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WHITEHOUSE COX ホワイトハウスコックス ユナイテッドアローズ別注 スコッチグレインレザー×ブライドルレザー財布

ユナイテッドアローズ30年の歴史に常に寄り添ってきたWHC
―ユナイテッドアローズ 栗野宏文さん・談

日本の多くのセレクト店や百貨店が“定番”として扱うホワイトハウスコックス(WHC)。しかしユナイテッドアローズほど長く、そして深くこのブランドと付き合ってきたお店はない。

なんと90年のユナイテッドアローズ1号店オープン時はすでに英国のクラシックな革小物として紹介。その導入を決定した張本人が当時バイヤーだった栗野宏文さんだった。

「当時はブランドもの全盛でしたが、ユナイテッドアローズは“進化する老舗”のコンセプトのもと、世界中から真の良品を集めていました。となると必然的にファクトリー系が主体となり、革小物ではWHCに白刃の矢を立てたのです」。

「ちなみにボクが最初に拝見したWHC製品はブライドルレザーのベルトと財布。飾り気がない分、英国の老舗らしい実直さや質実剛健さが伝わってきた。価格も適正でしたし、これは掘り出し物だぞと直感した」。

WHITEHOUSE COX ホワイトハウスコックス
昔の犬用リード。これがメッシュベルトのルーツに。

そんなふうに惚れ込んだWHCだが、最初はセールスで苦戦した。ブランド知名度がないことに加え、ブライドルレザーに対する知識がユーザーになかったからだ。

「だから販売スタッフたちは根気よくお客様にWHC製品の魅力と特性を伝える必要があった。たとえばブライドルレザーは長く放置すると表面に白い粉が吹いてきますが、当時のお客様に理解できない」。

「そこで“これは革深部に浸透したタロー(獣脂)が吹き出たもので、伝統の製法で作られたブライドルの特徴です。だから長い年月使えるし、使うほど柔らかくなり、味わいも増します”といった具合にいちいち説明した」。

「その甲斐あって徐々にWHC人気が高まっていったわけです。認知されるまで時間がかかりましたが、それで良かったと思っています。というのも、急に大ブレイクすると往々にして廃れるのも早い。WHCは下手な流行り方をしなかった分、息の長い商品になりました」。

天然由来のアニリン染料で染めるブライドルレザー
自然な発色は、天然由来のアニリン染料で染めるため。

最高級のカウハイドを植物タンニンなめしで製革
最高級のカウハイドを植物タンニンなめしで製革。

年末のギフトシーズンになると毎年さまざまなショップから趣向を凝らした“別注WHC”が登場し、ファンを楽しませているが、その先鞭をつけたのもユナイテッドアローズだ。

センスフルな色別注はもちろん、ブライドル以外の希少革を用いたスペシャルモデルも過去多数オーダーし、その度ヒットさせてきた。ただそうした別注の場合も、ユナイテッドアローズは絶対にWHCらしさを損なわないよう配慮してきたと言う。

「長いお付き合いですから、モノ作りの背景まで熟知しています。だから変えていいところと、いけないところも自ずとわかる。そこを無理に押し通しても妙なものしかできません。ほら、玉子丼の美味しい定食屋が、ハヤリだからと突然パクチーを散らした玉子丼を出したら、違うと思うでしょ?」。

WHCの魅力を紹介し続けてきたユナイテッドアローズは、15年に集大成とも言える場をプロデュース。ユナイテッドアローズ銀座店内にWHC専門店をオープンさせたのだ。現行フルラインナップのほか、経年変化サンプルや馬具製造時代から使う工具も陳列する、丸ごと世界観を伝える空間だ。

WHITEHOUSE COX ホワイトハウスコックス
ユナイテッドアローズ銀座店内にあるWHC専門店。ファンの聖地だ。

「昔は見るからに高価なものを持つことがラグジュアリーとされましたが、もはやそういう価値観は古い。職人が丹精込めて仕立てた良質なものを見抜き、ずっと愛着を持って使うのが私たちの考える今の時代のラグジュアリー。WHCはまさにそれに合致する存在で、今後もUAを象徴する大切なブランドであり続けると思います」。

WHITEHOUSE COX ホワイトハウスコックス ユナイテッドアローズ別注 スコッチグレインレザー×ブライドルレザー財布

WHITEHOUSE COX[ホワイトハウスコックス]
ユナイテッドアローズ別注 スコッチグレインレザー×ブライドルレザー財布

英国カントリーテイスト香る外装のシボ革は、じつはノーサンプトンの名門シューメーカー、クロケット&ジョーンズがブーツなどに用いるスコッチグレインレザー! 内装の端正なブライドルレザーとのコントラストがたまらない。こんな奇跡のコラボができるのもユナイテッドアローズだからこそ。長財布4万4000円、3つ折財布4万円。

WHITEHOUSE COX ホワイトハウスコックス
栗野さん私物の眼鏡ケース。25年モノでメチャいい味。

栗野宏文さん

UNITED ARROWS 上級顧問 クリエイティブディレクション担当
栗野宏文さん

1953年生まれ。スズヤ、ビームスを経て1989年ユナイテッドアローズ設立に参加。取締役の傍、バイイング、PR、クリエイティブディレクションを担う。2008年取締役退任後、現職に。

 
※表示価格は税抜き


[ビギン2019年12月号の記事を再構成]スタッフクレジットは本誌をご覧ください。

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