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今回のご初回するのは、「ほめほめノート」発起人の牧野さん。育児をしている中で気が付いた「褒めること」の大切さと、実体験を元におとなのためのマインドケアノートを開発しました。後半では、実際に取り扱いされている場にお伺いして、どんな思いで販売されているのか。また、同商品の開発秘話をご紹介します。

前編はこちら

今回のビギニン

GOOD&SHARE代表 牧野彰邦(まきの・てるくに)さん

1985年福井県生まれ。二児の父。食品メーカー営業職などを経て、2019年に「家庭と仕事の両立」のため、起業を決意。GOOD&SHAREを立ち上げる。「まいにち、家族と夕ごはんを食べる」ことがモットーであり、しあわせです。

Struggle:
生真面目ゆえに、テスト→分析→家族にプレゼン⁉

日常に起こった何気ない出来事を書き留めていくだけで、10項目ぐらいはすぐに埋まってしまう。

転職活動中に気持ちが塞ぎ込んでしまい、あるコーチからの「自分をほめる」アドバイスを1ヶ月続けると自信になり、この経験を商品化することで起業したいと考えた牧野さん。そこで、この経験が、実は、独りよがりになってないか? 自分以外にも通用するのかを確かめたくて、まずは、友人などに頼んでテストをしてみることに。

「商品化に向けて、まずは、知り合いの男女3人に声をかけて、モニターになってもらう作業を始めていきました。実際に『ほめほめノート』のテスト版を体験、実感してもらい、3人で作ったLINEグループの中で、生の意見を交換しあってもらいました。コンテンツをブラッシュアップしていき、どうすれば使ったもらいやすくなるのかなど、色々と模索する日々が続きました」

試作途中だったという「ほめほめノート」のプロトタイプを見せてくれた。

コンテンツがあらかた固まってきた段階で、家族に最終プレゼン。ソフトが固まると、次は、商品化に向けて、ハード作りへと作業を進めていきました。

初めての紙選びと製本

「ほめほめノートを作るにあたって、最も悩んだものの一つが製本方法でした。利便性やデザイン性を優先すると予算が合わなくなってしまうし、バランスが非常に難しかったことを覚えています。最初、数時間ググる→業者さんを探す→見積もりをもらう→予算が合わない→ふりだしに戻る。みたいな終わりの見えないループに途方に暮れていたり。それでも何とか、紙選び、製本方法の選定、業者さん探し、デザイン、編集、校正など、経験も知識もない全くの素人でしたが、本やネット、人に聞いたことを参考にしながら、印刷、製本業者さんとコミュニケーションをとっていきました。ちなみに、表紙は20種類ぐらい、紙のサンプルを購入してきて、自ら手製本して感触を確かめてサンプルを商品に落とし込んで作り上げました。是非、手にとって感触を確かめていただきたいと思います」

転職活動に追われ、気持ち的にも焦りが先行していたはずの2019年当時。ノートに書き記した内容を振り返り、「こんなこと書いていたっけな」と思わず笑みが。

「自分のペースで働けているときって、仕事に追われているという感覚があまりなくて、仕事をしている時間そのものを楽しめていると感じます。僕の場合、自分が楽しく仕事に向き合えるということを何より大事に考えているので、正直お仕事も「自分が楽しくやれそうか」という基準が大いにあります。家族との時間も大切にできていますし、それもあって、今はこれまでの人生の中で一番仕事を楽しめているなと思います」

先の見えない作業に打ち込んでいた当時のことを考えると、今は本当に心が穏やかに暮らせているという牧野さん。

「お陰様で、商品も順調に支持されていて、2020年の発売以来これまでに累計1万部を売り上げるまでに成長しています。お客様は、1〜2割がリピーターの方々で、8割強が女性です。ありがたいことに、すでに15冊もリピート購入してくださっているお客様もいらっしゃるほど。購入していただいた方々の“気持ちの底上げ”、そのためのきっかけになってくれているようで、とても嬉しく思います」

Reach:
地域の書店にも支持される「ポジティブな」プロダクト

今回、取材させていただいたのは小田原にある、選書にこだわった小さな本屋さん「南十字」。2022年にオープンした建物は、築100年以上続いた老舗の「桶屋」だった建物をリノベーションしたもの。新刊や古本をはじめ、ZINEの販売、カフェスペースでのコーヒーやお菓子のほかにも、夜は本を読みながらお酒を楽しむことができるとあって、仕事帰りに立ち寄る地元の人も増えているのだそう。当日、取材に応じてくれた剣持貴志さんにオープンのきっかけをうかがいました。

「そもそものきっかけは、ひとり出版社『風鯨(ふうげい)社』を営む鈴木美咲さんが、ブックカフェを立ち上げようということで、西湘高校時代の友人である成川勇也くんと僕に声をかけたことでした。成川くんも私も、それぞれ別の仕事もしながら3人交互に店頭に立って接客にあたっています」

小田原で育った3人の若者が、地元で本屋を営むことになるとは、何ともロマンあふれる素敵な話です。

「南十字」店内の様子。子どもから大人まで幅広い本が並ぶ。大型書店とは違い、わかりやすくジャンル分けはされていないが、興味のそそる選書が地域に愛される理由。Zine作家の中では、とても有名な書店の一つだ。

 

「小田原で子育てをする中で、面白い本屋が自分のまちにもあればと思うようになりました。もちろん収益も意識してはいますが、今は3人で楽しく店を続けていけることが大切だと思っています。本屋ではたくさんの人との出会いも生まれますし、お金だけではない価値も大きいですからね」

レジ棚には牧野さんの「ほめほめノート」と「ほめほめカード」が販売されています。これも本屋をはじめたがゆえに出会えた商品だったという剣持さん。

 

「人は多かれ少なかれ『誰かに認められたい』という思いを抱いているものです。褒められれば嬉しいですし、喜ばれればもっと頑張ろうとやる気が出てきますよね。それが、大人になり社会的立場が変わるにつれて、褒めてもらえる場面はどんどん少なくなるもの。それでもやはり、人は歳を重ねても褒めてもらいたい生き物なんです!『大人同士でも、もっと気軽に褒め合うような文化があればいいのにな』と常々考えている中で、牧野さんの『ほめほめノート』『ほめほめカード』の存在をSNS上で知りました。これは是非、お店に置いて、皆さんにも使っていただきたいとの思いから、SNSでコンタクトを取らせていただいたことをきっかけに、商品を取り扱わせていただくことになリました」

活版印刷特有の温かみと、くっきりとした印字の上品さが、カードに込めた真心を際立たせてくれます。ほめほめカード1枚には、封筒1枚と書き方の説明書が同封されて440円。

身近な人へのちょっとしたギフトに添えてみたり、家族とのコミュニケーションツールとして人気なのがこちらの「ほめほめカード」。

「顔を見たら照れくさくて言えないことでも、カードにだったら意外とすらすら書けるものなんです。私もこのカードは家族でシェアさせていただいています。自分も家族に褒めてもらいたい時もありますしね()」と剣持さん。

 

 

「商品を取り扱っていただくきっかけは、SNSを通してでしたが、実は、オープン当初、ネット上でこちらのお店がオープンするという情報を知り、開店後まもなく、こちらにお邪魔していました。豊富な雑誌や書籍をそろえる大型書店とは違って、厳選された本を、一冊一冊じっくりと味わうことができる、とても落ち着く空間です。ここにはオープンから何度か訪れていて、最長で2時間以上滞在していた時もありました。今、私が一番、信頼している書店の一つです」

「その日できたことや、自分のいいところ、持っているものなど、110個ずつ自分のことをほめるためのページが30日分用意されているからといって、何も毎日書き綴らなくても良いと思います。自分で自分に向き合いたいタイミングで、自分を褒めてあげてください。ルールなど、何も存在しませんので、昨日と同じことをほめてもOKです、縛られることなく、自由に書いてみてください」

取材後も数時間「南十字」に残り、本を眺めながら自分の時間を楽しんでいました。

今後は、イベントやセミナーをはじめ、個人冊子「ZINE」での制作を控えるなど、精力的に活動の幅を広げていきたいという牧野さん。

「買っていただくのは、もちろんありがたいことですが、それ以上に、お客様からお喜びの声をいただけることが一番嬉しいです。作ってよかった、活動を続けていてよかったと思えます。今後も、このノートを通じて、みんながもっと、気軽にほめたり、ほめられたりするような社会になるよう貢献できたらいいなと思っています。」

 

ほめほめノート
1日10個ずつ、自分のことをほめるためのノート。30日分用意されており、その日できたことや、自分のいいところ、持っているものなど、自由に書くことができます。ノートには、節目ごとにチェックポイントを設けてあり、「3日目」「10日目」「20日目」「30日目」を書き終えた方に向けて、メッセージが用意されています。ノートは、180度に開く、糸かがり製本を採用することで、ページを手で押さておく必要がないため、ストレスなく書くことができます。さらに、角丸加工が施されており、カドが潰れてしまう心配もなく、丈夫で長期保存にも適しています。B6サイズ (厚さ4mm)、全48頁。全3色(プラチナホワイト、ロイヤルブルー、キャメル)。各1320

(問)GOOD&SHARE https://goodandshare.com/homehomenote/


※表示価格は税込み
取材・文/伊澤一臣 撮影/椙本裕子

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