下半身を甘やかす硬派な「リラックスミリタリー」
[PANTS]
求めるべきは“無骨”と“快適”の最大公約数
じつは今、絶賛人気再燃中のミリタリーパンツ。生地が硬い、重いも渋さの源!……な~んて重々承知してはいても、昨今主流となった快適パンツの“ラク”に慣れきった身としては、ガチのヴィンテージはチとハードですよね(涙)。とはいえ、あの骨太感はやっぱり捨てがたい……!!
ってことで求めるべきは、無骨と快適の最大公約数=リラックス風味に味付けされた軍パンでございます。例えばトップ写真右のナイジェルをご覧あれ。’40年代の英国陸軍のバトルドレスパンツを元ネタに、アイコニックな左右非対称のポケットをしっかり鎮座させてるから、顔つきはまぁ玄人好み。
ですが、これをスウェットライクな裏毛構造のフレンチテリーで仕立てることで、雄々しさを損ねない範囲でマイルド化させてるんです。
しかもこの生地は、日本の気候にジャストな生地感に仕上げられるよう、国内工場に編み機の改造を依頼してまで製作してもらった特注品。目が細かくてクリーンに見えるうえ肌離れもよく、暑くなってもリラックスして穿ける、なんて大人には嬉しいアレンジですよね。
語れる要素はキープしてるけど、抜け感があって穿き心地は快適♪ 今季はそんなリラミリで下半身を甘やかそうじゃありませんか。
ライトでフワッ♡なフレンチテリー使用
Nigel Cabourn[ナイジェル・ケーボン]
フレンチテリー ブリティッシュ アーミー スウェットパンツ
改造した編み機を使用し編み込んだ、18ゲージの特製フレンチテリーを採用することで、骨太な英国軍パンを見た目と穿き心地の双方でリラックス化。夏場の着用も考慮して365日スペックに。2万6400円(アウターリミッツ)
英国軍の骨太意匠を残しつつ穿き心地は快適そのもの
軍パン? スウェパン?な顔が新鮮。スポーティアンドリッチのスウェット1万8920円(シップス 渋谷店) スティーブン アランのシャツ3万9600円(スティーブン アラン トーキョー) ニューバランスの靴1万3090円(ニューバランス ジャパンお客様相談室)
スピンドルでもフィット感を調整できるイージー仕様
HAVERSACK[ハバーサック]
コットンリネンヘリンボーン ユーティリティーパンツ
米軍のユーティリティパンツを元ネタに、要所をアレンジ。ベルトループとスピンドルの2way仕様に加え、清涼感のあるコットンリネンヘリンボーンを採用し、着用感は甘々。2万5300円(ハバーサック フラッグシップストア)
オーバーサイズ特有のドレープが洒落感を増す
ENGINEERED GARMENTS[エンジニアド ガーメンツ]
オーバーパンツ
米軍が’50年代に採用していたオーバーパンツのユル〜いシルエットを生かしながら、メモリーポリエステル素材に衣替え。手アイロンでシワを解消できるからヘビロテもお手のもの♪ 3万9600円(エンジニアド ガーメンツ)
フツーに穿くだけでユルさを演出。ナナミカのジャケット3万5200円(ナナミカ 代官山) サイのシャツ3万1900円(マスターピースショールーム) サロモンの靴1万8700円(サロモン コールセンター) モクティのニット帽5280円(ユナイト ナイン)
“リラックスミリタリー” 3傑元ネタ解説
《英国軍 バトルドレスパンツ》
ワイドシルエットに英国陸軍仕様である左右非対称のポケットが特徴的で、無二の雄々しさを発揮する’40年代の名品。ヴィンテージ市場でもタマ数極少のレアものとして有名だ。
《米国軍 ユーティリティパンツ》
ファティーグ、ベイカーとも呼ばれる米軍の作業用パンツ 。フロントに大型ポケットを備えたベーシック顔はファンも多く、数多のブランドでサンプリングされている。
《米国軍 オーバーパンツ》
エンジニアド ガーメンツがベースにしているのは、米軍が極寒地で上穿きするために支給した、通称M-1951 オーバーパンツ。ドカン!と極太のシルエットは存在感特大。
※表示価格は税込み
[ビギン2022年5月号の記事を再構成]スタッフクレジットは本誌をご覧ください。