特集・連載
男の大事な腰をガッチリ支えるアクセサリーの秘密 – 「ベルト」の教科書
定番の教科書 ネイビージャケットやB.D.シャツ、チノパンといったお馴染みの服はもちろん、スニーカーやデイパに代表される靴、鞄、さらにはスポーツカーや食べ物まで、どのカテゴリにも、いつの時代も変わらない「定番モノ」が存在します。いまもなお、定番が定番たる所以とは? 歴史、ウンチク、名作から今買える新傑作まで、世の定番モノをじっくりわかりやすく解説します。 この記事は特集・連載「定番の教科書」#17です。
HISTORY
男のファッションに必要不可欠なベルトだが、じつは衣類の普及以前から、武器携帯用の道具として誕生。以後、長らく武具として進化してきた。この歴史的事実を鑑みて、男のためのお洒落アイテムと呼ぶに相応しいベルトの実相に触れ、深く考察してみたい。
ベルトメーカーには馬具製造が出自の例が目立ち、現在、私たちが見るベルトにはその技術が活かされた製品が少なくない。ホワイトハウスコックスも例外ではなく、元来は馬具専業だった。写真上(左)は創業当時の同社の工房内の様子。
定番アイテムの基礎知識
装飾品
【ベルト】
●腰に巻いて使う帯状のアクセサリー。
●現在では、男の着こなしの仕上げを左右する重要なファッションアイテム。
古代ギリシャに、肩に掛け、また腰に巻き、その留め具に剣を挿して使う「バルテウス(BALTEUS)」なる武具があった。このラテン語が英語の「ベルト」に変化。「BIND(結ぶ)」も同様で、そこから「BAND(バンド)」という言葉が生まれた。このことからもわかる通り、ベルトは有史以前から武具として盛んに使用されてきたのだ。
もちろん装飾品としても愛好され、ルネサンス期には宝石や貴金属と組み合わせた革ベルトが普及している。だが、テーラードの世界で紳士のアイテムとして普及したのは、なんと20世紀 に入ってから。現在ではレザーを中心に、ナイロンやエラスティックなど多彩な素材が使われ、男の腰回りを彩るに不可欠な装飾品として定着している。
写真/大嶽恵一 文/山田純貴 スタイリング/四方章敬(CODE)
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