ダイバーズらしい無骨さにモダン味を添加したデザインも秀逸です
ビジネスやトラベルのグローバル化が進むにつれ、時計にワールドタイム機能(世界各地の時差を表示する機能)がいっそう求められるようになってきました。GMT機能(第2時刻を示す専用針、すなわちGMT針が文字盤外周の24時間目盛りを指し示す機構。リューズの簡単な操作で調整できる)もそうしたワールドタイム機構の一種で、これを併載するモデルも多く目にするようになりました。
ところでダイバーズにGMT機能が備わっていると、各国のダイビングスポットを訪れる機会が多いダイバーたちのメリットになるはずですが、これを併載するダイバーズとなると、じつはさほど多くはありません。そうしたなか、スポーツ&アウトドアシーンに対応する本格機能ウォッチのブランド、セイコー プロスペックス(SEIKO PROSPEX)は今年(2023年)2月、セイコー初のGMT機能併載ダイバーズとなる「ダイバー スキューバ」の新作3モデルをリリースしました(詳細は下記参照)。それはソーラー充電のクォーツモデルでしたが、来たる6月9日、同じくGMT機能を搭載する自動巻きダイバーズを発売するのです。
その「1968メカニカルダイバーズ 現代デザイン GMT」は、モデル名からもわかるとおり、国産初のダイバーズを世に送り出したセイコーが、その3年後の1968年に発売した、当時、世界最高水準のハイビートムーブメントを搭載したプロフェッショナルダイバーズのデザインを継承しつつ、よりモダン顔にアップデートが図られたモデルとなります。今回、これに搭載されるキャリバー「6R54」はGMT機能の付帯とともに、約72時間のロングパワーリザーブも併せ持つ新ムーブメントです。72時間はまるまる3日間ということになりますから、金曜の夜に帰宅して腕時計を外し、翌週月曜朝の出勤までいっさい装着せずとも、余裕で動き続けてくれるワケで、これはとても助かります。
本モデルは典型的なダイバーズデザインではありますが、あえてガードを廃したリューズを4時位置に設けるなどし、さりげなく個性を主張。この無骨さとエレガンスが巧みに調和したデザインは、なかなかに秀逸です。世界各地の海でアクティビティを楽しんでいるダイバー、各国との取り引きや海外出張の多いビジネスマンなどにオススメなのはもちろん、「ダイバーズらしさがあって、でも、ちょっと個性があるタイプが欲しい!」という、そんな時計好きにもこれは狙い目でしょう!
左/搭載されているキャリバー「6R54」はGMT機能を備えつつ、3日間(約72時間)のロングパワーリザーブを実現した新開発の自動巻きムーブメントだ。GMT針の単独調整を可能にしたもので、自国の時刻(ホームタイム)はそのままに、第二時刻(ローカルタイム)のみを変更することができる。右/「1968 メカニカルダイバーズ 現代デザイン GMT」は、グリーン文字盤×グリーンベゼルの「SBEJ009」(トップ写真)、およびブラック文字盤×ブラックベゼルの「SBEJ011」の2色展開。スペックは本稿末尾を参照。
好評発売中のクォーツ・タイプも気になります!
本文でも触れた、こちらがセイコー初のGMT機能併載ダイバーズであるセイコー プロスペックス「ダイバー スキューバ」の新作3モデル。土俵のようなケース&ラグの形状や、十両以上の力士の髷(まげ)に見られる大銀杏(おおいちょう)を思わせる12時位置のインデックスなどから、海外のセイコー・ファンに「スモウ(SUMO)」の俗称が付された一連のモデル群の最新版として、今年2月10日に発売されたものだ。ソーラー充電クォーツ。200m潜水用防水。ケース径45mm。SSケース&ブレス。全3色(写真左から「SBPK001」「SBPK003」「SBPK005」)。各8万9100円。
“涼しい顔”してセイコー腕時計110周年記念限定モデルも同時発売!
この「セイコー プロスペックス ダイバースキューバ Save the Ocean」は海洋保護活動を支援する「Save the Ocean」シリーズの最新作にして、セイコーが日本初の国産腕時計「ローレル」の発売(1913年)から今年が110周年であることを記念する限定モデル。グレーカラーのセラミックベゼルに囲まれた、清涼感たっぷりのアイスブルー文字盤は、立体的な型打ち模様により、氷河の雄大なる情景を表現したものだ。また、バンドは標準装備のメタルブレスレットに加え、ペットボトル再生原料100%を使い、製紐(せいちゅう/糸を右回りと左回りに交差させつつ螺旋状に組ませて、伸縮性のあるヒモを作ること)のうち、複数色の糸を織り混ぜる日本伝統の技法で作られたダイバーズ用ファブリックストラップが付属する(写真)。なお、基本スペックはレギュラーモデルとして展開される「1968メカニカルダイバーズ 現代デザイン GMT」(本文など参照)とほぼ同じで、発売も同日(2023年6月9日予定)だ。品番「SBEJ013」。世界限定4000本(うち国内700本)。23万1000円。
「1968メカニカルダイバーズ 現代デザイン GMT」
駆動方式:自動巻き(手巻き付き)
ムーブメント:Cal.6R54
パワーリザーブ:約72時間
防水性能:200m空気潜水用防水
ケース径:42mm
ケース&バンド素材:ステンレススチール(ダイヤシールド加工)
ベゼル素材:高耐傷性セラミック
文字盤カラー(品番):ブラック(SBEJ011)、グリーン(SBEJ009)の2色展開
発売年月日:2023年6月9日予定
価格:各20万9000円
問い合わせ先/セイコーウオッチお客様相談室 ☎ 0120-061-012
https://www.seikowatches.com/jp-ja/products/prospex/
※表示価格は税込み
文/山田純貴