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いま、ニッポンの焼き物に数々のセレクトショップが熱視線を送っています。その理由は、ここ数年海外の洋食器に負けないくらい各地でお洒落な焼き物が生み出されているから。焼き物が古くさいなんてイメージはすでに過去のお話。服好きなアナタこそ焼き物の魅力にハマッてしまうかも? 今回は、鳥取県を代表する焼き物、バイカラーの個性際立つ「牛ノ戸窯」を紹介します。

柳宗理のDNAにもつながる“鳥取の民藝運動”

北を望めば砂丘や日本海が、振り返れば緑豊かな山々が。鳥取には、豊富な自然というもの作りの土壌があります。この地で、1925年に吉田璋也、柳宗悦らによって始まった「民藝運動」。いま、彼らの教えを受け継ぐ「鳥取の民藝」に改めて注目が集まっています民藝運動と聞くとなにやら物々しい感じがしますが、要は職人の手から生み出された日常の生活道具に美を見出すこと。美術品に負けない美しさがあると唱え、陶器、家具、漆器、和紙、染め物など、様々な日用品が生まれました。柳宗悦はあの柳宗理の父親、と聞けば、より民藝が身近に感じられるでしょうか。

服好きを魅了し続ける“黒×緑の染め分け”

黒・緑の釉薬で二色に染め分けられた大胆すぎるデザイン。緑がターコイズのような色合いなのもよく、和食器なのにやたらとモダン。昨今、鳥取県内の窯元では、この染め分け技法をベースにした陶器が多く作られています。三色分けや、朱色の釉薬を使った染め分けもあるんですよ。この染め分けの元祖が「牛ノ戸窯」。民藝運動家の吉田璋也から、窯主が直接手ほどきを受けたのが始まりです。

[おさらい]“〇〇焼”と“〇〇窯”ってなにが違うの?
○○焼とは焼き物の産地のこと。○○窯とは産地の中の特定の窯元のこと。個人名の入った、より作品性の強いものは「作家もの」と呼ばれる。

【牛ノ戸窯に潜入!】今どき顔な陶器、実は80年以上の歴史があった!

じつは元々、美しい黒が代表色でしたが、吉田璋也がディレクションしたバイカラーの染め分けが一躍シンボルに。いまでは鳥取市内の窯元で多彩な染め分け器が作陶されていますが、元を紐解けば牛ノ戸窯がルーツ。ここから“暖簾分け”し、いまでは鳥取の焼き物を象徴するデザインになりました。専門店や百貨店のほか、ビームスなどのファッション感度の高いセレクトショップでも販売され、今どきの焼き物に熱中する洒落者はこぞって注目&寵愛、この「染め分け」という言葉は絶対に覚えておくべき“合言葉”となっている状況です。

ちなみに、登り窯で製作されている牛ノ戸窯の器ですが、生地づくりから染め分けまで、6代目と息子の小林さん親子が、一点一点手作業でつくっています

▶牛ノ戸窯[うしのとがま](鳥取県鳥取市)

昭和初期に衰退していた牛ノ戸焼を、民芸家の吉田璋也に指示を仰ぎ4代目が作陶に取り組む。素朴な民芸調で太く堅牢なところに特色があり、吉田氏が監修した「染め分け」はここから生まれた。現在は6代目の小林孝男氏が切り盛りしている。 鳥取市河原町牛戸185  0858-85-0655 ※窯では見学、購入も可能。事前に電話で要予約。

ターコイズを連想させるこのツヤッとした緑色と黒色のバイカラー。県内で採取された原石から作られる釉薬ならではの色合いですが、とにかく「盛り付けた料理がどれも美味しそうに見える!」と大好評。80年前にデザインされた器なのに今見てもなんともモダンですよね。

牛ノ戸窯の染め分け皿は、鳥取市内にある「たくみ工芸店」ほか、百貨店の催事等で販売されていますが、入荷毎に即完売するので入手困難……。牛ノ戸窯で直接購入することもできますが、訪れる際は事前に要電話予約。出会ったら買い、が鉄則です。φ約15cm 価格6000円前後(牛ノ戸窯)

カレー店で出会った牛ノ戸窯の染め分け皿!

2020年の夏、鳥取県鳥取市扇町にオープンした、オシャレな器が選べる“本格スリランカカリー屋さん”「カジカリー(KAJICURRY)」。カレーの注文と一緒に好きなデザインの器を選ぶ“器オーダー制”で、鳥取の牛ノ戸窯や中井窯など、21種類の器のデザインを見比べながら、自分の好みの一品を選びます。写真は、牛ノ戸窯の皿に「カジランカリー」というレッドカリーとイエローカリーの2種盛り。オーナー渾身のスパイスに、豚の角煮、鶏肉、生きくらげ、すだち……と、彩り、ボリューム満点の一皿ですが、染め分け皿にうまくまとまって美味しさ倍増!モダンアート感すら薫るこの皿。食器として使用するのはもちろん、飾って楽しむのも充分アリです♪

▶KAJI CURRY[カジカリー](鳥取県鳥取市)

毎週火~金曜の11時~14時のランチ営業のみ、1日30食限定、完全予約制。メニューは季節で変わる期間限定のもので、取材時は2種盛りで1790円。 鳥取県鳥取市扇町138 営業時間:11:00~14:00 定休日:土~月曜日、祝日 ※Instagram(@kajicurry)から要事前予約

 

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