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文房具ルメ

ファーバーカステル「パーフェクトペンシル」

「1粒で2度美味しい」といえば、キャラメルとアーモンドの美味しさを同時に楽しめる「アーモンドグリコ」の有名なキャッチフレーズだが、鉛筆には「1本で3度美味しい」といいたくなるアイテムが存在する。それが、ファーバーカステルの「パーフェクトペンシル」だ。

ファーバーカステルは、ドイツの老舗文房具メーカーである。その創業は250年以上前にさかのぼり、鉛筆の製造から始まったといわれている。その歴史と伝統のあるファーバーカステルが満を持して「パーフェクト」と名付ける鉛筆とは、どういうものなのだろうか。

鉛筆を使うときには、「書く・消す・削る」という3つの段階がある。パーフェクトペンシルは、消しゴム付きの鉛筆に、削り器を内蔵したキャップを組み合わせることで、1本でこの3つの段階に必要な機能をすべて網羅している。だから「完璧」、すなわち「パーフェクト」である、ということらしい。

ちょっと大げさな気もするが、キャップには鉛筆の先端を保護する役割もあるし、鉛筆が短くなれば、後端に取り付けて補助軸としても使うことができる。キャップに付いているクリップのおかげで、鉛筆を胸ポケットやノートの表紙に引っ掛けて持ち運ぶのにも便利だ(いざ探すと案外見つからないのですよ、クリップ付きの鉛筆キャップって)。

つまり、これひとつで鉛筆のありとあらゆるシーンに対応している。たしかにパーフェクトな鉛筆なのだ。

パーフェクトペンシルにはいくつかのバリエーションがあり、私が所有しているのは「UFOパーフェクトペンシル」。つや消しアルミニウムのキャップがスマートな印象だ。説明書によると付属の鉛筆の硬度はBとのことだが、やや硬めのキリッとした書き心地である。

ファーバーカステル「パーフェクトペンシル」

しかし、鉛筆か。大人になると、なかなか鉛筆を使う機会がないな、と思われる方も多いかもしれない。だが、私にはどうしても必要があって、鉛筆を手放せない場面がある。それは、美術館でメモを取るときだ。

美術鑑賞が趣味なので、美術館や博物館によく足を運ぶのだが、そういった場所では、展示品の作品の汚損を防ぐなどの理由から、展示室内でボールペンや万年筆、シャープペンシルなどの使用を禁止していることが多い。そんななかでも、唯一認められている筆記具が鉛筆なのである(とはいえ、施設によってルールは異なるため、使用の可否については都度現地にて確認すること)。

鉛筆の貸し出しに対応してくれる施設もあるが、万全を期すなら持参したいもの。使わないときには芯先をカバーでき、使うときには取り外したキャップをサッとメモ帳の表紙に引っ掛けられるクリップ付きのパーフェクトペンシルは、美術館で立ったままメモを取るのにうってつけなのだ。

そのスタイリッシュな見た目は、美術鑑賞の気分をより高めるのにも役立つ。

さらに文化的な気分を味わいたい人には、ファーバーカステルの最高級ライン「伯爵コレクション」から、プラチナコーティングもまばゆいパーフェクトペンシルマグナム(お値段なんと4万5000円!)もおすすめ。カジュアルにパーフェクトペンシルの機能を手に入れたい人には、カステル9000番シリーズのパーフェクトペンシル(3000円)やKIDS用(600円)と、お手頃価格のバリエーションもあるのが嬉しい。

大人になってから改めて使う鉛筆は、なかなかいいもの。行楽のお供にはキャラメルを、美術鑑賞のお供には、これひとつで身軽に鉛筆を使えるパーフェクトペンシルを1本、いかがでしょう。

6000円(UFOパーフェクトペンシルギフトセット)
http://www.faber-castell.jp/design/products/perfect-pencil

※表示価格は税抜き

ヨシムラマリ

ヨシムラマリ

神奈川県出身。子供の頃、身近な画材であった紙やペンをきっかけに文房具にハマる。現在は会社員として働くかたわら、イラスト制作や執筆を手掛けている。著書に『文房具の解剖図鑑』(エクスナレッジ)。

文房具グルメとは? 価格やブランド名だけでは価値が計り知れない、味わい深い文房具の数々。フランス料理店でシャンパングラスを傾ける記念日もあれば、無性にカップ麺が食べたくなる日もありますよね? そんな日常と重ねあわせて、文房具に造詣の深い気鋭のイラストレーターが気になるアイテムとの至福のひとときをご紹介!

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