ジメジメする今だから“男のスメハラ対策”[第1回 体臭編]
梅雨入りしたこの時季に気になるのが、エレベーターや電車内に立ち込める嫌なニオイ。まさか、自分の体臭では?と鼻先をワキや胸元に向けることもあるでしょう。スメハラ(スメル・ハラスメント)という言葉が、新聞やニュースで取り上げられるようになってきた現在、もはやニオイ対策は身だしなみの最重要項目。今回はそんな男のニオイを正しく理解し、適切に対処すべく、マンダム広報部・五嶋さんにお話を伺ってきました。
社会人のニオイケアはもはや常識
「女性の社会進出とともに、男性の身だしなみへの関心が高まっています。なかでも特に気をつけるべきは体臭。最近ではオトコ臭、毛穴臭、寝起き臭なんていう新語が聞かれるほど、ニオイへの意識が高まっています。以前は“オヤジ臭”と大雑把に呼ばれていた男性の体臭ですが、実際に研究することで、ニオイには年代によって異なる種類があることが判明しました」
(2017年5月:マンダム調べ)
マンダム広報部 主任 五嶋善晃さん
体臭が発生するメカニズムを知る
「体臭の原因となるのは、“2種類の汗”、“2種類の皮脂”、“皮膚に住む細菌”という3つの要素です。エクリン汗は運動したときに出るサラッとした汗で、アポクリン汗は緊張したときに出るドロッとした汗のこと。皮脂腺から出る皮脂とは、鼻先をギュッとつまんだときにニュルッと出てくる白い脂のことで、角質層の中にある脂質とは手垢や耳垢などに含まれる脂質のこと。汗や皮脂それ自体は無臭なのですが、皮膚常在細菌が汗や皮脂をエサとして食べて排出する=代謝や、皮脂が酸化することによってニオイが発生するのです」
主にワキから発する汗臭について
体の部位で最も蒸れやすく、1億個以上の細菌が住んでいるのがワキ。アポクリン汗腺から出る汗、皮脂腺があり、垢も出るためニオイの元となる材料がすべて揃っています。さらに細菌が好む環境のため、あの酸っぱくてスパイシーな嫌なニオイが発生しやすいのです。
ニオイのパターンと発生する部位の違い
このように部位によってニオイの原因となる材料が違うから、ニオイの種類も違うのです。逆に体幹にはほとんどアポクリン汗腺がないので、ワキ臭のようなニオイは発生しません。
汗臭とはニオイも仕組みも異なる加齢臭
お年寄り特有の“枯れ草や古い畳のようなニオイ”は、皮脂の中に含まれるパルミトレイン酸が空気に触れて酸化し、ニオイの原因成分2-ノネナールが発生することが原因。
「加齢臭と呼ばれる中高年特有のニオイですが、いわゆる汗臭さとは明確に区別できます。汗や皮脂が細菌によってニオイを発するのとは、仕組みも違うのです。しかし、この加齢臭の原因である2-ノネナールが増えるのは50代以降で、30代と40代ではほとんど発生しません」
臭気判定士による研究からの新発見!
「それでは、汗臭でも加齢臭でもない、30代・40代特有の嫌なニオイは何だろうということから研究がスタートしました。さまざまな男性のニオイを臭気判定士が嗅ぎ分け、サンプリングして分かったことは、30、40代男性の特有の嫌なニオイは、頭頂部と後頭部に集中していることでした。そして、使い古した油のようなニオイの成分が“ジアセチル”という物質であることを突き止めました。特に30代・40代というミドル男性において顕著であることから、マンダムではこのニオイを“ミドル脂臭”と名付けました」
ミドル脂臭が発生するメカニズムは複雑
エクリン汗腺から出る汗の乳酸を皮膚の常在細菌が代謝することで“ジアセチル”が発生し、皮脂腺から出る皮脂を常在細菌が代謝することで中鎖脂肪酸が発生します。この2つの物質が混じり合ったニオイがミドル脂臭なのです。
微量でも臭う厄介なジアセチル
「このジアセチルの特性として、微量でも臭いやすく、拡散しやすいことが挙げられます。酢のニオイを基準とすると、その120倍も感知しやすいニオイなのです。このジアチセルを原因とするミドル脂臭は皮脂に蓄積されます。20代でもジアチセルは微量に発生しますが、皮脂の粘性が低いのでニオイが残りにくいです。一方で30代、40代の皮脂は粘性が高く、洗っても落ちにくいためニオイが残ってしまうのです。また、いつも同じニオイを嗅いで鼻が慣れてしまう“馴化(じゅんか)”という現象が起きると、自分のニオイに鈍感になってしまいがちです。女性がミドル脂臭に敏感に反応するのはそのためとも言えます」
五嶋さんが手にした瓶の中には、人工的に生成したミドル脂臭のサンプルが! このサンプルに少し鼻を近づけるだけで、あの使い古した油のような嫌なニオイが確認できた。
日本人男性の体臭は3つに大別できる
このように体臭は、20代に顕著な汗臭(ワキに集中)、30代後半〜50代前半まで顕著なミドル脂臭(後頭部に集中)、50代以降に顕著な加齢臭(体幹に集中)という3つがあります。しかも、3つのニオイが混在する30代後半から40代は、最も体臭に気を付けるべき世代なのです。
ミドル脂臭対応シャンプーで二度洗い
「ミドル脂臭対策として効果的なのが、専用シャンプーで後頭部やうなじの周辺をしっかり洗うことです。二度洗い、合計3分を目安に、塗りつぶすように頭皮の汗と皮脂をしっかり落とすことが重要です。ルシードのミドル脂臭対策シャンプーは、殺菌成分配合でニオイの発生を防ぎ、植物由来のフラボノミックスと緑茶エキスを配合して、健やかな頭皮環境を整え、フケ・かゆみを防ぎます」
外出先ではデオペーパーが効果的
「毎日のシャンプーによるケアと同時に、体と頭皮を拭き取るペーパー等を使ったケアが効果的です。外出先でもミドル脂臭が発生しやすい後頭部はもちろん、気になる部位のすべてに使用できます。こちらも植物フラボノミックスなどを含んだ液がたっぷり含まれており、汗ばむこの時期には冷却感が持続するアイスタイプがおすすめです」
複合臭にはそれぞれのケアを徹底する
「生活の中の様々なニオイは、ニオイの原因それぞれに対処する必要があります。まずはミドル脂臭対策をしっかり行ったうえで、衣類用消臭スプレーや、ニオイの付着を防ぐ効果のある洗剤を利用することが大切です」
ニオイ対策は今すぐ簡単にできる!
スメハラ男なんて呼ばれないよう、ニオイ対策をしっかりすることは、もはや時代の要請でもあるのです。他人への気遣いであると同時に、清潔に過ごすことは自分にとっても気持ちいいこと。その代表的な対策の方法は、毎日のシャンプーとペーパー。臭わない男になるのは意外と簡単なのです。
編集部がおすすめする
男のスメハラ対策アイテム
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写真/久保田彩子 構成・文/川瀬拓郎 取材協力/マンダム