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HISTORY

現代で最も手軽に買うことができる防寒服、それがフリース素材のウェアだ。じつは、そのルーツは漁師の服。なぜ、それがアウトドアに用いられ、リサイクルウェアの嚆矢となったのか? 今回はそれを探っていこう。

アラスカ・デナリ峰登頂を果たし、「パイルジャケット」を着て祝杯をあげるパタゴニア創始者イヴォン・シュイナード(右)。現代のフリースは、彼らが見つけた便座カバー用のポリエステル素材から作られたパイルウェアに始まり、ペットボトルなどリサイクルフリースに進化した。

フリースはペットボトルが父で便座が母

定番アイテムの基礎知識

防寒着

【フリース】

●化学の力で作られた人類初の保温服
●軽い、温かい、気持ちいい、で今日では街着としても大人気

’70年代後半、パタゴニアの創業者イヴォン・シュイナード氏は、汗や雨などの水分を吸って重くなってしまう羊毛のセーターに不満を抱いていた。そこで、北大西洋の漁師が着用していたパイルセーターを山で着ることを思いつく。こうして’77年にリリースされた「パイルジャケット」が原点となりフリースが生まれた。ちなみに当時衣料用のパイル素材が市場になく、探し回ったイヴォン氏がたどり着いた素材は、モルデンミルズという生地メーカーが便座カバー用として卸してたものだとか。毛足が長いため保温性に優れ、汗や雨などで濡れてもすぐに乾くことから登山に最適なウェアとなった。’85年にはそのモルデンミルズと共同開発した「シンチラ・フリース」が大流行。’93年からは回収したペットボトルを再利用することにも成功した。’90年代後半には街着として広まり、ユニクロが2年間で1000万着超のフリースを販売する。今日では、ポリエステル素材を使って作られる起毛仕上げのウェアをフリースと呼んでいる。

写真/大嶽恵一 文/村石太郎 スタイリング/四方章敬(CODE) 取材協力/エスシーティー ジャパン

本記事に掲載されている商品の価格や問い合わせ先、仕様などの情報は、原則として雑誌Beginの連載に掲載された当時の情報となり、現在の仕様や価格、情報とは異なる場合があります。あらかじめご了承ください。

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