70年代の傑作がまさかの復活! 名店のバイヤーたちが熱望した
シチズンの”ツノクロノ”とは?
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今なおコアな時計ファンを魅了しているシチズン70年代の名作クロノグラフ、“ツノクロノ”が、往時のスタイル&サイズで復活! その陰には、時計やファッションの有名ショップたちからの熱烈ラブコールがあったようです。なぜ今ツノクロノなのか? 当事者であるバイヤーの皆さんをお呼びし、存分に語り合っていただきました。
そもそもツノクロノってどんな時計?
こちらはシチズンが保管する希少なツノクロノのオリジナルで、正式名称は「クロノグラフ チャレンジタイマー」。シチズン初の本格機械式クロノグラフウォッチとして1973年に鳴り物入りで登場し、当時の空気感を捉えつつ、さらにその斜め上を行く大胆デザインの魅力もあって国内外で大ヒットしました。ツノクロノのニックネームはお察しの通りケース上部からニョキッと突き出るプッシュボタンがツノのように見えるからで、ほかにも“ミッキー”“ブルヘッド”などとも呼ばれました。
ツノクロノの復活を後押しした現役バイヤーたちが語る!
今回の座談に参加いただいた皆さん。彼らの猛プッシュがなければツノクロノの復活はありませんでした。左から、ビューティ&ユースの鈴木 脩さん、ビームスの原 宗平さん、オンタイムの浦和 智之さん、TiC TACの妹尾 英人さん、ジャーナルスタンダードの井田 将さん。
『70年代のデザインの金字塔だから』
熱望した理由①
個人的にも好きなモデルを復刻したんです!
——— 70年代のツノクロノがまさかの復活を遂げました。皆さんの熱烈なリクエストがシチズンを動かしたとも伺ってますが、そもそもなぜこのモデルに着目したんでしょう?
ビームス 原 宗平さん(以下原) 個人的にツノクロノのデザインが大好きなんです。ずいぶん前からオリジナルに忠実なモデルをビームス別注として復刻したいとオファーしていました。最近カジュアルな価格帯の時計では、キッチュなデジタルウォッチや、アナログなら薄型でシンプルな3針タイプがずっと売れていて、そこにこういうクロノグラフを投入したら面白いかなとも考えたんですね。
ビューティ&ユース 鈴木 脩さん(以下鈴木) じつはボクらも、以前からツノクロノを含めたシチズンの70年代から80年代前半のモデルに注目していました。きっかけはシチズンの田無本社でアーカイブを見学させていただいたことですね。あの時代はデザイン的に面白いモデルがいっぱいあり、いつか別注できたらいいなと考えるようになった。
ジャーナルスタンダード 井田 将さん(以下井田) ツノクロノは70年代という時代を象徴するようなデザインですもんね。今の時計の売れ筋のデザインとは異なるものの、復刻されたら相当反響あるだろうなとボクらも考えていました。
オンタイム 浦和智之さん(以下浦和) 我々のような時計ショップでもツノクロノの復刻は待望していました。昔からの時計好き、シチズン好きなら絶対知ってる名作ですから。
TiCTAC 妹尾 英人さん(以下妹尾) 時計ショップとしてはこういう名作デザインのモデルを店頭に並べておきたいんですよね。時計を通じて当時の文化やムーブメントを若い世代に紹介するのも我々の役割だと考えていますから。でも時計ショップの要望だけではメーカーさんってなかなか動いてくれない……(笑)。今回の復刻はセレクトショップの皆さんの熱意があって実現したものだと思います。アパレルの皆さん、ありがとうございます(笑)
——— ちなみに中古市場でのツノクロノって今どんな状況なんでしょう?
妹尾 最近は中古市場にはあまり出てこなくなりましたね。たぶん時計コレクターが手放さないんでしょう。もう二度と出てこない唯一無二のデザインだと考えて。
浦和 コアなファンというか、シチズンやセイコーのこの年代の時計をがっつりコレクションしている人ってけっこう多いですよね。
原 そのなかでもツノクロノは高い人気。程度のいいオリジナルはもはやなかなか見つからない。見つかったとしても相当値が張りますね。
井田 だから今回の復刻は、時計ファンにとってもめちゃめちゃ嬉しいニュースになるのは間違いないです。
『今どきスペックで当時の価格を維持!』したから
熱望した理由②
よくぞこの価格で再現した!という感じです。
——— 今回「シチズンコレクション レコード レーベル」から復刻された「ツノクロノ(TSUNO CHRONO)」を初めて見たとき、皆さんの正直な感想はいかがでした?
原 デザイン的には、よくぞここまで当時の雰囲気を忠実に再現できたなと思いました。パッと見ではオリジナルとまったく見分けがつきません(笑)
鈴木 復刻と言いながら、ケース径を現代的なビッグサイズにアレンジしているものが多いなか、当時と同じ38㎜径を死守してくれたのは大拍手。小径時計のブームにも合いますし、これならオリジナルを知っている人も受け入れてくれるはず。
浦和 マニアックなファンからしたら、「デイデイト表示がデイト表示になっている」とか、「プッシャーの形状が微妙に違う」とかいろいろあるでしようが、ボクも今回の復刻は完璧だと思います。
妹尾 ボリュームあるケースに対して華奢なブレスを装着するバランスまでそのままなのは恐れ入りました。今の時代ならもう少しブレスを厚くしたり、幅も太くするものなのに。でも当時と同じバランスとすることで、オリジナル同様にプクッと感が強調され、ちょっとかわいらしさも感じる(笑)。
——— ムーブメントはオリジナルの機械式からクォーツ式クロノグラフに変更されていますね。
井田 だからこそ、お買い求めやすい販売価格を実現できたわけですから、ボクとしては評価したいです。
鈴木 予想なんですが、オリジナルを出したときの品質基準、たとえば精度とか耐久性とかの基準は今のシチズンよりゆるかったんじゃないでしょうか。だからこそこんなふうにデザインで冒険できたんだとも言える。このデザインで今の厳格な品質基準をクリアするなら、現代的なクォーツの搭載がベストとされたのでは。当たり前ですけれどアフター面も安心ですし。
浦和 じつはシチズン十八番のエコ・ドライブムーブメントを積むかどうかという議論もあったそうですね。それだとオリジナルのデザインを再現するのは相当難しいし、できたとしても値段が高くなってしまったでしょう。結局は誰もが手の届くシンプルなクォーツでと判断したそうですが、正解ですよね。
『ちょうど今のファッションに万能』だから
熱望した理由③
じつは今どきの服と合わせても、しっかり似合うんです。
——— もう少しツノクロノのデザインについての話を聞かせてください。そもそもなぜ70年代のシチズンはこんなデザインの時計を作ったんでしょう?
妹尾 時計屋目線でいうと、あの時代はクォーツが席巻し始め、時計界が大きなターニングポイントに差し掛かっていた。だからデザイン的にも新しいものを求める風潮があったのかなと思います。海外のブランドもけっこう奇抜なデザインを手掛けていましたし、新しいデザインを生み出さないと生き残っていけないという考えが背景にあったのでは。
井田 ブランドとして初の機械式クロノグラフウォッチだったこともあり、シチズンさんも相当気合いが入っていたでしょうしね。新鮮なデザインを模索したのはわかります。
原 じつは時計ってデザイン的に制約が多いんですよね。個性を出そうと思ってもあまり突飛なデザインにするとムーブメントの構造も複雑になるし、その分値段も跳ね上がる。そうしたなかでは、ムーブメントを回転させてリューズとプッシャーをケース上部に持ってくるのはアリだったのかも。ダイバーズだと左に配置することもありますからね。ちなみにツノクロノとは当時のファンがつけたニックネームですが、シチズンさん自身もツノに見立てていたんじゃないかなとも思います。そのほうが日本らしくて面白いし、海外でも売れるという判断があったような。想像ですが。
井田 ストップウォッチのデザインからインスパイアされたという話も聞きますよね。そっちのほうがクロノグラフ操作がしやすいと。
鈴木 ぽっこりしたケースフォルムには、スペースエイジと呼ばれた時代の影響も感じますね。70年代の家具やクルマとも通じるものがある。プロダクトデザインってテイストが連動するものですから。
——— 復刻したツノクロノはオリジナルのデザインを忠実に再現していますが。今のファッションとの相性はいかがでしょう?
原 今のファッションは90年代テイストがトレンド。そこに70年代テイストの時計はちょっとチャレンジングだなとも思ったんですが……これが意外なまでにいろんなスタイルに馴染むんですよね〜(笑)。
鈴木 とくに最近のオーバーシルエットな服とは好相性。このボッコリとボリューム感あるシルエットが合うんでしょうね。それでいてケース径自体は38㎜と小さいので、スーツスタイルの外しにもOK!
井田 今は時計とアクセを重ねづけする人も多いと思うのですが、その場合もツノクロノのデザインはいいですよね。リューズとプッシャーが上にあるから邪魔にならない。
——— あ、たしかに!
妹尾 この時計がどんなファッションに合うかを考えるのも楽しいけれど、そんなことを気にせず、このデザインに惚れたら気軽につけたらいいんじゃないかな。ライフスタイルやモノに対するこだわりをアピールするツールになると思います。
浦和 そうそう。世界中のコレクターが血眼で探しているシチズンの名作デザインを、2万円台でサクッと買えるということが肝心。まったくこの時計の背景を知らない人も、ぜひつけてもらいたいですね。
——— 綺麗にまとまりましたね。本日は皆さん、お忙しいところありがとうございました。
あまりにも熱望しすぎて、各バイヤーも渾身別注!
最後にツノクロノをもう一度おさらい!
シチズンの個性ある時計を集めた新レーベル「シチズン コレクション レコードレーベル」から登場した「ツノクロノ(TSUNO CHRONO)」。“ツノクロノ”との愛称で人気を博した1973年発売の「クロノグラフ チャレンジタイマー」の特徴的デザインとサイジングを忠実に再現した姿は今の目で見てもすこぶる新鮮! 予約段階からすでに大人気なので、早いところ手を打つべし。スタンダードモデルはネイビー文字盤「Ref.AN3660-81L」とシルバー文字盤「Ref.AN3660-81A」の2タイプ。クォーツ。5気圧防水。径38㎜。ステンレススチールケース&ブレス。10月上旬発売予定。各2万6400円(シチズン お客様時計相談室)
ビューティ&ユース デザイナー 鈴木 脩さん
1982年生まれ。2004年ユナイテッドアローズ入社。カジュアル部門の販売スタッフを経て本社へ。ビューティ&ユースで扱うアイテムの企画とデザインを行う。最近キャンプに開眼。野外で飲む酒はサイコー!
ビームス バイヤー 原 宗平さん
1983年生まれ。2006年ビームス入社。店舗スタッフを5年経てバイヤーに。現在は時計やメガネをはじめ服飾雑貨全般が守備範囲。自分が本当に興味を感じたもののみを買い付けるのがモットー。趣味はヴィンテージバイク。
オンタイム チーフバイヤー 浦和 智之さん
1974年生まれ。店舗スタッフを経てバイヤーに。昔のシチズンはかなり攻めたデザインの名作を膨大に作っているので、そのあたりをぜひ「レコートレーベル」で掘り起こしてくれることを期待。趣味はランニング。
TiC TAC バイヤー 妹尾 英人さん
1980年生まれ。TiC TAC各店の店長を経て、10年前にバイヤーに。世界中の時計トレンドに精通するが、個人的にはヴィンテージ感ある国産時計に目がない。最近は家族や仲間とのキャンプにどハマり中。
ジャーナルスタンダード DX統括セクションマネージャー 井田 将さん
1982年生まれ。店頭での販売スタッフを経たのち、7年前からEC部門に。現在はジャーナルスタンダードやジャーナルスタンダード レリュームなどのEC店舗をマネージングする。普段カジュアルな装いが多いため、スタイルを引き締める程よいドレス感ある時計が好み。
商品の問い合わせ先/シチズン お客様時計相談室☎︎0120-78-4807