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近年、ミニバンやSUVのブームに押され、すっかり姿を見る機会が減ってしまいましたが、かつてはクルマの基本形といえばセダンでした。子どもがクルマの絵を描くと、だいたいセダンの形をしていたものですが、近頃はミニバンやSUVの形になることが多いとか……。
とはいえ、セダンがこのまま減少の一途をたどるのかといえば、そんなことはありません。実はメーカー各社は魅力的なセダンモデルを次々に投入しており、2020年はムーブメントが起きそうな状況。そこで、セダンの人気が盛り返している理由を分析してみました。

【理由その1】カッコいい車種が増えた

セダンというと、中高年が乗っている角張ったのデザインクルマというイメージを持っている人も少なくないかもしれません。ただ、それは過去の話。現行のセダンモデルは流麗なスタイリングで、見た目にも”おやじグルマ”っぽさは皆無です。クーペのようなデザインとなっている車種もあり、これなら乗ってみたいと感じる人も多いのではないでしょうか?

【理由その2】魅力的な機能や走りを備えている

現行のセダンで魅力的なのはデザインだけではありません。最新の機能をミニバンやSUVに先立って与えられていたり、走行性能が優れている点もメリットです。例えば、前出の「クラウン」は「T-Connect for CROWN」という専用のコネクティッド機能を搭載しており、緊急時だけでなく通常時もオペレーターとオンラインでつながって、目的地を告げるだけでナビに転送してくれたりします。目的地が予約の必要なホテルやレストランだった場合、予約も代行してくれるなどいたれりつくせりのサービス。もちろん、走行性能も優れていて、ステアリングを握ればドイツのニュルブルクリンク・サーキットで鍛えられた輸入車のような走りが味わえます。

先に紹介した「マツダ3」には、「スカイアクティブX」という先進のガソリンエンジンが搭載されたグレードが用意されています。このエンジンは、ディーゼルエンジンのように圧縮による着火を可能とした「SPCCI(火花点火制御圧縮着火)」という技術を採用。ガソリンとディーゼルのいいとこ取りを実現したエンジンで、通常の同車種のガソリンエンジンに比べて15%のパワー・トルクアップと10%の燃費向上を果たしています。

高性能なセダンとして、忘れてはいけない存在がスバルの「WRX STI」。かつて、ラリーの世界を席巻した「インプレッサWRX」の後継モデルで、同社が得意とする水平対向エンジンは308PSを発揮し、低重心な車体と4輪駆動システムの組み合わせで、他に類を見ない走行パフォーマンスを実現しています。残念ながら、このモデルは2019年12月23日をもって受注を終了していますが、こうしたスポーツカーに勝るとも劣らない走行性能を持つモデルが存在するのもセダンの魅力といえるでしょう。

【理由その3】走行性能や快適性を高めやすい構造

メーカー各社が、高い走行性能や先進機能をセダンモデルに投入しているのにも理由があります。それは、セダンの基本設計が走りの性能や快適性を高めやすい構造となっていること。セダンはミニバンやSUVなどに比べると低重心で、走行性能を高めやすく、空力性能にも優れています。また、居室がエンジンルームやトランクルームと明確に分かれている構造も、エンジン音やタイヤが発するロードノイズが居室に入るのをシャットアウトしやすく、快適性を高めやすいのです。

また、左右のタイヤを支える部分を結ぶ位置にボディの骨格が存在する構造は、ボディの剛性を高めやすいというメリットもあります。2019年に発売されたトヨタの「カローラ」はセダンのほかに、ハッチバックの「カローラ スポーツ」、ワゴンボディの「カローラ ツーリング」というシリーズモデルをラインナップしていますが、最も剛性を高めやすかったのはセダンボディだとのこと。「カローラ スポーツ」や「カローラ ツーリング」はセダンボディ並みに剛性を高めるため、かなりボディに補強を入れています。実際にこの3車種を乗り比べてみましたが、個人的に最もフィーリングがよかったのがセダンの「カローラ」でした。

人気のかげりが何度も叫ばれながらも、メーカーが意欲的なモデルを投入し続けてきたセダンというジャンル。それだけメーカー側が力を入れる理由は、基本設計が走行性能や快適性を高めやすいという理由もあるのです。セダンが”クルマの基本形”として扱われてきたのには、それなりの裏付けがあったということですね。魅力的なモデルが揃い、復権の兆しが随所に感じられるセダン、もう一度クルマの基本に立ち返ってみるタイミングは今なのかもしれません。


文/増谷茂樹

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