特集・連載
純度100%のNYアイコン「ヤンキースキャップ」の魂を知る
MLBキャップの心得 カジュアルのちょうどいいアクセント。キャップを被る理由はそれで十分ですが、こと背景が明確なMLBのものとなると話は別。深く知ることで選ぶモデルもより的確になって、被った姿にも説得力が出るワケです。MLBキャップの奥行きに触れる9項目のルールブック、被る前にご一読あれ! この記事は特集・連載「MLBキャップの心得」#01です。
NYアイコン、ヤンキースキャップよ永遠なれ!
MLBキャップの代名詞と言うべきNYヤンキース。かのティファニー社のルイス・ティファニーがNY市警(NYPD)用に考案したこのロゴがヤンキースのシンボルになったのはその30年以上後のこと。
史上最も偉大な野球選手と称されるベーブ・ルースをはじめ、多くの名手がそのロゴの価値を高めました。
そして時間は経ち、何度目かの黄金期にあった1996年のヤンキース。ワールドシリーズを観戦するスパイク・リーが被っていたのは、それまでなかった赤のヤンキースキャップでした。
このために自身がニューエラに特注したもので、すでにストリートから支持の厚かった彼の影響でヤンキースキャップのカルチャーアイコンとしての側面がより明確に。
米国音楽シーンの最重要人物のひとりでもあるジェイ・Zに象徴されるフッドのスターたちにも愛されてきたのは周知の通り。起こりから発展まで純度100%のNYアイコン、ヤンキースキャップよ永遠なれ!
NYに本拠を置くティファニーがNY市警の殉職した警官に贈る勲章としてロゴをデザイン。
1996年
映画監督のスパイク・リーがチームカラーではない“赤”をオーダー。これをきっかけにカルチャーシーンを席巻。
1909年
ヤンキースの前身、NYハイランダーズの球団ロゴに採用。後にベーブ・ルースら伝説的選手が着用。
2009年
「俺はヤンキースの選手以上にヤンキースのキャップを有名にしてやったぜ」―Empire State of Mindby ジェイ・Z
2017年
ミュージアムショップ販売用に誕生。サイドのMoMAロゴがキャッチ―で、現在も人気。5500円(MoMA デザインストア 表参道)
MoMA(ニューヨーク近代美術館)の企画展「Items: Is Fashion Modern?」に展示され、アメリカ文化の象徴としてその地位を盤石のものとする。
※表示価格は税込み
[ビギン2022年2月号の記事を再構成]写真/伏見早織 文/今野 壘 スタイリング/宮崎 司(CODE) イラスト/TOMOYA