覚えておきたいフライトジャケット3つのタイプ。違いや魅力を徹底解剖!
ファッションとしても大人気の米国軍のフライトジャケット。数々のマスターピース、その変遷を辿りながら違いや魅力を整理してみよう!
まずフライトジャケットは気温によって3タイプに分類される!
飛行高度の気温域で分類、開発された米軍フライトジャケット。当初、頭文字はAが夏、Bを冬用としたが、飛行空域の拡大から曖昧に。NやMAを使った理由は不明とか。
タイプ1【ヘヴィゾーン】
高度300フィート以上-10℃~-30℃の極寒用
防寒性優先のスペックを追求。シープシェアリング(羊の毛皮)を使ったB-3や、ダウン中綿入りのモデルなどがあった。
N-2とN-3ってなんで丈が違うか知ってた?
(左)N-3(右)N-2
ヘヴィゾーンで着用するN-2とN-3。用途も名前も似てるけど、前者はパイロット用で、操縦席で裾がもたつかない短丈。後者は地上員、機内乗務員向けで、防寒性の高いコートタイプに開発されました。
N-2は操縦時に裾がもたつかない短丈&リブ仕様
またN-2はヘルメットの上から被る大きめのフードが左右に開き、ファーが肩にかかってラグジュアリーな雰囲気も。
N-3は極寒地で作業を行うためコート丈になっている
一方N-3は無骨なギア感が真骨頂と、開発目的の違いがフライトジャケットの機能美を照らし出しているのです!
N-2はショート丈のパイロット用
N-3はロング丈のエアクルー用
タイプ2【インターミディエートゾーン】
高度200フィートの10℃~-10℃を網羅する
防寒と機動性を兼ね備えたモデルが多い。当初はレザー製だったがフライトジャケット初のコットン、のちにナイロンを採用する。
大人気“MA-1”誕生までの初トピックをオサライ~♪
1939年のB-6から生まれたインターミディエートゾーンのジャケットは、ファッションとしてもお馴染みのMA-1へつながる系譜。B-10以降の歴史的アイテムの変遷を暗記しよう!
タイプ3【ライトゾーン】
30℃~10℃の範囲での飛行に用いられる
米軍フライトジャケット黎明期に開発され、夏季用のジャケットとしても採用されていた。防寒性よりも機動性が重視されている。
パイロットの誇り!! A-1&A-2は2TOPのA級レザージャケットだ!!
(左)A-2(右)A-1
もとは飛行士だけが着用を許されたフライトジャケット。初めは乗馬用革コートを流用したが、1920年代から開発、支給された元祖フライトジャケット、A-1、A-2はパイロットの誇りとなった。
米陸軍航空隊の夏季用ジャケットで、レザー製の初期のフライトジャケットだ。A-1はシープスキン、A-2はホースハイドを主に採用していた。A-2は、映画『大脱走』でスティーブ・マックイーンが着用するなど、アメカジを代表するレザージャケットとして君臨。
miniミリタリーコラム
海軍アビエイター用のG-1は一貫してほぼ変化ナシ!?
陸軍と海軍はライバル意識が高く、それはフライトジャケットにも表れている。多様なタイプを開発した陸軍と違い、海軍は初代M422から完成形のG-1まで形がほぼ同じ。ちなみに海軍ではパイロットとは呼ばず、自らをアビエイターと呼んでいた。
『トップガン』でもお馴染み、海軍航空隊の傑作
1964年誕生 G-1(MIL-J-7823C)
A-2より防寒性の高いムートン衿。ホースハイドよりしなやかで動きやすいゴートスキン
オリジンのM422は裏地があずき色
※表示価格は税抜き
[ビギン2019年10月号の記事を再構成]スタッフクレジットは本誌をご覧ください。