ロフトマン 代表 木村 真さんをめぐる、これからのシン・スタンダードとは #082
「四半世紀の時を超えて再会した我が人生のベスト・オブ・ベスト」
ロフトマン 代表 木村 真さん
何しろベスト好きなもので。イン⇔アウトで使えて、寒暖調整がしやすく、スタイルの幅も広がる。便利ですよね。パタゴニアやオルテガなど愛用品を挙げたらキリがないけれど、一番重宝しているのがこのMA-1ベスト。
ロフトマンに入社したての頃、アメ横でコイツの存在を知ったときはちょっとした衝撃でした。もともとMA-1も大好きで、それがベストになったなんて、運命の出会いでしたね。
最初はアルファ社にこんなモデルあったの?って疑ったけど、思い切って現金書留で通販して今も愛用しています。当時誰もこのベストの存在を知らなかったから、よく「袖切っちゃったんですか?」って言われたな。
そこから四半世紀以上経った今春、知り合いのインポーターからデッドストックが出たと連絡があって。それも最初に入手したオリーブ以外にないものだと思っていたら、出てきたのはまさかのネイビー&シルバー。
ロフトマンにも卸してひっそりとインスタに上げたら、業界内の知り合いから予想以上の反響があって即完売しちゃいました。アイテムとしてはヴィンテージながら、時代が一周してまた密かに注目され始めているのかも。
秋はこうしてGジャンに合わせたり、冬はモッズコートの中に着たり。個人的にベスト界のニュースタンダードとして期待しているので、早く復刻してくれないかなあと待ち焦がれています。
ALPHA INDUSTRIES[アルファ インダストリーズ]
1990s MA-1ベスト
アルファ インダストリーズが’94年に米国内で民間向けに展開していたと目される希少モデル。写真は本人私物。ヴィンテージの流通は相当に少ないため入手は困難だが、今でもたまに出回る模様。相場価格は2万円前後。
ロフトマン 代表
木村 真(きむらまこと)
1971年生まれ。1996年、ロフトマンに入社。パタゴニアのフリースベストを街着として広めた陰の立役者として知られる。2015年より代表を務める。昨年末には代々木上原に待望の都内初店舗をオープン。
[ビギン2022年10月号の記事を再構成]スタッフクレジットは本誌をご覧ください。