特集・連載
服・モノ好きにすすめたい「ZINE」を楽しむ7つのアイデアとは?
服好き視点のZINE研究 今、服やモノ好きな人たちがあれこれ探し、作っているのが「ZINE」。「雑誌(Magazine)に満たない雑誌」という意を持つ、なんでもアリな表現ツールは、自由だからこそ、価値観をぶつけられる。そんな熱いZINEとの出会いは、喩えるなら、グッとくる古着と出会ったときの感覚。好みの服を探すように、ZINEを探してみませんか? この記事は特集・連載「服好き視点のZINE研究」#02です。
わかる人にだけ伝わればい~や♪的マインドで、少部数で発行されているものが多いからこそ、ZINEの世界は広大にしてフリーダム。バラエティに富んだ作品が集っているからこそ、服好き視点のZINEのいいとこ=選びの指標7つをレクチャーいたします。
個人や少人数規模で作っている小冊子のこと。’80年代頃から米国西海岸のスケーターたちが、自分たちのスタイルを伝えるため、ファッション、写真やイラストなどをスクラップした小冊子を、友人らと交換し始めたことがムーブメントの発端となった。リトルプレスと呼ばれる少部数の出版物もあり、ジンとほぼ同義とされている。
IDEA1
飾って手頃にアートなインテリア
ZINEはマジでノールール。なんたって形状すら四角じゃなくてよし。なかにはスマホ型の変わり種もあったり(下記参照)。アートなインテリアとして使っても◎、渋~い写真が掲載されてるZINEなんかは、額縁に入れて飾っておいてもよし。
スマホモチーフは置くだけで自宅ギャラリー
Death by Selfie
マーティン・パー
“世界的カメラマンが自撮りしてる人々を撮り下ろした作品”ってだけでもすでにユニークだけど、スマホ型ってのがまた飾りたい欲をあおる。4730円(ビームス ジャパン)
世界一危険なバイクレースを撮影した写真が超ダイナミック
Isle of Man TT Races 1971
クリス・キリップ
’71年に英国近郊のマン島で行われた、世界一危険とも称される“TTレース”の模様を撮影。迫力満点な写真のオンパレードで映え力半端なし。1000円(フロットサムブックス)
IDEA2
レアものをお手軽に発掘!
発行部数が少ない=プレ値化する可能性も特大ってこと。それこそ、写真集買ったらウン万円しちゃうんじゃないの?クラスの写真家のフォトZINEをはじめ、すでに希少価値の高いorこれから価値が爆上がりしそうな作品を、お手頃価格で入手できちゃうんです。
世界的カメラマンのフォトZINEがお買い得すぎ
WONDER
アリ・マルコポロス
米・NYで活躍するオランダ人写真家による、少年少女のポートレート集。オールモノクロで全ページ洒脱。100部限定。オンラインショップなどで購入可能。参考価格2420円。
即完売した写真集を再編集した限定ZINE
LOS ANGELS CAR CLUB
平野太呂
2016年に約3500円で発売され、現在はネットオークションで2万円近くに値上がりしているという、激レア本の再編版。オンラインショップなどで購入可能。参考価格2420円。
IDEA3
コレクション欲に火をつける
発行部数こそ少ないものの、そこに注がれる熱量はフツーの本や写真集と変わりなし。ってゆーかむしろそれ以上! なかには特定のジャンルのコレクションを一気見できちゃうZINEも作られてたり。興味のあるジャンルのZINEを読めば、蒐集熱が高まりまくるはず。
便乗して集めたくなるちょいマニアな収集本
収集百貨
BOCO/Udagawa Kazumi/Magster/matsuko
タ○リ倶楽部にも出演経験のあるマニアを含む、4人のコレクターが製作。こんなの集めてる人いんの!?という驚きは、断捨離下手なモノ好きにとっては天啓に。1078円(百年)
IDEA4
ほぼワンコインでカルチャーに触れる
ニッチなカルチャーに、ネットで調べるより一歩深く触れたくなったとき、大抵は大枚はたいてガチの書籍を買わなきゃいけなくなるもの(萎)。ですがZINEのなかには、ほぼワンコイン価格で販売されてるものも多数。入門書代わりに買うってのも断然アリじゃない?
服好きから愛されるブランドが提案。コスパ◎すぎるカルチャーZINE
NEPENTHES IN PRINT
NEPENTHES
かの名店に精通した服好きスタッフが製作。服飾業界の旬な顔ぶれも多数出演する人気作で、特集内容は毎号変わるが、どれも完売が常。発見→即入手が吉。550円(ネペンテス)
IDEA5
隠れ名所を知って周りと差をつける
ショップのガイドマップやタウンガイドとして使えちゃうZINEも多数。なかには普通の雑誌じゃ到底得られないような、ディープすぎる情報が載ってることも。知り尽くしたと思ってた街について深掘りしたZINEを見れば、隠れ名所も容易に発見できちゃいますよ。
名スタイリストによる古着屋巡りのバイブル
Sukimono books vol.6
原田 学
スタイリスト界一の古着通として知られる原田さんが、関東の惚れる古着店110店を紹介。隠れ家的ショップも多数紹介されている、古着好き必読の書。990円(mo-green)
見慣れた渋谷の知らない姿が!? 隠れスケートスポットMAPも
instant 16 Photo Zine with T-shirts
instant x 16(Sixteen)
渋谷のスケートスポットだけをモノクロ写真で掲載する、スケート&アート濃度の濃イイ一冊。掲載写真をプリントしたTシャツが付属して4950円(instant Shibuya Store/16(Sixteen))
IDEA6
ディープな世界を知り手軽にプロ入門
わざわざ広大なネットの海で検索しなくても、何冊も本を読まなくても、その道の真髄に触れることは可能。だってその分野のトップランナーが自ら編集したZINEさえ読めば、最新かつリアルな情報が手に入るんですもん。そうです。時にZINEとは教則本なんです。
今と昔で全く変わっていないスケーターファッションにも注目
JAPAN AIR
樋貝吉郎
日本のスケボー黄金期とされる’80年代からボードシーンを撮り続ける写真家が製作。往年のスケーターファッションを眺められる過去写真多数。1100円(ビームス ジャパン)
フィルムカメラを後世に継ぐ名カメラマン達の結晶!
DEAR FILM PROJECT
THE CRAFTED
7人の超一流カメラマン&詩人たちが製作した、冊のZINEをセットで購入できる豪華ボックス。各作家のサイン入りってのもレア度◎。2万2000円(ビームス ジャパン)
IDEA7
フォトZINEで旅を楽しむ
まだまだ大手を振って旅に出かけるのは難しい現状、バーチャルに旅を楽しむ手段としてもZINEはうってつけ。著名な観光地はもちろん、異国の地に住む人々のリアルな生活風景が掲載されてるものなんかもあるので、イメトレ代わりに読んでも刺激は十二分ですよ。
ページをめくるたびカリフォルニアのスローライフを感じる♪
JUST HAPPINESS
NAKI
米・カリフォルニア在住のカメラマン・船木三秀氏が、現地に根を下ろさなければ撮れない美しい自然やサーフシーン、リアルな日常写真を多数掲載。1540円(ビームス ジャパン)
※表示価格は税込み
[ビギン2022年1月号の記事を再構成]スタッフクレジットは本誌をご覧ください。