円安云々の強固な厳しぃ~ディフェンスに屈せず、昨年もビギンは皆さまに賢く&楽しい買い物得ネタを届けてきました。「本当にいるものしかいらない」ってな時代だからこそ、我々の声に耳を傾けてもらいたい。ってことで「2022年に売れたアウター」をランキングにまとめてみました。イイトコどりの情報をギュッと凝縮しております!!
1位:ロング丈バブアー
この不景気な時代にバブリーマン続々!!
「グレーカラーの登場」も大ヒットの要因に
ボーダー
都会的なグレーカラーもキャッチーだったオーバーサイズ版ボーダーは、ビギンで紹介後、問い合わせもグッと増加。6万7100円(バブアー パートナーズ ジャパン)
ゲームフェア
アーバンリサーチがアレンジを利かせたオーバーサイズ版ゲームフェアも、予約段階から好評で、写真のストーンとセージは完売。ブラックならわずかに在庫あり! 5万7200円(アーバンリサーチ ルミネ新宿店)
仕事スタイルではバブアーポケットもいいアクセントに
2位:バラクータのリブなしスイングトップ
服好き&モノ好きの男性だけじゃない。老若男女が“G”に夢中
G3&G4
G9の威光が眩しすぎて“じゃないほう”として認知されていたG3&G4 ユーゲンとユナイテッドアローズとの三者コラボG3(右)、G4(左)をビギンで紹介すると、風向きに変化が。リブなし&サイズバランス調整の効果で、オジ風味ゼロの“シュ”イングトップとして大ヒットした。G3は完売。G4 5万2800円(バラクータ カスタマーサービス)
もちろんリブありもいいけれど……
リブなしだとよりスマートに着られる
袖元も裾も“リブじゃない”がとにかくポイント
オジ風味を“トラッドで好印象”と捉える風潮が女性人気を後押し。かつてバブアー女子が“バブ女”と称されていたように、22年は“バラ女”の姿もチラホラ。「そのバラクータ可愛いですね♪」なんて言われる、まさかの時代がくるかっ!?
この新時代に英国クラシックのヒットが止まらない!!
有力ショップ&ブランドがこぞって英国にお熱♡
クラークスの飛躍にも象徴されるように、22年一大センセーションを巻き起こしたのが、有形……ならぬ、UK文化遺産たち! アウター部門においても、洒落者のセンサーが英国に一極集中する一年となりました。
なかでも有力ショップ&ブランドから引く手数多だったのが、1位「ロング丈バブアー」と2位「バラクータのリブなしスイングトップ」の2強。
じつはバブアーは21年もランクインしてたんですが、それはもっぱらトランスポートに代表される短丈モデル推し。22年はそれに加えゲームフェアやボーダーなんかの、コート丈モデルもスポットを浴びる結果に。
さらに興味深いのは、グレーやベージュ系など、バブアーとしてはフレッシュなカラーが、王道のセージ&ネイビーに匹敵するほどブレークしたこと。これらの背景を推察するに、どうやらビズスタイルに活用するバブリーマンたちが大増殖してる様子。
こりゃしばらくはオンでもオフでもバブるってのが、服好きの共通認識になりそうです。
一方バラクータは、前年から一気にランクアップ♪ とくに最定番のG9と並ぶ形で人気銘柄に躍り出たのが、G3やG4などの、リブなしスイングトップでした。スポーツ色が軽減されて、見映えもよりスマート。でいてアイコニックな意匠は健在で、持ち前のトラッ度も高い。
そんなとっつきやすさに惹かれ、別注モデルのベースに選ぶブランドも続々登場。バラクータ自体の人気の裾野もグッと広がった結果、なんと巷には“バラ女”まで出現し、服好きオジたちを歓喜させたのでした。
3位:ナンガのタキビダウン
難燃服ブームの火つけ役が累計販売なんと1万着を突破!!
焚き火マイスターの猪野正哉さん(右)と、アウトドアスタイリストの近澤一雅さん(左)。ちなみに近澤さんが着ているのがタキビダウンです。
焚き火人気とリンクし、2022年に大ブームを巻き起こしたのが“火の粉で穴が開きにくい”難燃ウェアでした。ポイントはプラスαの機能があること。その点、2016年に登場し、難燃を世に広めた立役者であるナンガのタキビダウンは、今もお手本! 2022年も台風の目となりました。
人気の所以は、安心の暖かさや多彩を極めたポケット、そして街使いにもハマるグッドデザインにあり。累計販売数が1万1000着を超えたという事実が、その絶対的な魅力を物語ります!!
ブームは飛び火!!
滋賀発のダウンブランド「ナンガ」の、毎年争奪戦が繰り広げられる定番ダウン。ポリエステルに難燃繊維のアラミドを混紡した生地は、コットンライクな風合い。日常のカジュアルにも難なく馴染む。6万9300円(ナンガ)
ダウンの大敵、湿気や夜露に強い超撥水ダウン
4位:ティゴラのアルミ蓄熱アウター
ビギンが探し求める“安くてイイ服”決定版
「いくらに見えるで賞」
正解は4612円! アルペングループ擁する超コスパブランド「ティゴラ」の中でもとりわけ値札に驚かされたのがこちらの一着。実はさらにお買い得になっていたんです。
見た目もさることながら、特筆すべきは体からの赤外線を反射するアルミシート張りの裏地がもたらす暖かさ。普通のポリエステル裏地に比べ、11.4度もの温度上昇が見込めるというからスゴいでしょ? 売れ行きもさらにヒートアップしそうな予感!
定番人気を誇る、ダウンジャケット顔の中綿アウター。蓄熱効果の高いアルミシート張り裏地の搭載により、中綿量を抑えられるのもミソ。着ぶくれ感のないスマートなフォルムが楽しめる。4612円(アルペン お客様係)
煌めくアルミシートが暖かさの秘密!
5位:マッキントッシュ フィロソフィー×空調服®のマウンテンパーカ
まさかのキレイめで通勤も快適にしてくれた
普段はスマートでもスイッチひとつでひんやり
あまりの涼しさに今や夏の必需品という人も多い、ファン付きウェアの「空調服®」。アウトドアシーンなどではよく見かけますが、それだけにアーバンなこのブランドとのコラボには驚きました。
ドレスに精通するブランドのデザインとあって、見た目は至ってクリーン。これなら通勤や外回りにも使える♡ってことで、恩恵にあずかった人も多いのでは? ファン急増の名コラボ!
ファン急増
スポーティで高機能な「ブリテック」ラインのパーカをベースに、背面の両脇にファンを配したこちら。現在は完売。
6位:ピレネックスのスプートニック
仏流のノリを熟知したお洒落ダウンの真骨頂
パリで一番支持されるピレネックスの隠れ名作
ビギンで言うところのパリピといえば、そう“パリ”で人気の“ピ”レネックスを纏うお洒落さん。聞けばピレネックスのパリ直営店では右のスプートニックが一番人気だそうで、日本でも今、このパリピが増加中とのこと。
何の変哲もないダウンですが(失礼)、やや狭めのキルトステッチは野暮ったく見えず、ボックスシルエットが肩肘張らずに羽織れる。さらにマットな生地感も都会的と、ベーシックでいて何かと塩梅が秀逸。さすがフランス流お洒落のノリを熟知してる~。
パリピ続出!
レトロな山系ダウンに見られるデザインだが、細部にフレンチのエスプリを感じさせる一着。フードは着脱でき、よりミニマルな着こなしも可能だ。7万7000円(グリフィンインターナショナル)
7位:ワイルドシングスの進化系モンスター
スタイルに加え機能面でも着たい!に応え大進化
男たるもの、いつの時代も軍モノという出自には弱いもの。それを実感させてくれたのが、米軍支給品を基にしたミリタリーアウターの傑作、モンスターパーカのとどまらぬ進化です。
重ね着前提ゆえのオーバーなシルエットがトレンドに完全合致というのはもちろん、より軽くなったり、現行米軍が採用する最新鋭の中綿を封入したりと、そりゃ見逃せないってモン。合わせを選ばぬミニマル顔はそのままで、ヨク出来でした~。
Rightに
米軍採用の中綿クライマシールドプリズム封入の極右な今冬モデル。4万6200円。(インス)
Lightに
中綿を省き、防水透湿生地で採用のライトモンスター。3万9600円(インス)
8位:ザ・ノース・フェイス パープルレーベルのビッグマウンテンパーカ
山服上級者たちが紫にムラムラ♡
勝手ながら、すでに22年ビギン的紫綬褒章を授与済みの良品があるんです。それがこのマウンパ。なんたってパープルレーベルのパープルですからね!
レトロな色合いといい、ゆったりしたシルエットといい、ノースのマウンパの黄金期である70年代テイスト全開で、数多の山服好きが感涙。カラバリ豊富でしたが、このパープルは即完売したのでした。
ひと足先に……!? 紫綬褒章授与しちゃいました(笑)
70年代テイストの淡~いパープルが◎
ポリエステルとコットンを65:35の割合で混紡した、伝統の“ベイヘッドクロス”を採用した看板マウンパの、ビッグシルエット版。残念ながら紫は完売ですが、他のカラーは在庫あり。3万8500円(ナナミカ マウンテン)
9位:シエラデザインズ×レリュームの3way マウンテンパーカ
ロクヨン3wayの利便性&驚愕コスパにシビレた!
22年は村上宗隆選手が大活躍でしたが、服飾界でも野球よろしく、6・4・3のファインプレーが! それがシエラデザインズ×ジャーナル スタンダード レリュームのマウンパ。これは着脱可能なボアライナー付きで、ライナーはアウターとしても着用可能な3way。
しかもこのボアライナーが単体が主砲ばりにカッコいい。「ライナーだけで着ても超使える」、3wayの新機軸を教えてくれました。それでいてU-3万円…てマジか!? そりゃ売れるって!
安定感抜群のいつもの60/40顔も◎
ベースは上、シエラのド定番であるマウンテンパーカ。表地のシェルには元祖機能素材、コットン60%×ナイロン40%の60/40クロスを使用している。2万9700円(ジャーナル スタンダード レリューム ルミネ新宿店)
6・4が3のファインプレー
ライナーがアウターとしても主砲ばりの破壊力
10位:パッキントッシュ
価格も収納もコンパクトな旅仕様
自粛続きで世の旅行欲が高まる2022年初め、大人コートの大本命で始まった待望のトラベルラインの1着がコレ! 名作・ダンケルドの精悍なツラそのままに、撥水・防シワのストレッチ素材でアップデート。
手のひらサイズのパッカブルというだけでなく、ダンケルドなのに6万円台(!?)という破格のプライスでも我々を沸かせてくれました。
久々の旅行には、こんなマッキントッシュをレッツ・パッキン&バッグにインがお約束になりそうです。
サイズも価格もお手軽マッキン
さらっとした肌触りが心地よい「レインテックトラベラー」という独自素材で軽さとイージーケアを実現。上品なAラインはやはり建材で、その着映えっぷりはお墨付き。6万4900円(マッキントッシュ GINZA SIX店)
ちなみに……2023年にも新パッキン解禁!
左/CARRON 右/BELFORD
※販売状況は22年12月時点の情報です。
※表示価格は税込み
[ビギン2023年2・3月月号の記事を再構成]スタッフクレジットは本誌をご覧ください。