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PATAUGAS パトガスのオーセンティック キャンバス ミッド

アウトドアブーツから始まった歴史70年越えの名門

もはや靴の世界でも、名門と呼べるインポートブランドは出尽くした感があります。が、じつはまだ、あったんです。それが今春、日本初上陸を果たすパトガス(PATAUGAS)! 本国フランスではスニーカーやブーツなどを展開するお洒落なカジュアルシューズのブランドとして著名ながら、日本ではいまや稀少な‟隠れた名門”というべき存在です。

同ブランドは、山の自然に強く魅せられていたルネ・エリサビデ(René Elissabide)氏が快適で安全な履き心地のキャンバスブーツを求め、ストーブでゴムペーストを加硫させて厚底のマウンテンブーツを自作したことから始まります。そして、これをもとに1950年、同氏はフランス領バスク地方の街モレオン=リシャールにて、足場の悪い場所でも「踏みとどまれる」という意味のフランス語「パトガス」を冠するブランドを立ち上げたのです。ちなみにバスク地方はフランス西部とスペイン東北部にまたがる、バスク人(作曲家モーリス・ラヴェルがことに有名)が多く暮らす一帯で、エスパドリーユ(espadrille/インド麻とも呼ばれるジュートで編まれたソールを備えるキャンバス製アッパーのスリッポン。港湾労働者の履物が由来)発祥の地としても知られていて、じつはパトガスも多彩なエスパドリーユのコレクションを展開しています。

PATAUGAS パトガスの1950年代の広告

吹き出しの中で「ワシは幸運だよ。だって、本当の防水ブーツを見つけたんだから」と、フランス語でコメントしているのが創業者のルネ・エリサビデ氏。これは「モノブロック」なるハンティングブーツを宣伝する1950年代の広告だ。

その後、パトガスはあまたの登山家たちから支持を得て、また、仏軍でも履かれるなどし、フランスを代表するシューズブランドのひとつへと台頭。2000年以降はファッショナブルなコレクションも加わって、メンズのみならずレディスラインの充実化も図られました。また、現在、パリの中心にあって近・現代芸術の拠点であるポンピドゥー・センターや外観がゴシック様式のサントゥスタッジュ教会が面し、ファッション&グルメのショップが居並ぶランビュート通りに直営店も展開しています。

スマートシルエットがカッコいい「オーセンティック キャンバス」に最注目

アウトドアやミリタリーなどの硬派なイメージと、フレンチらしい洗練さや華やぎを併せ持つパトガスですが、ブランドを象徴する存在はといえば、それはミリタリールックのブーツ「オーセンティック キャンバス ミッド(AUTHENTIQUE CANVAS MID)」(トップ写真、および写真下参照)に尽きるでしょう。現状、日本ではなじみが薄いものの、じつは1990年代にグランジロックのミュージシャンらが御用達とし、日本でもセレクトショップで取り扱われて人気を博した(当時、『ビギン』本誌でもしばしば紹介しました!)パラディウム(Palladium)の定番「パンパ(PAMPA)」のライバル的な存在として、海外では広く認知されてきた名品なんです。と聞いて、「たしかに『パンパ』にちょっと似ているかも」なんて思った靴好きもいらっしゃるのではないでしょうか?

このモデルは、砂漠やステップでの行軍時に履かれたキャラバンブーツのスタイルを現在に伝えるもの。フレンチらしいスマートシェイプのアッパーに使用されている、生地目が詰まったコットンキャンバスは、現在のハイテク生地には劣るものの、耐摩耗性や引っ張り強度などにおいて堅牢であり、多少の雨に対しての撥水力も備えていることから、かつては軍用などで大いに多用された素材です。また、筒丈はアンクルブーツとしてはやや高めで、トップホール(履き口)が足首をタイトに締め付ける仕様であるのは、砂などの靴中への浸透を防ぐためのもの。高グリップ性と返りの良さをもたらすラバーソールは、荒地においても安定した歩行をもたらすことでしょう。

PATAUGAS パトガスのオーセンティック キャンバス ミッド

パトガスのレジェンドというべき名ブーツ「オーセンティック キャンバス ミッド」。スタイルとしては、かつてアフリカ大陸北部の砂漠・ステップ地帯を広く植民していたフランスのミリタリーブーツに由来する、いわゆるキャラバンブーツ(caravan boots/キャラバンは「砂漠の隊商」のこと)のポジションになる。

ながらく続いたスポーツシューズ・ブームですが、近頃、ようやく落ち着きを取り戻してきた感があります。と聞けば、「次に来る靴は?」と気になりますよね? 候補のひとつに革靴の復権が上げられますが、スポーツシューズとは異なる味わいが魅力のローテク系ミリタリーシューズも最右翼。この2月2日、伊勢丹新宿店の婦人靴コーナーにて、レディスのコレクションでパトガスは日本デビューを果たすのですが、それに続き、インポーターであるジー・エム・ティーの直営店で同月中旬、メンズもお目見えの予定です。そして、そこにはミリタリー由来の傑作キャラバンブーツ「オーセンティック キャンバス ミッド」も含まれるとのこと。これは靴好きにとっては見逃せません!

パトガスの
「オーセンティック キャンバス ミッド」メンズ

製法:ヴァルカナイズド
アッパー素材:コットン
アウトソール素材:ラバー
カラー:ブラック、ホワイト、エクリュ(生成り)、ベージュ、ミリタリーグリー
サイズ:23.0~27.0cm
製造国:スペイン
価格:各1万3200円
発売年月日:2022年2月18日予定
取り扱い店舗:バーニッシュ 代々木上原(東京都渋谷区西原3-5-4) GMT SHOP 青山(東京都港区南青山6-3-12) ACS ALL COMFORT SYSTEM 玉川(東京都世田谷区玉川3-17-1 玉川髙島屋S.C. 南館 2F)

問い合わせ先/ジー・エム・ティー ☎ 03-5453-0033
https://www.gmt-tokyo.com/
http://shop.gmt-tokyo.com/
https://www.pataugas.com/

※表示価格は税込


文/山田純貴

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