リモワやグローブ・トロッターも! 旅慣れたオシャレ賢者のリアルなスーツケース選び
世界各国全国津々浦々、スーツケースは旅の酸いも甘いも共にするいわば“相棒”。気軽な買い物じゃないからこそ、オシャレのプロに選びのキモと思い出を聞いてみました!
【RIMOWA】
「簡素だけど頼りになる じつにドイツらしいトロリー」

ユナイテッドアローズ クリエイティブ・アドバイザー
鴨志田康人さん
ビームスを経てユナイテッドアローズの設立に参画し、2018年より現職に。稀代のウェルドレッサー「世界のカモシタ」と知られる。
「目をつぶっても綺麗にパッキングできるくらい使い倒してきたのがこのリモワです」
「一番の魅力はやはり、傷や凹みすら味わいに変えてくれるアルミの素材感ですね。この風格は、ソフトなケース素材には真似できないものでしょう。名作ゆえに空港でカブりがちなところが難点ですが、こんなふうに旅先で入手したステッカーをペタペタ貼っていればターンテーブルに出てきたときにすぐ発見できます。このステッカーは自分にとってはいわば旅のアルバムみたいなもの。数が増えるたびに、愛おしさが増していく気がします。」
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RIMOWA[リモワ]
チェックインM
ご存じアルミ製スーツケースの傑作。陽極酸化加工で耐食性や耐摩耗性も十分だ。ちなみに象徴的な表面リブは1935年に初搭載されたもので、ドイツ軍の最新鋭空港機「ユンカース52」の外板設計から着想している。60リットル。W69 × H44 × D27.5cm。25万8500円(リモワ)
【GLOBE-TROTTER】
「クラシックなものでしか得られない味わいって確実にあるんです」

スタイリスト
梶谷早織さん
ドレスからカジュアルまでメンズファッション全域を得意とし、女性の中では恐らく日本で一番多くスーツを扱ってきたスタイリスト。
「先輩が持っている姿に憧れて買いました。使い勝手は……正直考慮せず(笑)」
「私のものは旧型で2輪の小さなホイールに、伸びるハンドルも付いていませんから、ヨーロッパの石畳みを移動するときなどは大変でした(笑)。でもそれを補って余りある存在感とお洒落さがあり、持っていると優越感に浸れるんですよね。今は機能的なアイテムが注目されがちですが、クラシックなものでしか得られない味や佇まい、所作の美しさは確実にあると思う。ちなみに、自宅で出しっ放しで収納がわりにしても絵になりますよ。」
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GLOBE-TROTTER[グローブ・トロッター]
キャリーオン -4ホイール
128年前と同じく、ヴァルカン・ファイバー製のボディxヴァルカン・ファイバー製のコーナーパーツで形成されたブランドの原点ともいえる一品。伸縮式ハンドル& 4輪で機能面は改善済みだ。34リットル。W42 × H56 × D21cm。25万3000円(グローブ・トロッター 銀座)
【RICARDO BEVERY HILLS】
「高級感を備えながらラフに扱える懐の深さもある」

アダムエロペ バイヤー
大瀧北斗さん
名セレクトのバイヤーを経て現職に。日本展開を始めて間もないリカルドの魅力にいち早く気付き、買い付けを始めた方でもある。
「米国西海岸にある老舗のトロリーらしいラフ&ラグジュアリーな雰囲気に惚れました」
「コンテナ然としたデザインのエルロンはラフに扱ってなんぼ。味が出てきたら、普段は部屋やクルマで収納代わりに使ってもお洒落だと思うんですよね。もちろん性能面も一級品で、内装が非常にシステマチックで使いやすいのもありがたい。付属パーツもいちいち質が高いのですが、とりわけ別格なのは360°回転する静音ホイールの走行性。荷物がかなりの重量であってもこれほどまでにスイスイ操れるスーツケースはそうないと思っています。」
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RICARDO BEVERY HILLS[リカルド・ビバリーヒルズ]
エルロン
1978年のブランド創業時からアップデートを重ねつつ作り続け、本国アメリカでも愛用者が多い定番トロリー。その重厚な見た目に反して5.9kgと軽量なのもうれしいポイント。58リットル。W46.9 × H66 × D30.4cm。7万7000円。(リカルドカスタマーサービス)
【MYSTERY RANCH】
「都会での機動力に優れたオフロード二輪」

ファッションディレクター
金子恵治さん
今注目のファッションブランド「FOUNDOUR」のクリエイティブディレクター。その他ブランドのディレクションも精力的に行う。
「大した荷物がなくても普段使いのカバン感覚で週4使ってます」
「極厚コーデュラナイロン製ボディは、いかにも“旅行”なハードケースタイプほど大袈裟に見えませんし、ナイロンなのでやっぱり軽い。背面にはポリカーボネートを圧縮成型したシェル素材が使われ、カメラをしっかり守ってくれそうな頑丈さはあるんだけど、重くならないように構成されてるんですね。そしてバックパックに通じるルックスもイイ。ミリタリーやアウトドアで培った機能的で骨太なデザインは街で転がしていても自然なんです。」
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MYSTERY RANCH[ミステリーランチ]
ミッションウィリー 45
840デニールのバリスティックナイロンを使用し、内装のフレームとライニングを排することでより軽く、そして荷物を収納しやすくした意欲作。外装のナイロンを畳むとマチ幅が⅓ほどに狭まる。W34 × H57 × D30cm。44リットル。5万5000円(エイ アンド エフ)
【HARDIGG】
「ぶつけようが何とも思わない。これぞ道具のあるべき姿かと」

フォトグラファー
永易量行さん
雑誌から広告、トレイルランレースの公式フォトまで幅広く手掛ける敏腕カメラマン。自身もランナーとして年間数千kmを疾走!
「コイツを携えて年10回以上はラン遠征などで九州へ飛びます」
「使用機材がデジタルに切り替わりつつあった2000年頃、大きくて汎用性の高いケースを探していました。初めはペリカンを狙うも、当時の私には手が届かず。調べていると、ペリカンのライバルだった米・ハーディグの存在を知り、直輸入しました。見た目やタフさはペリカンと変わりませんが、開閉しやすいラッチは便利。その後ペリカンに買収されるというオチも含めてお気に入りです。愛用し続けて25年、一度も壊れたことはありませんね。」
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PELICAN[ペリカン]
IM2720とIM2300
防水性・耐衝撃性・防塵性を兼ね備えた名品。上の永易さんのように、大小2つを組み合わせて使うのもオススメだ。iM2300(上)20リットル。W46.2 × H35.3 × D17cm。5万2349円。iM2720(下)61リットル 。W62.5 × H50 ×D29.7cm。9万9132円(ペリカン ディーラー)
※表示価格は税込み
[ビギン2025年6月号の記事を再構成]スタッフクレジットは本誌をご覧ください。