ON⇔OFF境界線はどこまで融解するのか!? セットアップの進化を語る!
ビジネスとカジュアルのボーダーレス化が加速中。今秋登場する、モアレス(洋服の青山とビームス デザインの協業ブランド)×グラミチのセットアップはその最たるもの。このコラボに関わる3名のキーパーソンに、セットアップの進化についてうかがいました!
座談会メンバーはこの方々!
左から高泉さん、森さん、山本さん、吉田さん
高泉クリスティーナさん(インスグラミチ PR)
某メゾンの販売員を経て大手アパレルのプレスに。その後PR会社を経て現職。ずっとメンズ畑を担当しており、ドレスにもカジュアルにも非常に造詣が深い。
森 和範さん(ビームス デザイン マネージャー)
ビームス入社後、ドレス系の販売を長年経験。現在同社開発部門に所属。他社と協業で“モノ”“コト”の開発を行う「ビームス デザイン」にて敏腕を振るう。
山本龍典さん(青山商事 第一商品部長)
2016年より商品部長としてメンズ及びレディスの商品企画を監修。繊維製品品質管理士の資格も持ち、企画から品質管理まで、多岐の業務に関わっている。
吉田 巌さん(聞き手/ライター)
服、靴、鞄、時計、革小物……と、男性ファッションに関連するモロモロがフィールド。モアレスやグラミチに関する記事は、本誌でもかなり執筆経験アリ。
ビジカジのモアレスが美脚山パンと組んだ!
──ビジネスウェアのカジュアル化が加速していると言われますが、実感値としてはいかがでしょうか。
森さん(以下、敬称略) クールビズやスニーカー通勤の影響もあるのでしょうが、“ビジネスウェア=ユニフォーム”というマインドから抜け出して、もっと自由な発想でビジネス服を選ぶ方が急速に増えてきている気がしますね。
山本さん(以下、敬称略) 我々「洋服の青山」は、正統派のスーツを求めるお客さまが基本的に多いのですが、それでもやはりカジュアル化の波は感じています。
ここ1、2年はとくに顕著。私たちがビームス デザインさんと組んで2年半前にモアレスを立ち上げたのも、こうした時代に即した新たな提案をするためです。
山本さん「この1~2年でカジュアル化が急速に進んだ!」
──リュック姿のビジネスマンなんてのも、ホント当たり前に見かけるようになりましたよね。
高泉さん(以下、敬称略) グラミチの定番、NNパンツのデビューは’15年。細身の山パンとして人気だったナローパンツ(’12年登場)の股上を、さらにコンパクトにしてスッキリさせたものですが、最近はこれの黒やグレーを仕事使いする、と言って買われる方が本当に増えています。これもビジネスとカジュアルの境界線が曖昧になっている表れなんでしょうね。
高泉さん「最近NNパンツはビジネス用にも売れています」
──そんな流れのなか、より着こなしの幅が広いカジュアルセットアップを選ぶ人が近年飛躍的に増えていますよね。素材的にも随分といろいろなものが出ていますが……、まさかモアレスとグラミチが組むとは思いませんでした!
森 カジュアル寄りのビジネスウェアを作ろうとすると、一般的には“ドレス服のカジュアルダウン”という考え方になりがちです。
でも、そうではなくて“カジュアル服のドレスアップ”という方向でのモノ作りを考えてみたんです。そのとき思い浮かんだのが、ビームスでも長くお付き合いしているグラミチさんだったんですよね。