【連載】「本人私物。」vol.12/麻布テーラー 篠塚さんの愛用“レジメンタルタイ”【モノ好きの“リアルでガチな愛用品”】
目利きの「リアルでガチな愛用品」を紹介する本連載。今回はスーツの達人・篠塚さんに、Vゾーンの着こなしの重要ディテールとなるタイ、なかでも定番中の定番こと「レジメンタル柄」を紹介してもらいました。定番ゆえにお洒落に見せるのは意外とムズイ。しかも何かとスーツを着る機会が減りつつある昨今ですが、ここぞの場面にはやっぱスーツ! っていうか、“主流の反対”をいくのがお洒落さんの定石でもあることを考えると、今イケてるビジネススタイルって実はスーツなのでは? それはともかくですが、最新ビジネスファッションの模範解答である篠塚流Vゾーンコーデ、必見です!!
今月のMr.モノ好き
麻布テーラー
プレス
篠塚 剛さん
良心的な価格で高品質なスーツを提供する同社のスーツ番長。ここ最近は、ゆったりとしたサイズ感のカントリーテイストな着こなしがマイブーム。今回紹介するタイもまさに今の気分にぴったりで、お洒落に気を配るビジネスマンは要チェックです。
【愛用“レジメンタルタイ” No.1】
アットヴァンヌッチのタイ
「Vに差がつく変化球柄」
イタリア・フィレンツェにて数少ない手縫いで製造するブランドのタイです。シックな色目のレジメンタル柄は、上品さと個性をバランスよく演出できるんです。
「このタイは、レジメンタル柄を大剣の一部に使っているのがミソ! モノトーンな配色で、シンプルながらもフォーマルやパーティーシーンで、適度に主張しながらコーデを品よくまとめてくれます。それに手縫いで仕上げたセッテピエゲ製法は、スカーフのようなふんわりとした締め心地で快適。エレガントなVゾーンを作るときは、これを頼りにしています」。遊びとお洒落、上品さをキープできる変化球レジメンですが、これなら普段のビジネスシーンにも十分対応できそうです。
グレンチェックのスーツにレギュラーカラーのシャツ、ブラック×ブラウンのレジメンタイを合わせたモノトーンコーデ。「すっきりとまとまり、旬も意識できます」。
【Atto Vannucci/アットヴァンヌッチ】
●商品名
【レジメンタル柄ネクタイ】
●価格
【3万5000円くらい】
●購入年
【2019年】
【愛用“レジメンタルタイ”No.2】
ドレイクスのタイ
「ビビッドな配色にビビッと反応」
英国のファクトリーブランドのタイは、ハッキリとした色柄のレジメンがトラッドな趣。オレンジとネイビーの配色に、思わず反応しちゃいました。
「オレンジとネイビーを掛け合わせたトラッドな雰囲気が印象的で、これを見た瞬間、スーツを扱う職業柄なのかビビっと反応しちゃいました(笑)。シルクの綾目がしっかりとわかるほど打ち込まれているのが特徴です。コットンやフランネルなどの素材自体に風合いののあるスーツとの相性が抜群」。ビジネススーツの王道であるレジメンタル柄でも、色味次第で嫌味なくVゾーンが華やぎますね。
ベージュスーツにピンクのストライプB.D.シャツ。そこにレジメンタイを合わせた、トラッドスタイル。「タイが差し色となって、個性的な装いを演出してくれます」。
【DRAKE’S/ドレイクス】
●モデル
【レジメンタル柄タイ】
●価格
【1万5000円くらい】
●購入年
【2017年】
【愛用“レジメンタルタイ”No.3】
麻布テーラーのヴィンテージタイ
「リアルヴィンテージ!」
1980〜’90年代に生産されていた生地を使用したタイは、本物のヴィンテージを追求したウチの渾身作。パネルストライプ柄もキレイで、Vゾーンの格上げにぴったりなんです。
篠塚さんが持ってきたこのタイ、見るからにただならぬオーラを放っているじゃないですか!! そのワケを聞くと納得のアンサーが。「’80〜’90年代に生産されていた生地を用いたタイで、最高級シルクの打ち込み本数を限りなく増やすことで強いハリとコシを実現。本物のヴィンテージタイを再現しています。ストライプ幅の感覚や色合いも◎で、ブレザースタイルに合わせるのが気分ですね」。素材からカラーリング、柄と、トコトンこだわるところ、麻布テーラーでしかできませんね!
ネイビージャケットにシャンブレーシャツ、そしてネイビーのレジメンタイ。「シックなワントーンコーデですが、そのぶん柄が引き立つのでスッキリ程よく洒脱なVゾーンになります」。
【azabu tailor/麻布テーラー】
●モデル
【ヴィンテージタイ】
●価格
【8500円】
●購入年
【2017年】
写真/鈴木克典 取材・文/宮嶋将良(POW-DER)