知る人ぞ知る“聖地”で達人に聞いた、野球とオシャレの楽しみ方
昨今注目の“スポーツミックス”。要はスポーツ要素を取り入れたファッションを指すんですが、お洒落として取り入れられているスポーツって、ランニングにクライミング、サーフィン……と、ごく一部に偏っていると思いません? で、そんなメジャーどころと同様にじつは“ベースボール”もファッションと相性がいいのでは? という発想の下、実際に野球のエッセンスを抽出しているファッションブランドの達人に、ファッション目線のベースボールをご教授いただきました!
ファッションに馴染むスポーツには共通点あり
野球を“お洒落”としても楽しみたい! ……と渇望するなら、まず注目すべきはジャックマン以外にないでしょう!
なんたってここは、まさに野球のエッセンスを注入したアイテム作りで、ファッション界でも独自のポジションを獲得している個性派。歴史も古く、創設したのはなんと1967年。
ジャックマン チーフマネージャーの田後さんいわく、「長らく野球に根付いたものを作り続けてきた理由は、ごくシンプル。単に創業者の故・田辺 貢が超熱狂的な野球好きだったからなんです(苦笑)。ジャックマンというブランド名も、野球用語で“ホームランバッター”を意味するところから名付けられたもの。もし今、彼が生きていたらきっとこんなアイテムを作るんじゃないだろうか…… そんな発想を基に製品の企画を練っているから、ジャックマンのアイテムには今でも自然と“野球”が息づいているのかもしれません」。
野球もその他のスポーツと同じくファッションに馴染む、と考えるには理由があるそう。
「キーワードは“ギア”です。クライミング用のパンツやフィッシング用のベストなんかと同じように、野球にもファッションに取り入れられそうなギアがたくさんある。さすがにグラブやスパイクを普段使いするのは難しいですが(苦笑)、野球関連の意匠をさりげなく盛り込んだTシャツなどは、普通に街着としても馴染むはず。
“ワーク”や“ミリタリー”と同じように、いずれ“ベースボール”のディテールもファッションの定番として浸透していってくれれば嬉しいですね」。
ジャックマン エビスは半世紀以上野球と密接な関係を築いてきた野球愛あふれる、まさに聖地
Jackman ebisu/ジャックマン エビス
野球もお洒落として楽しめる!を体現するブランドの旗艦店は、築53年の建物を改装して利用。野球好きだった創業者の遺志を継ぎ、店内・外の随所に野球の意匠をちりばめている。(住)東京都渋谷区恵比寿南2-20-5 ☎03-5773-5916








前身となる田辺莫大小(メリヤス)製作所は、1950年に日本で初めて野球用ストッキングを生産したことでも知られる。
“ベースボールディテール”ってワーク&ミリタリー(ディテール)と同じように面白い!
①胸ポケのフラシ
野球で滑り止めとして使われるロジンバッグを入れたときに、汗の湿度で固まらないよう考えられた胸ポケのフラシ。このフラシの付いた胸ポケは、かつてのベースボールシャツがここにロジンバッグを入れていた証。マニアックな野球ディテールの好例だ。
②度詰め生地
アンビリーバブル! 自立するほどの度詰め生地。
Jackman/ジャックマン
度詰めポケットTシャツ
洗濯を繰り返しても長く着られるように、という想いで作られたヘビーオンスT。均等に度目が詰まる、という吊り編み機の利点を生かして編まれた約11オンス(一般的なTシャツの倍以上!)の極厚生地は、ヘビロテしても型崩れしない。8500円(ジャックマン エビス)
他にもこんなベースボールディテールがあり!
グラウンドの土で汚れたベースの色を再現
ビッグワッフル ミッドネックシャツ
“毎日着られるニット”を目指して製作された、コットン製のワッフルニット。ダーティベースカラーは、名前の通り土で汚れたベースの色に着想を得て再現されたユニーク色だ。1万4000円(ジャックマン エビス)写真:Jonathan Souza / stock.foto
リグレー・フィールドのスタンドカラー
ヘンリーネックTシャツ
着込むほどにいい色合いに変化しそうなグリーンカラーは、その名もスタンドグリーン。これは大リーグ、シカゴ・カブスの本拠地リグレー・フィールドのスタンド席の色合いを模したもの。5500円(ジャックマン エビス)写真:Frank Romeo / stock.foto
リグレー・フィールドの外壁の色をオマージュ
ポケットTシャツ
2014年から継続展開している定番ポケが、今夏世界統一のサイズ感にリニューアル。鮮やかなウォールイエローカラーは、リグレー・フィールドの外壁をイメージして染色されたもの。5000円(ジャックマン エビス)写真:Felix Lipov / stock.foto
教えてくれたのはこの方
ジャックマン チーフマネージャー
田後健一さん
好きなチーム:阪神タイガース
好きな選手:掛布雅之
ジャックマンと同じ1967年生まれ。約30年前に入社し、2011年からジャックマンのブランディングを担当。野球に紐づいた製品を作り続ける同社のキーマン。
※表示価格は税抜き
[ビギン2018年9月号の記事を再構成]スタッフクレジットは本誌をご覧ください。