チュッパチャプスのあのロゴは、創業者との食事中ダリが紙ナプキンに描いたひな菊のスケッチが原型だとか。
ダリのチャームポイントは“カイゼル髭”
[How to カイゼル髭]
- ①鼻の下のヒゲを均一な長さにし、左右対称になるように整える。
- ②ワックスをヒゲ全体に塗り込み、コームで形を整える。
- ③ヒゲの両端を左右対称にツンとねじり上げれば、出来上がり!
一気にツワモノっぽくなれる!? 髭コレクション
絵も酒も遅咲き“近代日本画の天才”
横山大観
40mを超える大作《生々流転》
横山大観が絵の世界へ足を踏み入れたのは20歳頃といわれ、当時としては遅め。未経験ながら美術学校へ合格し、岡倉天心の思想に影響を受ける。朦朧体といわれる墨の線描法で名作を数多く残しました。
なかでも40mを超える大作《生々流転》を20分の1スケールにしたのが、下のマスキングテープ。包装に使うもよし、壁に貼って眺めるもの◎。作品全体を一望できちゃいます。ちなみに大観は天心からお酒も教えこまれ、下戸から超のつく酒豪に(笑)。
全長40mが、1/20サイズに(笑)
横山大観《生々流転》
マスキングテープ
重要文化財であり、日本一長い水墨画巻《生々流転》を20分の1に縮尺したマスキングテープ。印刷にこだわり、水墨画の繊細な色調まで再現されている。550円(東京国立近代美術館 ミュージアムショップ)
墨の輪郭線をはっきり描かず、グラデーションで表現する画法。大観はこの手法で空気や光を表現した。
横山大観
1868~1958年。富士山を描いた名画を数多く残した大観。酒豪としても知られ、晩年は米をほぼ食べず酒を主食にして過ごし、一日に2升3合飲んだことも。
大観が終生愛飲した広島の酒「醉心」
大観と意気投合した醉心三代目当主は無償で酒を送り続け、お礼に大観は折に触れ作品を贈ったとのこと。純米吟醸「醉心稲穂」720ml。1568円(醉心山根本店)
実物が観れる企画展示が開催!
『重要文化財の秘密』
3月17日(金)~ 5月14日(日)まで東京国立近代美術館にて開催。
住所.東京都千代田区北の丸公園3-1
☎ 050-5541-8600
※開館時間は直接お問い合わせください。
※表示価格は税込み
[ビギン2023年5月号の記事を再構成]スタッフクレジットは本誌をご覧ください。