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DISM PLUS ディズム プラスの薬用クリームと薬用セラム

SNSやリモートで自分の容姿を目にする機会が増えた昨今、男性も美容意識が高まり、ここ数年間でメンズスキンケア市場は大きく進化を遂げています。化粧水、乳液、美容液など、数多のブランドから次々と新製品が発売される一方、どこがどう違うのか戸惑いを感じている諸氏も多いのではないでしょうか。実は、一般的なスキンケアで使われる基礎化粧品は薬機法という法律で2つに分けられています。

まずは「化粧品」。名前の通り皮膚を洗浄したり美しく見せることが目的で薬効はありません。たとえば「うるおいを与える」と書かれていたら、肌に成分が付着している間は保湿されますが、洗い流せば効果はなくなります。

続いて「医薬部外品」。こちらは商品名に「薬用」という言葉を使うことができ、厚生労働省が承認した有効成分を一定濃度含有してます。そのおかげで、医薬品ほど強くはないものの予防や改善効果が期待できます。

今回紹介する「DISM PLUS」の薬用クリームと薬用セラムは、日本で初めて「皮膚水分保持能の改善」が認められた成分「ライスパワーNo.11」を配合しています。塗れば潤うのはもちろん、表皮深くへ浸透し、角質層を健全化。続けて使うと肌が本来持つ力で水分を保つようになる、唯一の薬用メンズスキンケアシリーズなのです。

様々なスキンケア成分があるなか、皮膚水分保持能の改善が認められているのはライスパワーNo.11だけ。しかも、それを生み出したのが化粧品メーカーではなく、香川県にある造り酒屋だったということから今回のビギニンは始まります。

勇心酒造

現在、勇心酒造があるのは、田園地帯に囲まれた香川県綾川町。34年前にこの地に移転した。

今回のビギニン

勇心酒造株式会社研究開発部部長 松野孝祐さん

松野孝祐さん

1978年、香川県高松市出身。勇心酒造株式会社研究開発部部長。大学時代は東京で酵母の生物学を研究。入社19年目の現在は、皮膚科学をメインにライスパワーエキスシリーズの研究開発に携わる。二児のパパで趣味はゴルフ。アンダー100の腕前ですが、今は子育てでお休み中だそう。

Idea:
「お米には秘められた力がある」5代目の直感が現実に

勇心酒造

右手に並ぶ建物の内部が発酵室で、ライスパワーエキスを作るタンクがある。

勇心酒造は1854年、瀬戸内海に面した現在の宇多津町で誕生しました。創業以来、地域に愛される日本酒を造り続けてきましたが、1972年、現社長である五代目の徳山孝さんが家業を引き継ぐと新素材の開発へ舵を切ります。そこには「お米には知られざる力がある」という徳山さんの直感がありました。

徳山孝さんは東北大学から東大大学院へ進み、酒造りと関係が深い生物科学を研究。そこで古来から続く日本酒の発酵技術と、西洋科学が融合する「日本型バイオ」の着想を得ます。西洋型バイオがいわば遺伝子を直接操作するものだとしたら、日本型バイオは、日本酒を生む発酵にあるような乳酸菌・麹菌・酵母菌が織りなす世界を総体としてコントロールする技法。西洋科学とは根本的に発想が異なります。徳山さんは、1000年以上にわたるトライアンドエラーの集積が伝承された技術体系である日本酒の醸造発酵に、分子レベルで生命現象を解き明かす最新バイオサイエンスの科学的アプローチを加えることで、数十年かけて独自の日本型バイオを創出していきます。その結実が”お米の秘めたる力”を具現化した機能性素材「ライスパワーエキス」です。

勇心酒造 ライスパワーエキス

勇心酒造独自の「日本型バイオ」によって生み出されるライスパワーエキス。現在13種類が実用化されており、それぞれ異なる効果・効能を持つ。

「研究開発部の松野です。大学では酵母の生物学を学び、現在は皮膚科学の研究と開発全体に目を通しています。ライスパワーエキスシリーズの特徴は、”お米と微生物の組み合わせによって発現する効果が異なる”点にあります。ライスパワーエキスとして最初に開発された入浴剤用のエキス──今は発展し『No.1-D』として商品化されておりますが、こちらは日本酒風呂にヒントを得た社長の徳山が、お米の持つ皮膚を健やかに保つ作用、これを更に高めるベストミックスはどれだろうと1000通り以上の発酵パターンを試行錯誤してたどり着いたものでした」

勇心酒造株式会社研究開発部部長 松野孝祐さん

「弊社ではライスパワーエキス、お酒作りも社員自らやっています」と語る松野さん。

勇心酒造はその後も新素材の開発を続け、乾燥肌に効果のあるエキスを発見します。アトピー性皮膚炎の急増が社会問題化してきた時代で、徳山社長はこのエキスを発展させてアトピー性皮膚炎で苦しむ人たちの役に立てないかと考えました。

「新素材開発にあたっては徳島大学医学部との共同研究という形をとり基礎試験に着手しました。発見したエキスを徳島大学へ運び臨床実験を行い、その結果を元に改良を加える。そういった作業を繰り返していたところ、皮膚の深層部へ浸透し、肌の水分保持力を改善するエキスが生まれたんです。早速、臨床試験でアトピー性皮膚炎の患者の方にエキスを配合したクリームを毎日塗ってもらったところ、4週間後には水分保持能(水分を保持する能力のこと)が健常な皮膚を上回るほどになりました」

このエキスは、ライスパワーエキス研究開始から11番目に開発されたことから「ライスパワーNo.11」と名づけられました。その後の臨床試験で、ライスパワーNo.11には皮膚の水分を保つために必要なセラミドを増大させる効果が証明されます。

勇心酒造 ライスパワーエキスNo.11の原液

ライスパワーNo.11の原液。原料は日本酒と同じなので飲んでも問題なく、味は発酵特有の薄い醤油っぽい風味だそう。

「荒れた肌は表面がボロボロになりバリア機能を失っています。そのため内側から水分が逃げ、乾燥で敏感肌になったり、外部から刺激物質が侵入してアトピー性皮膚炎の発症にも繋がります」

普段、私達が目にしている肌は0.02mm(食品用ラップとほぼ同じ厚み)の角層という組織です。薄くて硬い角質細胞がレンガのごとく重なって壁を形成し、セラミドは柔らかいセメントのように隙間を埋め外部刺激や水分の蒸散を防いでいます。セラミドは加齢や紫外線、ダメージの蓄積などで新陳代謝が乱れると減少し、乾燥や弾力を失う原因となります。

勇心酒造株式会社研究開発部部長 松野孝祐さん

ライスパワーエキスを作る発酵室は、温度と湿度が一定に保たれている。

「皮膚の基底層で生み出された細胞は、分裂し形を変えながら少しづつ外側へ押し上げられ、表面の角層に到達すると垢として外へ排出されます。この一連のサイクルを”ターンオーバー”と呼びますが、ライスパワーNo.11は基底層へ浸透し、ターンオーバーを健全化する効果が認められました。肌の内側の細胞が正常に分裂するとセラミドの生成力も高まり、表面の角質層がきれいに整います。エキス自体にセラミドが含まれているわけではなく細胞そのものに働きかけるので、使用を止めても持続的な効果が期待できます」

勇心酒造のライスパワーエキスを作る発酵室

ライスパワーエキスはお酒を作るのと同じタンクで作られる。容量は1つ28トンで、全部で24機あるんだとか。ライスパワーNo.11は約90日間で完成する。

Trigger:
薬事法制定以降初めて新規効能として厚生労働省に認可される

肌本来の力をよみがえらせるライスパワーNo.11を医薬部外品の有効成分として医薬部外品の有効成分として認めてもらうため、勇心酒造は厚生労働省への申請に向けて動き出します。

勇心酒造株式会社研究開発部部長 松野孝祐さん

「薬事法制定後、薬用化粧品で新規効能が認可されたのは全部で5件、そのうち3つが勇心酒造によるものなんです」と松野さん。

「弊社は香川県の小さな酒蔵に過ぎません、お米を使ってこんなエキスができましたと言ってもなかなか伝わりにくい。広く信用していただくには公のお墨付きをもらうのが1番だと考え、医薬部外品の審査を受けることにしました」

しかし、これが一筋縄ではいきません。医薬部外品は薬機法(旧・薬事法)によって、効果・効能が細かく定められています。ライスパワーNo.11の「皮膚水分保持能の改善」という項目はなく、医薬部外品として認められるには、効果・効能に「水分保持能の改善」を新しく追加してもらう必要がありました。

「『新規効能取得』というルールがあるにはあるんですけれども、薬事法制定後、新しい効能が追加されたことはなかったんです。『ここになぜ酒屋さんが来るんですか?』ってところからのスタートでした」

当初は試験結果もなかなか信じてもらえず、共同研究者の徳島大学・荒瀬教授が有効性について様々な角度から分析を試み新たなデータを提出するなど、手探りの挑戦が続いたといいます。

勇心酒造株式会社研究開発部部長 松野孝祐さん

「ライスパワーエキスを分析すると1000種類以上の成分が見つかりました。申請時、どの成分が何に効くのか特定する必要があり、多様な成分からなる複合体が一つの成分という説明に最も時間を要しました」と当時の苦労を語る松野さん。

「どこの世界にも前例主義というものがあって、新しいことを認めてもらうには時間や労力がかかります。普通の化粧品会社は当然それをご存知で、まずこういう面倒なことをやろうという発想が浮かびません。弊社がなぜ試みたのかというと、一つは単純に怖いもの知らずだった。もう一つは、ライスパワーエキスを長年開発をしてきたなかで、これは本当に良いものだから認められて当然だ、という強い信念を持っていたからだと思います」

1995年、医薬部外品の申請を行ったライスパワーNo.11は、6年後の2001年に承認されます。それは薬事法制定後、初めて新しい効果効能が加えられた歴史的な瞬間でもありました。

後編はライスパワーNo.11を配合した日本初のメンズスキンケアシリーズ「DISM PLUS」の二人目のビギニンが登場します。

後編:天然成分ゆえ取り扱い難易度もトップクラスのライスパワーNo.11 に続く

DISM PLUS ディズム プラスの薬用クリームと薬用セラム

アンファーの皮膚科学の知見のもと、勇心酒造が開発したディズムプラスの薬用クリーム(左)と薬用セラム。日本で唯一「皮膚水分保持能の改善」効果が承認された有効成分ライスパワーNo.11を配合。細胞を作る基底層深くにまで浸透しターンオーバーを健全化、若々しく健やかな肌に導く。オールインワン設計で、これ一本で肌の乾燥、乾燥により生じる小ジワ、日焼けによるシミといった悩みの改善が期待できる。ディズムプラスの薬用クリーム(左)1万2100円(税込)、薬用セラム9900円(税込)

(問)DISM PLUS
https://scalp-d.angfa-store.jp/brand/dism/

Begin Marketでも販売中
https://market.e-begin.jp/collections/dism_plus


写真/中島真美 文/森田哲徳

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