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ジャパンブルージーンズの縫製を請け負う高木ソーイング

デニムの生産工程の排水を80%減らす取り組みや、原料のコットン生産におけるコードジボワールでの活動など、サスティナビリティ(=持続可能性)に並みならぬ熱意で模索を続けるジャパンブルージーンズ。しかし、持続可能性を追求しながらハイクオリティなデニムを作るには、原料や生産工程はもちろんのこと、「職人の持続可能性」も欠くことのできないワンピース。職人不足が叫ばれて久しいニッポンの服飾業界で、ジャパンブルージーンズの「職人の持続可能性」について話を聞きました。

サスティナビリティを見直すきっかけとなった22歳の救世主

ジャパンブルージーンズの縫製を請け負う高木ソーイング
今、ニッポンの縫製現場を中心で支えているのは、40~60代の職人と外国人技能実習生だといいます。その職人たちは、つまりは「大ベテラン」ゆえ技術は一級品。また、技能実習生として国に認められている外国人は手先が器用な人が多く、製品の完成度に支障はありません。しかし、いつかは現役を退かなければならないベテランの職人がいくら外国人に技術を伝授しようとも、いずれは自国に帰ってしまい国内に優秀な職人が育たない……。日本のアパレル生産の現場で起こっている高年齢化と多国籍化は、技術の体得→継承という本来あるべきサイクル、つまり「職人の持続可能性」にほころびを生んでいるのです。

ジャパンブルージーンズの縫製を請け負う高木ソーイング
ジャパンブルージーンズの5ポケットジーンズのほぼすべての縫製を請け負う「高木ソーイング」もまた、職人の高齢化と多国籍化に悩むファクトリーの一つ。もっともベテランの谷さん(写真上)は御年75歳(取材時)。縫製を担当する職人のうち約4割を外国人技術研修生が占め、技術の継承問題は工場の存続にも関わる火急の課題でした。そんな高木ソーイングに、暗雲を吹き飛ばす救世主が現れたのが数年前。中途採用で22歳(当時)の若いスタッフが入社しました。すると技術指導以外の職人同士のコミュニケーションが増え、工場の雰囲気が明るく活気に満ちるように。それだけでなく、なんと生産効率までアップしたといいます。若者が持つフレッシュなバイタリティが、モノ作りの現場によい循環を生み出すことを実感させる出来事だったってワケなんですね!

フレッシュな若者が入社しやすい採用体制を導入

残念ながらその若いスタッフは、結婚を機に高木ソーイングを退社。しかし若い職人の必要性を再確認した高木ソーイングとジャパンブルージーンズはその翌年、今までやってこなかった新卒採用を肩を組んで積極的に行うことにしました。

ジャパンブルージーンズの縫製を請け負う高木ソーイング
2019年入社した佐藤さん(写真上)は、高木ソーイングでは初となる新卒として入社した職人の一人。「黙々と作業するのが好き」と職人としての道を選んだ彼女でしたが、技術を伝授する大ベテラン谷さんの背中はどこか楽しげです。「ときには優しく、ときには厳しく指導してくれる谷さんはとても大きな存在。早く技術を自分のものにして、谷さんたちに認められたい」と佐藤さんは語ってくれました。

ジャパンブルージーンズの縫製を請け負う高木ソーイング
ジャパンブルージーンズもこの取り組みを支援。地元・岡山県の専門学校を中心にパイプを作るなど、若い職人を探すための活動を弛みなく行っているといいます。

人材も世界一サスティナブルなジーンズを目指して

ジーンズの生産過程だけでなく、それを作るために不可欠な職人の持続可能性も真摯に向き合うジャパンブルージーンズ。「わかっている」のと「実際に動く」のでは、じつは大きな隔たりがあります。「完全に」環境負荷のないジーンズはもしかしたら不可能かもしれない。しかし、それを追求し、少しでも近づこうとすることが今できること。「世界一エシカル」を標榜して作られる同社ジーンズ。ちょっと気になってきませんか?

Ethical Product –Jeans-

ジャパンブルージーンズ デニムパンツ

もっとも原種に近いと言われるコートジボワールコットンを使用し、風合い豊かな13.5オンスの中厚デニムに。セルビッジの一方は、コートジボワール国旗のカラーステッチが入り、日本とコートジボワール絆を表現した。クラシックストレート、ストレート、テーパードの3シルエットがラインナップされ、それぞれにワンウォッシュとダメージ加工バージョンを揃える。ワンウォッシュ1万6000円。加工2万2000円。
 

問い合わせ先/ジャパンブルー
☎ 086-486-0002
https://www.denimlabo.com/japanbluejeans-about/


写真/中島真美 文/編集部

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