GMT 横瀬秀明さんの俺的名作時計
【セイコー】キネティック クロノグラフ
スイスの名門勢の機械式もいくつか持っていますが、一番着用してきたのがこの“4つ目キネティック”です。今のスプリングドライブのルーツとなる、自動巻きとクォーツのイイとこ取りしたムーブメントや、何よりポルシェのメーターパネルを思わせるデザインを気に入っています。
でまた、クロノグラフの動きが痺れる。スタートボタンを押すと9時位置の10分の1秒計がビュンビュン回りだし、リセットボタンで全ての積算計の針が真上を向いてピタッと整列。その精密なメカニカル感もいかにも日本らしくてたまらない。
じつはこの時計を買ったのは、ビギンがきっかけ。“時計は機械式だけじゃないぞ”なんて熱のある文章で煽ってくれまして(笑)。たちまち欲しくなりアチコチ電話をかけましたが、1000本限定ということでどこも予約完売。でも一店だけ奇跡的にキャンセル待ちが実って買えたんです。
おかげさまで大満足です。仕事柄、海外によく行くのですが、とくにイタリアでは食いつきがすごく、ずいぶんといいカンバセーションツールになってくれました。
20年以上ハードに使ってきて一度も故障しないのも驚き。精度は持っている時計の中でいまだダントツだし、ブレスレットのガタつきも全然ない。こういう時計としての本質がしっかりしているのはさすがセイコーだなと。
じつはいまグランドセイコーも気になっているんですが、まだまだコイツには現役で頑張ってもらいますよ。
セイコー
キネティック クロノグラフ スポーチュラ SBCG001
1999年に突如誕生し、僅か数年で絶版となった通称“4つ目キネティック”シリーズ。横瀬さん所有モデルはサードモデルにあたり、2000年に発売。当時の発売価格は25万円だった。最もデザイン的完成度が高いとされ、今も探しているファンが多い幻の名作だ。
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愛車ポルシェ 911カレラのメーターに通じる、独立多眼式デザインに痺れる
GMT代表
横瀬秀明さん
94年にGMTを創業。トリッカーズなど名靴ブランドのインポートを行う。なお同社では勤続10年の社員に高級時計を贈るのが伝統!
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[ビギン2023年8月号の記事を再構成]スタッフクレジットは本誌をご覧ください。