特集・連載
“通しか知らない”をサクッと学ぶ[10minutes ヴィンテージ]
「年々タマ数↓金額↑になりつつあるコーデュロイ界の501です」
10minutes VINTAGE ヴィンテージ=難しい? ノンノンノン♪ 通しか知らない名品も、目印を頼ればビギナーでも簡単に発掘できちゃうんです。その道のプロが、目指すべきターゲットと、その判別テクをサクッとレクチャー。10分後はあなたもヴィンテージ通! この記事は特集・連載「10minutes VINTAGE」#21です。
リーバイスの519
TEACHER:ドラセナ 店長兼バイヤー 高橋雄次さん
ヴィンテージ市場において、最もディープ&ワイドな世界を構築しているのが、王者リーバイス。今さら説明不要ですが、代名詞であるデニム地以外のアイテムにも、通から愛され続ける名品がタ〜ップリ揃ってます。
とくに、定番好きを自称するなら絶っ対に知っとくべきなのが、この“519”。「’60年代から登場したと言われている隠れ名品。もちろんデニム地でも作られてるんですが、519と言ったら、やっぱりコーデュロイ! ヴィンテージ市場でも長年人気が絶えないど定番として浸透している、言わばコーデュロイ界の501的存在なんです」。
コッテコテのアメカジにならないところが、519信者の多い理由だそうで、「スリムストレートシルエットや、アーキュエットステッチを省略した尻ポケなど、ワークというよりクリーンな方向性で製作されているのが特徴。」
「ヴィンテージ市場では主に’80年代〜’90年代の519が流通しているんですが、近年ジワジワと需要と供給のバランスが崩れ、価格が上昇傾向に。コーデュロイパンツの永世定番が欲しいって人は、今のうちに押さえておくことをオススメします」。
今ならたいてい1万円前後で入手可能ですが、プレミア化は確実。10年後を見据えて青田買いしとくべし!
リーバイスの519コーデュロイパンツ
不動の名品501に比べて、全体的に程よく細身で、膝から裾に向かって真っ直ぐ落ちたシルエットが、キレイめラバーから支持される所以。穿き込んでいくと、デニムとはまた趣の異なるアタリが出るのもコーデュロイの旨み。こちらは値上がり必至な1990年代のメイド・イン・USA。7400円(ドラセナ)
アーキュエットステッチを省略した上品尻ポケ
リーバイスのコーデュロイは美色パラダイス!!
攻めぎみの明色でも不思議と品よ~く見せてくれるコーデュロイの利点を活かしてか、リーバイスは色物に見えない色物を豊富にラインナップ!
左からNAVY、LT.BLUE、PURPLE、GRAY
デニムじゃお目にかかれない珍色&美色が多いのも、コーデュロイ519が愛される理由のひとつ。穿き込んだ後の色の褪せ方もめちゃくちゃ渋イイ! 右/7400円、中右/7400円、中左/7400円、左/7900円(ドラセナ)
ドラセナ 店長兼バイヤー
高橋雄次さん
王道のアメカジに強い吉祥寺の名店で買い付けを担当。お宝を見極める審美眼を持ち、北米まで足を運んでバイイングする敏腕店長。
[ビギン2020年12月号の記事を再構成]写真/上野 敦(プルミエジュアン)文/黒澤正人