アーバンリサーチ

木村石鹸 12/JU-NI ヘアシャンプー・コンディショナー

時代のニーズや変化に見事に応えた優れモノが、日々私たちの周りには続々と誕生しています。そんな心を踊るアイテムは、どのようにして生み出されたのか? 本連載「ビギニン」では、そんな前代未聞の優れモノを“Beginした人”を実際に訪ね、その誕生の深層に迫ります。目からウロコな制作秘話やモノ作りに込められた思いを、まっすぐに紹介。ビギニンの発想、言葉、生き方に触れれば、そのモノがより魅力的になるだけでなく、きっと私たちの生活のヒントになるでしょう。

今回の舞台は創業96年を迎えた老舗せっけんメーカー「木村石鹸」。大阪府八尾市と三重県伊賀市に自社工場を構え、職人の手作業による伝統的な釜焚き製法で作られた純石鹸を原料に、家庭用から業務用まで、安全かつ効果の高い洗浄剤を幅広く製造しています。長年、生協向けのOEMも手がけており、普段使っている洗剤の中にも、じつは木村石鹸が作った物があるかもしれません。

木村石鹸 自社工場

そんな木村石鹸ですが、2014年から自社ブランドを立ち上げ、2019年12月にクラウドファンディングで先行予約販売されたシャンプー&コンディショナー「12/JU-NI(ジューニ)」が、目標を大幅に超える約1700%の支援を達成します。「寝癖がつかなくなった」「くせ毛、切れ毛、枝毛など髪の悩みが改善された」などなど、SNSには感動の声があふれ、注文が殺到。一般販売後も、しばらく入手困難な状態が続いていましたが、最近、直販サイト等で購入できるようになりました。

12/JU-NI ヘアシャンプー・コンディショナー ユーザー
12シャンプー&コンディショナーを3ヶ月使用中のユーザーさん。スタイリング剤を使わずドライヤーだけでこの仕上がりだと言います。

ここだけの話、私(筆者)の髪は猫っ毛で、細くて、絡みやすいうえにパサパサです。美容師さんから「初めて見る(くらいキビシイ)髪質」と驚かれたことも。だから「12/JU-NI(ジューニ)」も最初は、お手並み拝見という気持ちで試してみたんです。で、使ってみると、櫛通りが普段より滑らかに。4〜5回と続けていく内に、頼りなかった髪にコシが生まれ、まとまりも良くなり、どんどん髪質が変わっていきました。効果が目に見えてわかるのが面白く、気づくと髪を手入れする時間が楽しみになっていきました。

というわけで、今回はそんな奇跡のシャンプー&コンディショナー「12/JU-NI(ジューニ)」を開発したビギニン、多胡健太朗さんにお話を伺います。

今回のビギニン

木村石鹸 多胡健太朗
木村石鹸 多胡健太朗

1981年生まれ。兵庫県加古川市出身。ヘアケア原料メーカー、化粧品会社を経て、2013年、木村石鹸に入社。技術開発部に所属し化粧品を中心に様々なプロダクトを生み出す。現在は伊賀工場に勤務。髪はシャンプー&コンディショナーの補修効果を身をもって確認するためブリーチしている。シュノーケリングが趣味で、綺麗な海を見るとアイデアが湧いてくるそう。料理好きでジャム作りも得意。

idea:
研究者として本当に効果があるものを突き詰めてみたい

木村石鹸 多胡健太朗

大学と大学院で畜産を学んだ多胡さんは、ヘアケアの原料メーカーに就職。開発に取り組んだ後、化粧品メーカーでヘアケア製品の処方開発(製造レシピを作る仕事)に従事します。そうした業務を通じ、また生来の研究者気質も手伝って、ヘアケアの道を邁進されますが、同時に葛藤も生まれます。

「開発にはどうしても販売価格の縛りがあり、なかなか自分の好みのものが作れなくて……」

と多胡さん。一般的にヘアケア商品はコストを抑え大量生産することで、単価を下げるビジネスモデルが採用されることが多いといいます。消費者に手頃な価格で商品が提供できる反面、安い原料を選ぶことが多くなり、機能面では満足いかない商品も発売されてしまう。

「良い原料をふんだんに使い、本当に効果があるものを生み出したい」

そう考えた多胡さんは、自由に研究開発ができる場所を求めて、転職を決意。そこで、木村石鹸と出会います。

trigger:
求人はなかったけど、逆オファー

木村石鹸 多胡健太朗

その頃、木村石鹸は四代目社長となる木村祥一郎さんに代替わりしたタイミングでした。木村さんは自らが立ち上げ18年間経営したITベンチャー会社を退任し、家業を継ぐ形で、木村石鹸工業株式会社へ。自社ブランドを立ち上げるなど、新事業に着手しつつ、社内の制度も変えていきました。

中でも大きな影響を与えたのが「開発依頼書」の廃止でした。開発にあたって事前合意をとるための申請書類を無くし、開発者が作りたいと思ったものや、こういう新商品が欲しいと思えば、(開発部以外の)企画営業のメンバーも開発していいことになりました。多胡さんもそんな環境に魅力を感じたと言います。

「ここなら自由な開発が出来そう」

木村石鹸のホームページを見た多胡さんはメールを送ります。当時、木村石鹸はヘアケア開発の求人を出していませんでしたが、熱意が通じ、見事、技術開発部に採用されます。

理想の環境へと進んだ多胡さん。開発も普通の会社では考えられないスタイルで進行します。後編ではいよいよ「12/JU-NI(ジューニ)」の誕生秘話をお伝えします。

後編:コラーゲン入れすぎ⁉に続く

木村石鹸 12/JU-NI ヘアシャンプー・コンディショナー

12/JU-NI
ヘアシャンプー・コンディショナー

ダメージケア成分の加水分解コラーゲン誘導体が、髪の奥まで浸透し損傷部分に吸着。ドライヤーの熱を加えると「ヒートアクティブ効果」で毛髪に結合し、内側から補修します。即効性もあり、使ったその日から手触り&ツヤ感がアップ。シャンプーとコンディショナーを併用することで、効果がより高まりサロンスタッフも驚く仕上がりに。くせ毛やパサパサ&ボサボサヘアーに悩んでいる方、カラーやパーマで傷んだ髪にオススメです。シャンプー、コンディショナーともに500mlボトルで各3000円(税込)。

(問)木村石鹸
https://12-juni.jp/
https://twitter.com/kimurasoap


写真/中島真美 文/森田哲徳

特集・連載「ビギニン」の最新記事

寝癖がつかない!? 運命のシャンプーのビギニン[前編]【ビギニン#04】

Begin Recommend

facebook facebook WEAR_ロゴ