編集部員が見つけたネクストBeginブランドをディグ![IT'S NEW BRAND]
カリスマが導き出したイン⇄アウトTの理想形
定番もいいけど、次なるスタンダードにも敏感でいたい。ここでは編集部員が自信をもってオススメする、期待の新星を深掘りしていきます!
日本のモノ作りにセンスをプラス
FYNELYNE engineered by LIFiLL
[ファインライン エンジニアド バイ リフィル]
肌と衣服の間を取り持つ、心地のいい生活に欠かせない“肌着”。ないがしろにはしたくない、でもつい疎かにしてしまいがちな存在ですよね。今季誕生した「ファインライン エンジニアドバイ リフィル」は、そんな誰もが途方に暮れる終わりなき肌着探しの旅に終止符を打つ存在になるかもしれません。
日本屈指のニットの聖地、和歌山県北部で「COTTONY(コットニー)」は作られます。米国産の超長綿、スーピマコットンを甘くソフトに撚った糸を使い、旧式の編み機でゆっくりとゆっくりと。その風合いは、油分の多さも手伝ってコットン100%とは思えないとろみ感と吸い付くようなしなやかさ。
まさに肌着向きの生地に仕上がるんですね。そのテキスタイルに惚れ込んだのがディレクターの金子さん。
「他とは一線を画すとろみ感に衝撃を受けました。かといって超高級でも華美でもなく、カットソー生地としての普遍性も保っている。いつか男性向けのアンダーウェアを作ってみたいと思っていた私にとって、これ以上ない出会いでした」。
COTTNYをベースに、今作では金肌子さんの理想をさらに追求したといいます。
「本来のクオリティはキープしたまま、肌着にふさわしくできるだけ薄く作ってもらいました。生地のプロフェッショナルたちと試行錯誤を繰り返して完成した、軽くしっとりした生地は、“feather”という名に」
シルエットやディテールも理想が追求されています。肌着という位置づけながらタイトすぎずユルすぎず、一枚でも着てもサマになるように配慮がなされ、通常フライスと呼ばれるリブが使われるネック部分はボディと同じ天竺生地に。
「欧州のTシャツにはまれに見られる仕様で、洗うたびに縮んで元に戻るからヨレてだらしなく見えないんです。あと、ネック部分って“体とTシャツの中心を合わせるモノ”じゃないですか。だから少し詰まりぎみに設計。しっかり中心を決めてくれるからズレにくく、動いたり重ね着したりしてもすごく快適なんですよ」
風合いは素朴でシルエットはタイトぎみ、ネックが伸びてしまったら買い替えるモノ。そんなよくも悪くも完成された“肌着”のイメージを覆すカリスマの理想形は、アンダーウェアに何らかのストレスを抱えている人なら一度は試してみるべき一枚、そう評させていただきたいと思います。
クリエイティブ・ディレクター
金子恵治さん
レショップのコンセプターでオリジナルレーベル「LE」の人気は誰もが知るところ。理想といえる肌着がなかったことから今回の協業が実現した。
FYNELYNE engineered by LIFiLL
[ファインライン エンジニアド バイ リフィル]
コットニー ショートスリーブ クルーネック
優れた技術を持つ生地メーカーが2021年にスタートした「リフィル」と金子氏の協業で誕生。パターンは1mm単位で調整され、生地からディテールに至るまで、細部にわたってこだわりが反映されている。Tシャツの他、ロングスリーブやタンクトップ、モック&タートルネックなども揃う。7700円(リフィル)
ネック部分も洗濯すれば元通り♪なボディと同じ天竺生地
※表示価格は税込み
[ビギン2023年8月号の記事を再構成]スタッフクレジットは本誌をご覧ください。