“底”が違うよ! ニューバランスの“グレー”徹底比較
心地よさの根底であるソールの技術で選ぶべし
ニューバランスが心地いいってのは、もはや世界の共通認識。なかでもグレーのニューバランスは、言わば赤いフェラーリやジェダイカラーのファイヤーキングなんかと同じ、不朽の定番。物好きが足と心、双方の心地よさを考える時には外せない存在です。
……が、いかんせん選択肢が多すぎる! 名作ニューバランスのほとんどがグレーを軸にしてるから、どれを選ぶか迷いに迷っちゃうんですよね。
ってことで、このあるあるな悩みを解決する一助として提案したいのが、“ニューバランス=雲上”の根底とも言える、ソールのテクノロジーでセレクトするって方法です。
上の一覧をご覧あれ。同社がこれまで開発してきた独自テクノロジーと、各々の技術を搭載した現行機、初搭載したレジェンドモデルをズラリと並べてみました。こうして眺めてみると、同じグレーニューバランスでも微妙にキャラが異なって見えてくるはず。
例えば、とにかくニューバランスらしさを重視したい!って人は、クラシカルなC-CAPやENCAPを搭載したモデルを。ルックス面で適度なハイテク感を求めるなら、ABZORBやN-ERGYの採用モデルを。
とにかく軽さ重視♪って場合は、REVLITE X搭載機を。存在感こそ正義!というトレンド重視派は、ダッドソールやフレアソール(ともにビギン命名)採用機を。と、求めるニューバランス像に応じて、ソールから逆引きするという奇策も、意外と選びの決め手になるんです。
もちろんクッション性や反発性をはじめとする、心地よさの源となる性能は、どのテクノロジーも高水準で外れ知らず。ニューバランスの底力を余すとこなく味わいたいなら、底にこそスポットを当てるべし!
たくさんあるニューバランスのグレー、どう選べばいいかわからないから比べてみた
クラシックなニューバランスが好きなら……
[C-CAP][ENCAP]
1980年代[C-CAP]
代表的テクノロジーは実は日本と縁が深い!?
C-CAP
EVA素材を圧縮形成することで、クッション性と耐久性を向上させたミッドソール技術。当時蜜月だった月星化成の主導によって開発されたという、日本人には誇らしい逸話も。
900番台王道クラシック
New Balance[ニューバランス]
CM996
’88年に登場したオリジナル996のシルエットを精緻に再現した人気モデル。C-CAPとENCAPを同時搭載した2層構造のミッドソールと、ポリウレタンインソールが極上の“心地いい”を確約してくれる。1万5180円。
初搭載[M670]
1985年[ENCAP]
雲の上を……という名言を生んだレジェンドソール
ENCAP
内側にクッション性に秀でたEVA素材を、外側に耐久性に富むポリウレタンを組み合わせた技術。某御大が「雲の上を歩いてるよう」と述べたという都市伝説も、この技術が源。
世界で一番のクラシック
New Balance[ニューバランス]
ML574
’90年代後半に登場した、現状世界で一番多く売れている名品番。2018年にアッパーの構造をイチから見直して、パーツ数や作業工程を削減し、足あたりやフィット感を向上させるよう、リニューアルされている。1万890円。
ザ・ニューバランス フラッグシップ
NEW BALANCE[ニューバランス]
M990v5
永世定番990の最新バージョン。ENCAPとABZORBを組み合わせた先端ミッドソールを採用して、もとより定評のあった“雲上”を更新。デザイン面でもクリーンな印象にアップデートされている。3万800円。
初搭載[M1300]
ハイテクなニューバランスが好きなら……
[ABZORB][N-ERGY]
1993年[ABZORB]
列車の衝撃を吸収するハイテク材が開発のヒントに
ABZORB
均一に発砲するクッションフォームを採用したハイテク素材。着地時の衝撃を、なんとほぼ100%吸収してくれるうえ、反発弾性にも優れ、極めて優秀な走行安定性能を誇る。
1000番台の代表ハイテク
New Balance[ニューバランス]
M1700JP
’99年に登場した傑作M1700を米国製で復刻。しかも特徴だった上質ヌバック×メッシュアッパーを、かの1300を想わせる青みがかったグレーで彩った、愛好家垂涎の話題作だ。ニューバランス公式ストア限定モデル。3万9600円。
初搭載[M998]
2000年[N-ERGY]
世紀の節目に登場した革新的テクノロジー
N-ERGY
優れた衝撃吸収性とエナジーリターンをもたらすだけでなく、耐久性にまで秀でた革新的弾性素材。M2000に初搭載され、ニューバランスラバーを驚嘆させた。以後、派生も登場し人気を博す。
2000番台はハイテクの雄
New Balance[ニューバランス]
M2002
2010年に当時のフラッグシップモデルとして登場したMR2002に着想を得たアッパーデザインと、ハイスペックソールを融合。参考商品。グレー以外のカラーは発売あり、1万6280円~。グレーは今後の復刻に期待!
初搭載[M2000]
軽さ重視なら……
[REVLITE]
2011年[REVLITE]
“走る”ために開発された軽さナンバー1素材
REVLITE
軽さと耐久&クッション性に優れるミッドソール素材「REVLITE」。本格的なランニングシューズや、ウォーキングシューズにも採用されている。本作は進化版の「REVLITE X」。
ウォーキング品番の代表
New Balance[ニューバランス]
MW880
ハイテクソールにクラシカルなアッパーを組み合わせた、ニューバランス定番のウォーキングシューズ。ヒール部分にCRカウンターを設けることで、安定性も高められているので、長時間歩き倒しても心地いいまんま♪ 1万2100円。
初搭載[M890]
より強い存在感を求めるなら……
[ダッドソール][フレアソール]
2021年[ダッドソール]
デコラティブな2層構造でパンチ力あるルックスに
ダッドソール
’90年代に展開していたモデルに着想を得た波型のソールを上層に、名機574にインスパイアされたシンプルソールを下層に配した2層構造。クッション性とダッドな見た目に萌え。
初搭載
574がより存在感抜群に
New Balance[ニューバランス]
M57/40
世界で一番売れている574をベースに、流線的なデザインやビッグNロゴをはじめとする、’90年代の名機のエッセンスを注入。存在感重視!な今の気分に合致したデザインへとブラッシュアップされている。1万5400円。
2020年[フレアソール]
トレイルラン用の隠れ名機が元ネタ
フレアソール
’70年代にトレランカテゴリーの初号機としてデビューした̏355̋に着想を得た、かかとまで巻き上げたデザインが特徴。台形状に広げることで安定性もアップさせている。
初搭載
アウトドアテイストも◎
New Balance[ニューバランス]
MS327
320、355、スーパーコンプという、’70年代を席巻したニューバランスのレーシングシューズのデザインをミックス。ニューバランス史上最大級Nロゴを外側だけに配したユニークなルックスで、新定番モデルへと成り上がった。1万3090円。
ちなみに……“はじまりのグレー”はM620
’80年に初めてグレーが採用されたM620。その理由は、ジム・デービス会長が70年代半ばにアウトドアギアの展示会で、グレーのスキーウェアを見て感動したから、という説が有力。
今、こんなにグレーがあるって知ってた?
New Balance[ニューバランス]
Since 1906 アメリカ
矯正靴やアーチサポート・インソールを開発するニューバランス・アーチ社を前身として、100年以上の長きに渡って“心地いい”を追求。グレーを定番色へ浸透させた功績も特大だ。
※年代、モデル等、編集部調べ
※表示価格は税込み
[ビギン2022年6月号の記事を再構成]スタッフクレジットは本誌をご覧ください。