「バチッ」「ビリッ」洗濯王子に聞いた静電気の予防法
毎日のようにケアが必要な衣類のメンテ=メインは洗濯ってことで、ここでは「洗濯王子」としても名を馳せる洗濯家の中村祐一さんに取材。あまりに身近すぎておざなりになりがちな洗濯&メンテのあれやこれやをお送りします。今回は忘れた頃に「バチッ」とくる、あのイヤな静電気の予防法です。
じつは界面活性剤の特性を知れば静電気は予防できる
陰か陽か、それが問題だ
「界面活性剤とは洗剤の主成分のことです。洗濯用洗剤には主に陰イオン系か非イオン系の、柔軟剤には陽イオン系の界面活性剤が使われています」と中村さん。
そもそも静電気とは、繊維同士がこすれて-もしくは+に帯電することで発生するんだとか。「そのため、洗濯によって電気的に+か-に振れすぎないよう界面活性剤のイオン特性に着目するのが大事。これで静電気は予防できるはずです」。
注目はココ
― 主な界面活性剤 ―
純石けん分(脂肪酸ナトリウム)
アルファスルホ脂肪酸エステルナトリウム
直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム
アルファオレフィンスルホン酸ナトリウム
アルキルスルホン酸ナトリウム
アルキルトリメチルアンモニウム塩
エステル型ジアルキルアンモニウム塩
[陰イオン]
[陽イオン]
洗剤の使い分けで静電気を予防
汚れが多い場合は……
粉末洗剤には、上で挙げた陰イオン系の界面活性剤が使われることが多い。逆に柔軟剤には陽イオン系のそれが使われることが多い。それゆえ陰イオンの粉末洗剤で洗濯したら、陽イオンの柔軟剤で仕上げるとよい。
汚れがひどくない場合は……
界面活性剤は陰イオン系のほうが汚れを吸着しやすいが、その一方で静電気の原因にもなりやすい。バチバチ恐怖症の人は非イオン系の界面活性剤が配合された、おしゃれ着用洗剤を使おう。
[ 洗濯家 ]
中村祐一さん
メンテナンス達人
家業がクリーニング店だったことから洗濯の奥深さに目覚め、日本初の洗濯アドバイザーとして活躍。メディアへの出演も多数。
[ビギン2018年1月号の記事を再構成]
写真/植野 淳 文/山田純貴 間中美希子 礒村真介 黒澤正人 スタイリング/佐々木 誠 イラスト/友利琢也