偉人の一生モノ列伝「一筆で世界を変えた男たちの筆記具」

［歴史的業績の裏には名品あり!?］

政治や文字、アートからデザイン、音楽に芸能などなど、教科書に登場するような偉人が愛した筆記具をご紹介。今はなき彼らの偉大な功績を称えるとともに、それを支えた名品にも賛辞を。エピソードも伝記レベルな、“一生モノ語り”をどうぞ。

『輝ける闇』などの日本文学最高峰の小説を著した
開高 健の一生モノは……

Montblanc［モンブラン］
マイスターシュテュック 149

小説のほか、釣りや食、酒など、幅広い創作活動の相棒は、数々の文豪からも愛されたモンブランの大傑作。極太で大ぶりなボディに、ゴールド仕上げのディテール、フラットな書き味が特徴で、エッセイの中でも「手の指の一本になってしまっている」と、その溺愛ぶりが語られている。11万5500円（モンブラン コンタクトセンター）

『老人と海』でノーベル賞を受賞した
アーネスト・ヘミングウェイの一生モノは……

PARKER［パーカー］
パーカー51

「大金を積まれても、使ったことがないものの宣伝には加担しない」ヘミングウェイが、広告に登場するほど愛したのがコレ。ペン先が覆われたフーデッドニブ構造で、かすれがなく滑らか。ノーベル賞受賞の『老人と海』もこの一本によるものだったのかも。3万8500円（ニューウェルブランズ・ジャパン合同会社ライティング事業部）

ミステリー小説の金字塔を打ち立てた
アーサー・コナン・ドイルの一生モノは……

PARKER［パーカー］
デュオフォールド

コナン・ドイルが愛したのは、1921年の誕生以来、パーカーのフラッグシップとして愛される名作。手作業で組み立てられ、18金のペン先の書き味は極上。「力を入れなくていいから、『シャーロック・ホームズ』を生み出すのに集中できた」と語ったそう。9万9000円（ニューウェルブランズ・ジャパン合同会社ライティング事業部）

『ルーニー・テューンズ』などの歴史的アニメを手掛けた
チャック・ジョーンズの一生モノは……

BLACKWING［ブラックウィング］
ブラックウィング602

ゴールドの平たいフェルールに、ピンクの消しゴム付き。美しいデザインと「筆圧は半分、筆速は2倍」と称される書き心地で熱狂的なファンを持ち、2010年に復刻されたこちら。バッグス・バニーを生んだジョーンズも「この鉛筆にはアイデアが詰まっている」と語り、愛用していた一人。12本。4224円（エス・アイザックス商会）

多数の昭和歌謡を作詞・ヒットさせた
阿久 悠の一生モノは……

ぺんてる
サインペン

5000曲以上を手掛けたヒットメーカーが愛したのは、なんとあのサインペン!?　1963年の発売後すぐ、その実用性に惚れ込み、高価な万年筆には目もくれず、亡くなるまで40年以上使い続けた、まさに一生モノ。自宅の押し入れには、未使用のサインペンがダンボール何箱分もストックされていたそう。110円（ぺんてる お客様相談室）

 
※表示価格は税込み

［ビギン2022年9月号の記事を再構成］スタッフクレジットは本誌をご覧ください。