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M-65 1stフィールドジャケット

エポレットなしのM-65
TEACHER:フーパードゥー 代表 杉浦秀治さん

数あるミリタリーもののなかでも、傑作と謳われるM-65 フィールドジャケット。これまで数え切れないほど多くのブランドが、この米国生まれの名品を元ネタにしたアウターをリリースしてますが、ヴィンテージ市場においてもその人気は不動。

とくに服好きがこぞって奪い合っているのが、通称“ファースト”と呼ばれる最初期モデルです。杉浦さん曰く、「M-65はM-43やM-51の系譜を継ぐ、言わばフィールドジャケットの完成形。」

「1965年に米軍に納入されて以来、何度かマイナーチェンジを加えながら40年近くにわたって実戦投入されてきた名品中の名品なんですが、面白いのは’65~’66年半ばまでに作られたM-65だけエポレットが省略されていること。」

M-65 1stフィールドジャケット
ミリタリー風味控えめだからとっつきやすい

「理由は不明なんですが、’66年半ば以降にエポレットが復活していることから、わずか1年しか作られていないと推測されています」。

杉浦さんがこれまで1200着以上海外でバイイングしてきて、わずか30着程度しか見つけられなかったという、まさに幻の逸品。

「ですがその希少価値だけじゃなく、エポレットがないぶんミリタリー色が控えめになってるところもファーストの魅力。街着として使いやすいからビギナーの入門ヴィンテージとしても最適なんです」

M-65 1stフィールドジャケット

M-65 1stフィールドジャケット

1965年から40年近くも米軍に納入されていたミリタリーの永世定番。フロントに4つのポケットを備えたアイコニックなデザインは、数々のブランドから元ネタとされている。初年度に作られたファーストモデルはエポレットが採用されておらず、希少性も汎用性もすこぶる高し! 1万4800円(フーパードゥー)

コンマー社のアルミジップも目印

M-65 1stフィールドジャケット

5分で暗記できる
歴代M-65[判別講座]

ビミョ〜に仕様を変更しながら長らく生産されてきたM-65。ここでは代表的な4世代モデルまでの変遷をレクチャー!

M-65 field jacket《2nd》

M-65 field jacket 2nd

 

アルミジップとエポレットが目印

M-65 field jacket 2nd

M-65の誕生から約1年後の1966年中ごろから1971年ごろにかけて作られていたのが第2世代。アルミ製のジップが使われているなど、仕様はファーストとほぼ同じだが、エポレットが復活したぶん、よりミリタリー然とした顔つきに。1万2800円(フーパードゥー)

超絶レアなグレーライニング

M-65 field jacket 2nd

通常は身生地とライニングは同色だが、’68年製のものはまれにグレーのライニングを装備。“グレライ”などと呼ばれる希少品だ。

M-65 field jacket《3nd》

M-65 field jacket 3nd

 

渋〜い表情のブラスジップへとチェンジ

M-65 field jacket 3nd

1972年ごろから1980年代半ばまで作られていたのが第3世代。この頃になると、シルバーカラーのアルミジップからブロンズカラーのブラス(真鍮)ジップへと変更される。渋みが増した顔つきにファンも多い。ジップのメーカーは多数存在。9800円(フーパードゥー)

M-65 field jacket《4th》

M-65 field jacket 4th

 

プラスチック製のジップに変更

M-65 field jacket

1980年代半ばから1990年代前半まで作られていたのが第4世代。身生地と同じオリーブカラーのプラスチックジップに変更されているのが特徴だ。この第4世代以降はオリーブボディのM-65は生産されず、カモフラ柄のM-65へと移行していく。(参考商品)

フーパードゥー 代表 杉浦秀治さん

フーパードゥー 代表
杉浦秀治さん

千葉県にある人気古着店のボス。軍モノに明るく、これまで1200着以上のM-65を買い付け&販売し、膨大な知識を誇るM-65通だ。

 


[ビギン2020年2月号の記事を再構成]写真/上野 敦(プルミエジュアン) 文/黒澤正人

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