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INVERALLAN インバーアラン ニットカーディガン

何百年も前から伝わる伝統着は、その時代には最新の機能服だった! 防寒性に秀でたニットといえば……

先人の知恵・・が今に生きる[伝承]機能服
海風から身を護る漁師由来の機能服

立体的なケーブル模様で知られる、英国発祥のアランニット。ある文献によると、その模様のパターンには1000年以上前から伝わるものも。「防寒のため、野太い羊の毛を編み上げたニット」は、何百年どころかサウザンドイヤー級の機能服なんです。

中世になると、伝統的なアランニットのパターンは地方ごとの特色が出てきます。なかでもスコットランド東部とイングランドではヨコ編みが主で、それぞれの漁村ごとのパターンに発展。

19世紀後半に入ると、スコットランド東部の漁師の妻たちが、船乗りの防寒着であるガンジーニットにその漁村特有のケーブルパターンを装飾して編み始めました。これらのニットは未脱脂の羊毛が用いられ、防水防風性に富み、男たちを荒ぶる北海から護っていたのです。

1975年創業のインバーアランは、この伝承に基づくニットを、優れたニッター(おばあちゃんね)の内職による工芸品的にマーケットへと送り届けたもの。

手編みゆえ仕上がりのブレが大きく、ひとつとして同じものはなし。でも今日の機能服ではNGとされるその不均一さにこそ、代え難い温もりが宿るのです。現在ハンドメイドからマシンメイドに変更されたものの、見た目にほっこり暖かいという点は立派な機能と思うわけ。

今季はトレンドのビビッドカラーものも豊作。そもそも漁師が着ていたガンジーニットは、今日定番と見なされている生成りの白でなく、汚れの目立ちにくい紺に染色されていたといいます。カラフルなインバーアランって、一周回っていろいろと正統なんですね!

INVERALLAN インバーアラン ニットカーディガン

INVERALLAN[インバーアラン]
ニットカーディガン

現在は価格高騰を避けるため、ニッティングはインドにて。紡績・染色と、ウッドボタンなどの最終工程はスコットランドで行う。上/3Aをベースにした別注モデル。6万8200円(ビショップ) 中・下/3Aと呼ばれる定番の色別注。各5万7200円(シップス)

DETAIL 〜実は柄には意味がある〜
 
INVERALLAN インバーアラン ニットカーディガン ニットの柄
 
生命の木の模様は、その名の通り家族繁栄の祈りを込めたとされる。ハニーカムは子孫繁栄を、ダイヤは魚網、すなわち富や成功の象徴。漁師の縄や命綱を表すケーブルは大漁や安全を祈願するものだ。

[今どきアレンジポイント]

 

ビビッドなカラーが今季のトレンドですね

シップス 岡部邦彦さん

シップス バイヤー 岡部邦彦さん

ダークなトーンに落ち着いてしまいがちな冬だからこそ、インバーアランの存在感をトレンドのビビッドカラーで取り入れてみては。そんな意図から、カラフルアランを別注しました!

 
※表示価格は税込み


[ビギン2021年12月号の記事を再構成]スタッフクレジットは本誌をご覧ください。

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