特集・連載
使い込むほどに馴染んでいく心地よさ。日本の町工場から生まれた一生使い続けたいボディケアの傑作
最小投資のハッピーライフ実例 世の中今や、右も左も“安くていいモノ”ばっかり。モノ好きにとっては嬉しい時代になったもんですが、反面、欲しいモノがありすぎちゃってつい無駄買い→全然使ってない…(涙) な~んて思い当たる節、誰しもあるでしょ? そんな時代に“安くていいモノ”暮らしを実例を交えてあらためて考え直します。 この記事は特集・連載「最小投資のハッピーライフ実例」#14です。
機械にはできない力いらずの完璧な刃合わせ
釘の頭を切る「喰切」と呼ばれる道具の製造とともにスタートしたスワダ。その爪切りには、「刃と刃を合わせて切る」ニッパーへの強いこだわりが宿ります。
まずは寸分違わぬ2枚の刃。職人が一点一点研磨を重ねて仕上げた刃は、握るとビタッと合わさり肉眼では境目さえわからないほど。
そしてさらに注目すべきは、研磨による狂いのないヘアライン。職人の力量が美しい仕上げに表れる。まさに見た目を整える道具としてあるべき姿なのかもしれません。
SUWADA
つめ切りクラシックL
カスタムナイフにも使われるハイカーボンステンレス製で、サビにも強いスワダのスタンダードモデル。表面に施された美しいサテン仕上げは、キズが目立ちにくいという特性も持ち合わせている。6500円。(諏訪田製作所)
創業:1926年
所在地:新潟県三条市
柔らかなのにヘタらない100年超えの老舗の一本
1914年に大内刷毛店として東京・浅草に創業してから、ありとあらゆるブラシを作り続けて100年余り。
天然素材を使った高品質なブラシを作るなかで生まれた馬毛歯ブラシは、一度使うとヤミツキになる心地よさが評価されています。
肝心の馬毛は、職人が長年の経験をもとにベストな配合を見極め、硬い毛と柔らかい毛が組み合わせられています。しなやかでコシのある毛、使い込むほどに自分に馴染んでいく心地よさが愛される所以なのです。
かなや刷子
馬毛歯ブラシ小
程よいコシとしなやかさを持つ馬毛を使った、小さめヘッドで扱いやすい歯ブラシ。使い込むと毛先が尖り、歯や歯茎に馴染んでくる。色違いのロゴが入り、家族で使い分け可能。3本入り。900円。(かなや刷子 浅草伝法院通り店)
創業:1914年
所在地:東京都台東区
皇室が認めた老舗の伝統工芸品は竹のしなりが心地イイ!
古くから木材の代用品として広く重用されてきた竹。一晩で1m成長することもあり、環境にも優しい自然からの贈り物とも言われます。
そんな竹を使った工芸品を手掛けているのが、宮内庁御用達の過去を持つ公長斎小菅。
囲炉裏の煙などで燻された煤(すす)竹を使った耳かきは、美しい飴色と造形もさることながら、その繊細なしなりは格別。
“格”も実用性も持ち合わせながら、プライスも現実的な範囲に抑えられた、一生使い続けたい傑作です。
公長斎小菅
煤竹耳かき
古い藁葺き屋根の天井に使われていた「煤竹」製の耳かきは、長年燻された深い飴色が美しい。竹の節に指先を添えると使いやすい工夫も。黒竹製のケースが付属。耳かき16cm。ケースΦ1.5×20.5cm。3600円。(公長斎小菅 京都本店)
創業:1898年
所在地:京都府京都市
※表示価格は税抜き
[ビギン2019年7月号の記事を再構成]スタッフクレジットは本誌をご覧ください。